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終わりよければ全てよし。 (後編)
作戦会議をした翌朝。
銀時は一人で真選組屯所に出向いていた。
門の前に立ち、中の様子を伺う。
すると、偶然総悟の姿が目に入った。
「総一郎く~ん。」
「どうしたんですかィ?旦那が自分からここに来るなんて珍しい。」
「実はさァ、お願いがあるんだよねぇ。」
「何ですかィ?」
銀時は事の経緯を話す。
・・・だが、相手が神楽だと言うことは伏せておいた。
「俺に興味を持つなんて、かなりのメス豚なんですねィ。・・・で、何をすればいいんですかィ?」
「だからさ、その子と1日でいいからデートしてやってくんねぇか?」
「旦那の頼みだから引き受けてやりてぇとこですが・・・その辺りは真選組も忙しいんで、多分無理だと思いやすぜ?」
「いつも仕事サボってんだからいいじゃねぇか。ちょっと相手してやるだけでいいからよォ。」
「サボれるんなら言われなくてもサボりまさァ。でも、将軍様の護衛なんでそうもいかねぇんでさァ。すいやせん、旦那。文句なら土方さんに言ってくだせェ。何なら斬ってくれてもかまいやせんから。」
「・・・誰を斬るって?」
突然、背後から声が聞こえてくる。
「てめぇら、俺のいないところで随分面白そうな話してんじゃねぇか。俺も混ぜてくれよ。」
声の主は、たった今話題にあがった真選組副長 土方十四郎。
「立ち聞きとはいい趣味してんな、おたくの副長さん。」
「すいやせん、躾がなってなくて。あとでしっかり調教しておきまさァ。」
「っ黙りやがれ!大体、何でお前がこんなところにいるんだ?遊び相手なら他あたれ。俺達は忙しいんだ。」
「心配しなくてもテメーなんざ誘わねぇよ。俺ァ、総一郎くんに用があんの。」
「まったく土方さんは自意識過剰で困りまさァ。」
「つくづくムカつくドSコンビだな・・・!おら、総悟!いつまでも油売ってねぇで、さっさと仕事に戻れ!ただでさえ近藤さんが寝込んじまって仕事たまってんだから!」
「へいへい。って事なんで旦那、俺ァこの辺で。」
「ちょ、まっ・・・!総一郎くん!・・・沖田く~ん!」
銀時の願いもむなしく・・・土方の後ろに続き、総悟は屯所の中へと消えてしまった。
「おいおい・・・ヤバイんだけど、これ・・・。銀さんに任せなさい!とか大口たたいちゃったんだけど・・・。はぁ・・・とりあえず、パフェでも食いながら考えるか。」
言葉と行動が一致していない銀時だが・・・今日は新八がいないのでツッコミもなく。
そのままいつものファミレスへ向うのだった。
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「すいませ~ん。チョコレートパフェ1つ。」
ファミレスに着いた銀時は、早速パフェを注文。
クリスマスの雰囲気を漂わせた店内や、街並みを眺め・・・
改めてクリスマスが迫っていることに気付かされる。
「あと1週間か・・・どうすっかなぁ、マジで・・・」
サボり魔の総悟のことだから、仕事が休めるのならば引き受けてくれるだろうと思っていただけに・・・
こんな結果になって焦っていた。
「あんなニコ中やゴリラに頭下げんのも嫌だしよォ・・・ったく、クリスマスに護衛付きで遊ぶなんざ、将軍様もいい気なもんだぜ。またキャバクラか?それとも今度は風俗ですか?何(ピー)だ?何(ピー)するつもりなんだコノヤロー。」
1人でブツブツと文句を言っていると、パフェが運ばれてきた。
・・・とりあえず、食べる。
食べながら、何かいい案はないものかと考えていると・・・
「あら!銀さんじゃない!こんなところで会うなんて・・・やっぱり私達、一心合体・・・じゃなくて、一心同体・以心伝心ね!」
ほんとに偶然なのかは怪しいところだが・・・さっちゃんが現れた。
「・・・・・・」
そんなさっちゃんを無視して、銀時はまた案を考え始める。
「銀さんったら照れちゃって!もう、可愛いんだ・か・ら!それとも何?また放置プレイ?あぁ~ん♪興奮するじゃないのォォォォォ!」
「・・・・・・」
考え事をしている銀時には、すでにさっちゃんなど眼中にない。
だが、興奮しているさっちゃんは気にせずしゃべり続ける。
「そ、それでね銀さん・・・クリスマスのことなんだけど・・・その・・・良かったら・・・私を縛ってくれませんか!リボンもね、もう用意してあるんだけど・・・この中から銀さんの好み選んでくれていいから!・・・え?縛ってどうするのかって?またまた銀さんったらとぼけちゃって!銀さんへのクリスマスプレゼントにさっちゃんを・・・」
「っだァァァ!うっせーよ!!!人が考え事してる時に!大体、お前とクリスマス過ごすなんて約束してねぇだろうが!自分で縛って、クリスマスツリーにでも吊るされてろ!」
「・・・!何その新しいプレイ!もしかしてクリスマスプレイ!?考え事って・・・まさか私のために考えてくれてたの!?いやぁ~ん♪さっちゃん嬉しいゾ☆」
・・・言い終えたさっちゃんの前には、銀時の姿はもうなく。
それでも、ポジティブシンキングなさっちゃんは
「やっぱり放置プレイだったのね!ふふっ!」
と、1人頬を赤らめるのであった。
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クリスマスを目前に控えた、12月23日。
街中はもちろんのこと、万事屋にもツリーが飾られ、すっかりクリスマスモードに包まれていた。
だが・・・そんな雰囲気に浮かれてられない男が2人・・・
銀時と新八だ。
結局あの後も色々考えては見たものの、いい案は浮かばず・・・
仕事なら仕方ない・・・という結論に至ってしまっていた。
「どうしましょう、銀さん・・・クリスマス、明後日ですよ・・・」
「ヤベェな・・・こうなったら他のモン考えるしかねぇよな・・・」
「他の物って言ったって・・・何にするんですか?」
「酢こんぶでいいんじゃねぇか?結局一番喜びそうじゃねぇか。」
「そんな適当な!坊主さんに怒られちゃいますよ?」
「だってよォ・・・あ!」
「思いつきました?」
「ぱっつぁん!写真だよ写真!ほら、あいつヤケに写真立てにこだわってたじゃねぇか!だから、本人は無理だとしても奴の写真と、写真立てでも買ってやりゃあ十分だろ!」
「あ・・・そうですね!全く関係ないものプレゼントするより、沖田さんの写真あげた方が喜んでくれますよね!」
「よし、そうと決まれば時間もねぇし早速行くぞ!」
「銀さん、カメラはどうするんですか?」
「そんなん使い捨て・・・あれ?そういや、昔貰ったカメラ・・・どこかにしまっておいたような・・・」
「銀さん、カメラ持ってたんですか。」
「ああ・・・確かここに・・・お、あったあった!古いけどまだ使えんだろ。」
「じゃあ、フィルム買えば大丈夫ですね!行きましょう、銀さん!」
やっと打開策を見つけた2人は、意気揚々と真選組屯所に向った。
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「沖田さんいますかね?」
「いなくても待ってりゃそのうち戻ってくんだろ。」
屯所に着いた2人は中を覗いていた。
でも、今日は人影が見当たらないので・・・勝手に中に入ることにした。
「見つかったら怒られちゃいますよ?」
「大丈夫だって。道に迷ったとか言っとけば何とかなんだろ。」
「どんな言い訳ですか!苦しすぎますよ!」
「シーッ!大きな声出すな!厄介なのに見つかったらどうすんだ。」
「す、すいません・・・」
そう言う割りに隠れるわけでもなく・・・普通に廊下を進んでいく。
すると、厠から出てきたゴr・・・近藤に遭遇した。
「お?万事屋と新八くんじゃねぇか。どうしたんだこんなところで?もしかして・・・お妙さんからのクリスマスデートのお誘い!?いやぁ~、この間のプリンにはすごく愛情がこもってたもんなぁ・・・お妙さんもついに俺の気持ちを受け入れてくれる気になったってことだな!ははははは!」
「この人の頭の中、一回覗いて見たいですよね・・・」
「見なくてもわかんだろ。エロとお妙しか入ってねぇよ。それより・・・おい、ゴリラ。ドS王子はどこにいるんだ?」
「え・・・総悟か?総悟なら確か見回りに出てるはずだが・・・何か用事か?」
「ああ、ちょっとな。」
「沖田さんの写真を撮らせてもらいたいんです。」
「写真?何に使うんだ?まさか、総悟の写真撮って売るつもりじゃねぇだろうな?いくらあいつがカッコイイからって商売に使うなんて事ァ、俺が許さんぞ!」
「違いますよ!いくらお金がなくたって、そんなことしませんよ!」
「ん?じゃあ何が目的だ?」
「めんどくせぇなァ・・・とりあえず立ち話もなんだ。説明してやっから茶ァ出せ。」
「えええええ!?勝手に押しかけてきて何この態度!こんな図々しい客初めて見たんですけど!」
近藤を無視し、歩いていく2人。
「ちょ、お前ら・・・!」
結局、図々しさに負け、近藤の部屋でお茶を飲みながら話を聞くことになった。
「・・・って訳なんです。」
新八は、事の発端から今の状況までを全て説明した。
「なるほど・・・星海坊主さんからの依頼だったのか。あの怪力娘が、総悟のことを好きだったとはな。」
「ま、そういうことだから協力してくれや。あ、神楽の名前は出すんじゃねぇぞ。」
「わかってるさ。恋する人間の気持ちは、俺もよくわかってるつもりだ。まして、年頃の女の子なら余計に敏感なはずだからな。」
「で、いつ頃戻ってくるんだ?」
「そうさなァ・・・そろそろだと思うんだが・・・。なぁ、万事屋?」
「何だァ?」
「その写真、俺に撮らせてくれねぇか?」
「あ?ゴリラのお前にカメラなんて使えんの?」
「いや、ゴリラっぽく見えるかもしれないけどゴリラじゃないから!人間だから!・・・普段見れないシーンの写真もあった方が喜ぶだろ?あいつ、普段はほとんど笑わねぇからな。笑っても、周りからどす黒いオーラが出ちまってるし。」
「確かに・・・普段見せない顔が見れるのは嬉しいですよね!銀さん、ここは近藤さんに任せてみたらどうですか?」
「そうだなァ・・・ま、他にやることもあるし・・・ここはお前に任せるわ。」
「おう。じゃあ、明日の昼にでも届けるぜ。」
「近藤さん、よろしくお願いします。」
屯所を後にした2人は写真立てを買いに街へ。
プレゼントも決まりホッとした2人は、やっとクリスマスモード全開の街を素直に楽しむことが出来たのだった。
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12月24日 クリスマスイブ。
近藤が写真を届けに来てくれたので、中を確認してみることにした。
土方に悪戯をしているシーン。
ご飯を食べてるシーン。
アイマスクを着け昼寝をしているシーン。
着替えをしているシーン・・・
風呂に入ってる・・・
厠で用を・・・
「オイイイイイイイ!あのゴリラ、うちの神楽になんてモン見せようとしてんだ!」
「放送コード引っかかるわあああああああああ!」
近藤に任せたのが間違いだった・・・と、気付かされた2人だった。
だが、変な写真に紛れて、いくつかいい写真も入っていた。
幼い頃の総悟の写真。
剣の練習をしている写真。
アイマスクを着けずに寝ている写真。
そして・・・どす黒いオーラの出ていない笑顔の写真。
「何だ、ちゃんとしたモンもあるじゃねぇか。」
「そうですね!これなら神楽ちゃんも喜んでくれるはずです!」
写真を封筒に入れ、リボンのかかった箱に入った写真立ても用意し・・・
あとは夜を待つばかり。
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夜になり、万事屋に来客が。
そう、今日は万事屋でクリスマスパーティーを開くことになっていたのだ。
メンバーは、銀時・新八・神楽に加え、桂・エリザベス。
お妙とお登勢・キャサリンは店が終わってから、来ることになっていた。
「邪魔するぞ。」
「あ、桂さん、エリザベスさん!」
「お~、ヅラ来たか」
「何だその格好は・・・リーダーはいいとして、銀時!お前いい年して恥ずかしくないのか!」
桂の目に飛び込んできた銀時と神楽は・・・サンタのコスプレをしていた。
「何って、サンタアル。男なんてみんなコスプレ好きネ!私からのサービスアル!」
「まぁ、クリスマスくらいいいじゃねぇか。ほら、ヅラの分も用意してあるぞ。」
「俺がそんなもの着る訳ないだろう。俺は・・・俺はそんな格好・・・」
なんて言っていた数分後には、結局サンタの衣装に身を包んだ怪しい長髪の姿があった。
「・・・結局着てんじゃねぇか。」
「いや、違うぞ!これは・・・。アレだぞ?真選組が乗り込んで来たのための変装だ!別にサンタだからって着たわけじゃないぞ!」
そう言う桂の顔は・・・嬉しさをまったく隠せていなかった。
「ま、とりあえず始めようじゃねぇか。」
「そ、そうですね!じゃあ、みなさんグラス持ってください。では・・・メリークリスマス!」
「メリークリスマス!」
クリスマスパーティーが始まり、しばらくすると・・・
仕事終えたお登勢とキャサリンが来た。
「やってるねぇ。ほら、酒とジュース持ってきてやったよ。」
「オ前ラ、ワタシノ分ノ料理残シテオイタダロウナ?」
「あ、2人ともお疲れ様です!今、グラス持ってきますんで座っててください!」
「あぁ、悪いね新八。」
そしてそこにちょうど、お妙が。
「あ、姉御!」
「あら、神楽ちゃん可愛い!」
「姉上、お疲れ様です。さ、座ってください。」
「ごめんなさいね、遅くなって。お店が忙しくって。」
「私達も今来たところだよ。今日は稼ぎ時だからね。」
「そうだったんですか。あ、ケーキの差し入れ持ってきたから、あとで食べましょう。」
8人全員が揃い、再び仕切りなおして乾杯。
飲んだり食べたり歌ったり・・・とても賑やかな一時を過ごした。
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お腹がいっぱいになって騒ぎ疲れた神楽は眠りにつき・・・
夜も更けてきたので、パーティーは終幕を迎えた。
万事屋は、銀時と新八と神楽のいつものメンバーだけになる。
「銀さん、これでやっと坊主さんからの依頼も完了しますね。」
「そうだなァ・・・こんなに時間のかかる依頼引き受けたの初めてだよ。」
「あはは、そうですね。」
「さ、それじゃあ・・・銀サンタはプレゼントでも届けるとするか。」
「はい!神楽ちゃん、喜んでくれるといいですね!」
ソファーで寝てしまった神楽を布団へ運び・・・
枕元に苦労して用意したプレゼントを置き・・・依頼終了。
「銀さん、お疲れ様でした!」
「おう、新八もお疲れさん。俺達も休むとしようや。」
「そうですね。」
依頼を完了できた安心感からか、2人は床についてすぐ眠ってしまうのだった。
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翌朝・・・12月25日 クリスマス。
目が覚めた神楽は寝ぼけ眼で起き上がる。
「いつの間にか眠ってしまってたアル。」
布団から出ようとした時、枕元に見慣れぬ箱が置いてあることに気がついた。
「あっ・・・!」
リボンのかかった箱を抱え、銀時と新八が寝ている部屋に駆け込む。
「銀ちゃん、新八ィ!起きるアル!見てこれ!サンタさんが来てくれたアル!」
目を輝かせ、満面の笑みで話す神楽に目を覚ました新八が話しかける。
「よかったね、神楽ちゃん!サンタさん来てくれたんだね!」
「私、イイコにしてて良かったアル!」
そしてそんな2人の会話を黙って聞いていた銀時が一言。
「で、中身は何なんだ?」
神楽は嬉しそうに包みを開ける。
その様子を撮ろうと、銀時は昨日から枕元に用意しておいたカメラを構えた。
箱の中身を見た神楽は・・・
「写真立て!欲しかった訳じゃないけど、これも必要ネ!サンタさん、気が利くアル!」
(カシャッ)
フラッシュが光る。
驚いて顔を上げた神楽に、銀時が微笑む。
その瞬間・・・
「あああああ!カメラ!!これネ!私が欲しかった物!銀ちゃんが用意してくれたアルか?ありがとう!!」
その言葉を聞いて固まる2人。
「・・・え?」
「・・・え?」
と同時に聞き返していた。
「か、神楽ちゃんの欲しがってた“大人な物”って・・・カメラだったの?」
「そうアル!ずっと前から欲しいと思ってたネ!みんなのたくさん写真撮りたかったアル!」
笑顔でカメラを抱きしめる神楽。
固まっていた2人は、神楽に聞こえないように小声で話し始めた。
「ぎ、銀さん。刀×ヲって・・・カメラの事だったみたいですよ!」
「・・・ら、らしいな・・・」
「どこが神×沖で沖田さんなんですか!全然違うじゃないですか!」
「い、いや・・・だってよォ・・・まさか神楽がカメラ欲しがってるなんてわかる訳ねぇじゃねぇか。」
「そうですけど・・・どうするんですか、あの写真?」
「気付いてないみてぇだから、あとでこっそり回収しとこうぜ。見つかる前に・・・」
「あ!」
神楽がいきなり声を上げたので、驚く2人。
そして、恐る恐る神楽の方を見る。
「何か封筒が付いてるアル!きっとサンタさんからの手紙ネ!」
「ちょ、神楽!待て!も・・・もしかしたら、不幸の手紙か何かかもしんねぇぞ?中に剃刀とか入ってたら危ないから、銀さんに貸してみなさい!」
「サンタさんはそんなことしないアル!」
「いやいや、神楽ちゃん!最近は物騒な世の中だから何が起こるかわかんないよ?サンタさんだって悪い人はいるかもしれないし・・・ね!?」
「そうそう、ブラックサンタみたいな奴がいるかもしんねぇぞ?ほら、とりあえずこっちによこしなさい!」
「大丈夫ネ!」
そう言って、結局神楽は封を開けてしまった。
「何これ・・・」
さっきとは明らかに表情の違う神楽の顔・・・
「か、神楽?あ、あのな・・・それ・・・」
「うおおおおおおお!何胸糞悪くなるもん見せてくれてんだ!最悪ネ!不幸の手紙の方がまだマシだったアル!」
写真を床に叩きつける。
「だ・・・だから言ったじゃねぇか!銀さんに先に見せろって!大人の言うことはちゃんと聞くもんだぞ?」
「そうアルな・・・ごめん、銀ちゃん。今度からは気をつけるアル。」
「え・・・何とか誤魔化せたのこれ・・・?」
新八のツッコミは誰も聞いていなかったようだが・・・
カメラがもらえて喜んでいる神楽を見て納得する。
「依頼、ちゃんと完了しましたね!」
「終わりよければ全てよし・・・だな!」
いろいろあったが・・・どうにか依頼を終わらせることが出来て、安心する2人だった。
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―後日談―
神楽が貰った写真立てには、銀時・新八・神楽・定春の4人が写った写真が飾られていた。
そして・・・不幸の手紙より最悪といわれた総悟の写真。
床に叩きつけられた後、銀時によって回収されたのだが・・・
封筒に入っていた写真は全部で4枚。
だが、回収されたのは3枚だけ。
見つからなかった1枚は・・・『どす黒いオーラの出ていない笑顔の写真』
「どーせそのうち見つかんだろ。」
と、特に気にしていなかったのだが・・・
その写真が見つかる日は来るのかどうか。
写真の行方は・・・
万事屋メンバーの写真の裏側。
神楽のみぞ知る、秘密の話なのであった。
~完~