ルドルフ語り つづき・・・
ルドルフが皇位継承者として万端の器であればこそ、その「死」 は大変な国家的衝撃の甚大な出来事で、エリザベート個人的にも、ある意味皇后としてのお役目「皇太子を産む」を果たしたことが、消えてしまうという、ルドルフの死は各所に深い「喪失」を刻み、癒すことは不可能な傷跡となったと思うのです。
そして今回、「最終答弁」のシーンで、初めて、
あれ?ここ、なんで急にフランツが出て、その上、それらしいことをしゃべっているんだろう・・・?
〔トートとフランツが、ガチで対話している〕ことに、初めて??を感じたのです。混乱しました。
そのくらい、この「エリザベート」という作品に、ようやく興味が深くなってきたってことでしょうか。
勝手な解釈をしてみると、
エリザベートは、夜のボート のシーンに至っても、フランツを愛している、と思いました。
(正直、王様の浮気で、そんなに真面目に長々と騒ぎますかね?とも思っているのでエリザベートは、そういう意味での子供ではなかったと思うので)
エリザベートとフランツの深い闇、その深層は、やはり、「ルドルフの死」だと思うからです。
だから、二人は、お互いを運命の相手だとはずっとわかっている。
エリザベートは、「生」への強い意志とともに、「死」を常に携えて生きている人間。
最終答弁でのフランツは、
エリザベートのフランツへの愛と、フランツ自身の融合体、のように感じました。
エリザベートが刺殺されたのは、寿命だと思います。
「死」にあたっても、フランツとの運命的な関係の「情」が、深く彼女に根付いていた、そういうシーンに、見えてきました。
こんなことを初めて感じたのは、真風フランツが人間として一本通って見えたからだと思います。
フランツは、登場人物中、本当にもっともお気の毒であり、その後84歳に至るまで、皇帝の職務を遂行した、なんと立派な・・・
まさに
「災いの種は お前(エリザベート)自らが蒔いたのだ もう誰にも 歯車を 止められはしないさ」
と、トートが歌っているとおり、ですね~。
さて、最後の
フィナーレ、娘役に囲まれて大階段中央の朝夏氏の、やっぱまぁくんはこれだよ感
まぁくんのトートは、ごめんなさい 私には合いませんでした。
感情を、外に表現として何かやることで表す、という感じの表現に、自分のトートの理想としては、違った、というだけです。ちゃんとやれていたと、思います。
私には、朝夏さんの男役には、とても女性を感じてしまうので、得意ではないのだと思います。
ところどころ、いいなぁとおもったのが 、このフィナーレと、
「奇遇です」のお芝居・言い方? が、すごく、聞いたことのないトートだったこと。
普通の街の男1、見たいな調子で、生っぽく「!奇遇です」みたいにきたので、おお!新鮮!!
と。
「覚えておいでですか?」の、最期のダンス前のセリフも
これは、チャラくって THEまぁくん て感じで
まぁくんは、やっぱりこの味が合うわ~~と、けっこう滾りました
(もう既にトートとして見てない・・・)
そして、これも同じく、THEまぁくん きゃぁぁぁぁ~~似合う~~かっこいい~~~
となったのが、
「娘役に囲まれて大階段中央の朝夏氏」
でした
やっぱり、ニン、がものをいうことも、ありますよね。
バトラー=凰稀 は、それを裏切る好例ですが。
みりおんちゃんは、もっと出来ると思っていました。
宝塚版だからとバランスを考えて・・・といえば聞こえはいいですが、
そういうことではなくて、意外と、深いところに行き切らない、器用貧乏の典型、なものを感じました。
エリザベートがもっとくっきり表現できなければ、作品の根幹がぶれてしまうのです。
つまり、生かしているつもりが、トートも、何者かぶれて見える、ということです。
本人が超えるしかない、超えなくてもたぶん仕事はできる、という高度な部分なので、
本人次第だと思いますが、私のようなタイプのお客には、気になってしまうところです。
宝塚初見の知人が、千秋楽近くを観に行ったのですが、
「東宝版よりは観やすかった。でも、男役の、特に歌になると、無理な低い音域を出しているから、何を言っているか聞き取れないね、やっぱり」
と言われました。
これは、現実として、精進だな、と。音域は、海外ミュージカルであることも、ありますね。
ただ、今回は、歌・コーラスともに、水準は高いだろうと期待していた私も、三日目という音響の不慣れを差し引いても、数々残念なところがありました。
主要男役ほぼ全員、低音が不明瞭。
なんの心配もしていなかったせいこちゃんゾフィーも、聞き取れない。
美風センパイのママも、同じく。
せいこちゃんと美風さんは、もっと地声中心に歌ってほしかった。出来るのを知っているだけに、なんで??と。
楊せんせ~~戻ってきて~~~
コーラスは、最初の感想に尽きます。
「安心してしまっている感覚」を舞台全体から感じ・・・
なんだかんだ、美麗な宙組がやっぱり好きですよ。
これからも、応援しています