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(楽曲レビュー)
1.なんだこれくしょん
 ”ぱーみゅぱみゅ!””なんだこれくしょん、なんだこれくしょん♪”という掛け声が入るオープニングのインスト。盆踊り風の音頭にメルヘンを入れたような作風。

2.にんじゃりばんばん
 この曲があるから最初のインストに和風テイストを入れたのかもしれません。3月20日発売の5thシングル。レビューはこちら。個人的には多分今年の上半期の中で一番再生回数が多い楽曲だと思います。

3.キミに100パーセント
 1月30日発売の4thシングル。レビューはこちら。考えてみればこれがこのアルバムの中では唯一ノーマルな楽曲になるのかも。

4.Super Scooter Happy
 2004年のcapsuleのアルバム『S.F. sound furniture』収録曲のカバー。したがってブレイク前、サウンドはインディース期のPerfumeっぽい印象もあります。確かに歌詞の内容も彼女が歌うにはピッタリ。

5.インベーダーインベーダー
 サビの歌詞を字面で見ると本当に頭がクラクラしそうになりますね。5月15日発売の6thシングル。レビューはこちら。何度聴いてもとんでもない楽曲。

6.み
 ”みーみみみーみみみみみーみーみみーみみみみみみーカモン!”ほとんどこれの繰り返しです。歌詞カードに書かれている歌詞はたった6行(ちなみに2度繰り返し)。前曲以上に内容スッカスカです。編曲含めこういう曲を他にやるとしたら電気グルーヴくらいしかいないでしょうね。ライブだと放水サービスとかやっちゃうかもしれません(適当)ちなみにこれは『アイスの実』CMソングらしいです。おいおいおい。

7.ファッションモンスター
 3rdシングル。レビューはこちら。昨年10月17日発売、つまり言うとまだ1年前の曲なんですね。この後あまりに絶大なインパクトを放つシングルを連発したおかげでなんだか随分前の作品にも思えてきましたが。勿論この曲も強い輝きをこのアルバムの中で放っています。歌詞・構成ともども加味するときゃりーぱみゅぱみゅを語るには今後も絶対に外せない楽曲でしょう。

8.さいごのアイスクリーム
 1990年代中盤のaccessっぽさ全開の編曲とかわいい内容の歌詞が混じった内容の楽曲。チョコレートでいうと紗々みたいなものですね。

9.のりことのりお
 auのCMソング。”のーりのーりのりかえるー”はauへの乗り換えを示唆しているそうです。混迷に混迷を加えたようなこれまたとんでもない楽曲。曲間に入る子どもの「のりこ」「のりお」の声は数多ある子どもの声が入る楽曲の中でもっともやる気のないように見せている内容だと思います。有り得なさ過ぎ。

10.ふりそでーしょん
 かの岸田繁(くるり)が心打たれたとTwitterではっきりと感想を書いた楽曲。1月30日発売の4thシングル。レビューはこちら。17歳から22歳くらいまではよく歌謡曲でも使われる題材なんですが、その中でもトップクラスの名曲に昇華したと言えるでしょう。

11.くらくら
 歌詞はよく見たらこういうラブソングもなくはないような、と思えるのですが楽曲にしてみるとほらこの通り、と言いたくなる内容。”ちゅうちゅうくらくらちゅうちゅうくらくら”なんて歌詞はこの人にしか似合わないでしょう。

12.おとななこども
 単体だと普通にいい曲、というところなのかもしれないですがこのアルバムを通して聴いて最後に流れるとここまでの11曲を頭の中に去来させることも出来るような、そんなナンバー。このアルバムだからこそこの曲が持つ意味が非常に大きいような、そんな気がしました。

(総評)
 全部で12曲ですが、ここまで全曲聴くのがあっという間と感じさせるアルバムは非常に少ないと思います。先行シングルの出来があまりにとんでもない出来だったので名盤になるのは必然なんですが、アルバム収録の新曲もクオリティの方向はともかくとして、質は素晴らしいものがあります。多分一度聴いて耳に残る曲の割合は自分が聴いていた中でも五本の指には入るでしょうね。そして繰り返し何度も聴きたくなるという意味で考えても今現時点で相当な回数リピートしてます。

 音楽のクオリティや方向性・好みというのは聴く人にも作る人にも色々変わってきますので一概には言えないのですが、楽曲というのは聴かれてナンボだと思うんですね。商業である以上どれだけ売れるのかというのも非常に大事なんですが、やっぱり繰り返し聴かれるというのがこと楽曲に関しては一番大きな意味を持つように思います。そういう意味では聴いていて楽しい、何度聴いていても飽きない、どの曲も聴き応えがある、このアルバムはそれらの要件をしっかり満たしていると思います。というわけでこのアルバムは間違いなく21世紀を代表する名盤と言えます。2013年の時点では当然として、21世紀末にこれから先を生きる人が21世紀を振り返るにあたってこのアルバムが世紀のJ-POPアルバム100枚の一つに今作を選ぶ、そんな人も結構いるような気がしますね。それくらい歴史に残る作品でした。