ニューヨーク大勝利! | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

始まった。

Metal Resistance Ep.4、ワールドツアー2016アメリカシリーズ。5月4 日(日本時間5月5日)、ニューヨーク・プレイステーションシアター。Sold Out。

YouTubeにアップされたファンカムや板スレまとめを見た。会場は1,000人規模で、板付き(紙芝居が映写されている紗幕の後ろに神バンドと三人がいる状態でBMDが始まる)の舞台だから、ウェンブリーを見た今となっては、2014年に逆戻りしたかのように感じる。だが、密度は濃いし、明らかに2014年に比べて、楽曲のバラエティ、演奏、歌唱、ダンスの表現力がグレードアップしている。

セットリストは、「BABYMETAL DEATH」、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」、「YAVA!」、「あわ玉フィーバー」、「GJ!」、「Amore-蒼星-」、「CMIYC(かくれんぼ)」、「メタ太郎」、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」、「KARATE」、「メギツネ」、「ギミチョコ」、「The One」、「Road of Resistance」の順。

SU‐の歌は絶好調。まったくピッチが狂わないどころか、圧倒的な声量、太く甘く、粘りつくようなメタルクイーンの風格。特に「Amore-蒼星-」は、歌いこんでいるのだろう、至高の表現力だ。ウェンブリーのように倒れこんでしまう演出はない。「紅月-アカツキ-」の代わり、というか、SU-の歌の説得力を聞かせるチューンになったのだ。

このライブでは、完全生歌の「GJ!」で、YUI、MOAの歌もSU-と同じ伸び幅で進化していることが明らかとなった。MOAは2015年後半から声量が上がり、セカンドアルバムの「META! メタ太郎」の歌い出しは、初めて聴いたときMOAのソロか、と思うほど存在感が大きくなっていた。しかし、今回は特に、YUIの声が大きくなったと感じた。2014年フランス・パリの「ヘドバンギャー!!」の二番のような、透き通るけれども、か細い、不安定なものではなく、MOAと引けを取らない声量、ピッチの安定度に仕上がっている。

「Catch Me If You Can」での神バンドのソロ応酬も、レベルが上がっている。GWのドライブ中、ファーストとセカンドを繰り返し聞かせ、夜は夜でライブ・イン・ロンドンとウェンブリーを見せて折伏中のジャズ好きの親友(御三家中学300名合格の天才算数講師、真空管アンプ作りの名人)談、「もともとテクがあるから伸び幅は小さいけど、神バンドも上手くなってるね。特に左のギタリスト」だそうだ。後半のソロでは、アメリカ国歌のフレーズを入れたらしい。2015年にもやっているが、NYでアンセムやられたら、落ちるよね、アメリカ人も。

そのシーン自体は現認できなかったのだが、板スレまとめによれば、このあたりでMOAのマイクがオンになっていて「今日のお客さんよくわかんなーいwww」と言ったのが、客席に聞こえてしまったそうだ。日本語だから理解できないだろうけど、確かに、それほど、オーディエンスはライブスタートから、もう熱狂的に盛り上がっている。ノリノリの団体客に戸惑うベテランキャバクラ嬢のようだ、いい意味で。あくまで、いい意味で。

続くは、「メタ太郎」。多くのアメリカ人は自覚できないだろうが、あの「デスマーチ」は、耳に残る。家に帰る途中で、「なんかへんなマーチあったなー」と思っていると、明日、仕事場へ行く最中に頭の中で「メタ太郎」が響き、いつのまにか行進している自分に気づくのだ。これぞ、文字通りのキラーチューンなのだぞ。

大笑いしているところへ「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。2014年のフィニッシュ曲だが、ここでもう出た。ソニスフィアを知っているアメリカ人ファンは、「Ijime Dame!」と叫びながら、ぴょんぴょん飛んでいる。次に、「KARATE」。これには驚いた。「ひたすらセイヤソイヤ戦うんだ、Woh Woh Woh…」のところで、SU-が煽り、オーディエンスを歌わせている!そうか。アメリカでは、「KARATE」は、オフシャル動画が上がっているので、もうみんなが知っていて、あのYUI、MOAの必死な子ライオンのような「Woh Woh Woh…」を、みんなが歌うのだね。メモメモ。

さらに「メギツネ」。レディガガの前座で出た2014年でさえ、「ア、ソレソレソレソレ」で、初見の観客がノってしまった曲。もう体力が持たないよ。あ、もうぼくは、日曜日のシャーロットのシミュレーションをやっているのであります。

従来はこのあたりでもう一度紙芝居をやって、後半へつなげるはずなのだが、今回は、SU-が英語でMCをとっている!というか、アメリカ人観客を前に英語で、もっと声を出せ、一緒に行くとこまで行こうぜ、的なノリで煽っている!これは凄い。おそらく、アメリカツアーの目標のひとつは、これにあったのだ。ウェンブリーから一か月で、ここまで進化していた…。

板スレのひとりは、ここでウルっときたそうだ。わかる。あの「デロリアン」のSU-が、英語でNYのメタルファンを煽れるようになったのだ…。

そして、ついに全アメリカ人が知っている「ギミチョコ」。観客の熱狂はピークに追い込まれる。

さらに「The One英語Ver.」で、今度は精神的なピーク、感動の頂点に運ばれる。観客は、全員「ララララー」と歌っている。曲が終ると、大歓声とともに終息感があるのだが、観客の熱狂は冷めず、アンコールを叫ぶ。去年のメキシコほどではないが、間があって、ついにフィナーレ曲「Road of Resistance」。「Woh Woh Woh…」は、やっぱり大合唱。あとはもう、いつもの「We are?」「BABYMETAL!」のCall & Responseがあって、「Get your Fox hand sign up!」で大団円。

あっという間だが、もう“大物外タレ感”満載で、観客が完全に操られている。

いやあ、なんか去年同時期、メキシコシティのライブファンカム見ながら、ドキドキしていたことすら、もう遠い思い出のような安定感ですね。勝利はもはや当然、必然。こうやってアメリカ中を回れば、本当にグラミー賞が見えてくる。

 

5月5日こどもの日は、親友とその一人娘といっしょに戦国時代に建てられた山城や、渓谷、ダムを見学。鄙びた土産物屋に、紙製手作りのキツネのお面があったので思わず買ってしまった。アスマート公式のキツネ面はもうSold Outなのだ。さらに立ち寄ったラーメン屋の店先に「メタル丼」と大書してあったので、すわ、メタルの浸透度はここまで来たか、と思ったが、よく見たら、新潟県燕市のメーカーが作った、ステンレス製の“丼”(どんぶり=食器)を使っています、ということであって、BABYMETALやヘヴィメタルをイメージした“丼”(どん=食品)ではなかった。だが、とりあえず記念に写真を撮った。まあ、ベビメタ馬鹿と化している。

6日金曜日は仕事。7日土曜日、ぼくはシカゴ経由でシャーロットへ飛ぶ。妹の住む街で行われる日曜日のCarolina RebellionにBABYMETALが来るからだ。Black Stageという、アリス・クーパーメインのステージのトリ前。キツネ様とともに、行きますよ。