以前、語らせていただいた、これらの作品。
「バタフライ・エフェクト」 と 「ミリオンダラー・ベイビー」
どちらも今年の上半期ベスト5に間違いなく入るであろう作品である。
もしかしたら、今年のベスト5にも、そのまま生き残ることができるかもしれない。
一見、全く違うこの2本の作品。
しかし、この2本の作品は、最も重要なテーマでつながっている。
それは、“人生の選択”である。
「バタフライ・エフェクト」では、主人公のアシュトン・カッチャーが、現在の不幸せな彼女を救うため、
何度も過去の過ちを正しに、過去へ戻る。
あの時、ああしていれば。
主人公は最後の最後まで、過去の過ちと戦い続ける。
そこには、
今現在のたったひとつの些細な選択が、人生に多大な影響を及ぼすことが表現されていた。
そして、「ミリオンダラー・ベイビー」
この物語でも、主人公のクリント・イーストウッドは、常に過去と戦い、
あの時、ああしていれば。
という思いと戦っていた。
主人公ヒラリー・スワンクに関する苦悩は、ネタバレになるので、ここでは書けないが、
彼女に関しても、彼はそう苦悩することになる。
そして、モーガン・フリーマンに関しても、苦悩している。
モーガン・フリーマン演じる男性は、右目の視力を過去の試合で失っている。
その試合のリングサイドで、彼の処置をしていたクリント・イーストウッドは、視力を守るために力ずくでも試合をやめさせるべきだったと、ずっと後悔し続けていた。
対するモーガン・フリーマン本人は、視力を失っても、試合を全うしたことに後悔はしていなかった。
この場合、もしクリント・イーストウッドが、試合をやめさせていたら、彼は後悔をしなくてよかったかもしれない。
しかし、その一方で、今度は、モーガン・フリーマンが、最後まで戦っていたら・・・という苦悩を抱えることになったであろう。
ということで、
これら2つのストーリーからは、
今できる選択は、ひとつしかない。
その一つ一つの選択が、一つしかない人生を作り上げていくのだ。
というメッセージが伝わってくるように思う。
人生の重み、今一瞬の選択の重みを、痛いほど感じる作品たちである。