[ブチ込むだけブチ込んだカレー]
店名:まんてん

業種:カレー
住所:東京都千代田区神田神保町1-54
営業時間: 11:00~20:00
定休日:日曜・祝日
席数:約13~15席(カウンターのみ)




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●でかけりゃいい

とにかくデカけりゃいいっていう理論は、
はるか昔からあるもの。
しかし童話『したきりすずめ』で
欲張って大きな箱を選んだおじいさんは
悲惨なめに遭ってしまった。


飲食店もしかり、
安くて美味しくてボリュームもあるというお店は少ない。
安くてボリュームはあるがまずい店は星の数ほどある。


しかし、安くて美味しくてボリュームもある
すばらしいカレー屋が、出版社がひしめく神保町の飲食店街にあるという。
その店名は『まんてん』。
B級グルメファンの間で、知らない人はいないというくらい
ごく一部に有名な店
だという。


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情報によると普通の並サイズのカレーが400円で、
大盛りが450円、ジャンボカレーが500円だという。
なるほど。チェーン店でもないのに
大盛りやジャンボが500円以内というのは安い。
しかし、メニューにも載っていない最強のカレーがあるらしい。
その名も、全部乗せカレー


……なるほど、何かが全部乗ってるカレーなのですね。
ということでさっそく行ってみた。


お店は、白山通り沿いにある路地を曲がったところにあるが、
黄色い看板が目立っていたのですぐにわかった。


お店の前には、ガラスケースにレプリカのカレーが
ディスプレイとして入っていた。
ふむふむ、ちゃんとしたカレーじゃないか。
難クセつけるつもりはないが、
別に大盛りもたいした量じゃない。


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こういうディスプレイとなっているレプリカは、
実際の料理よりもボリュームを増して表現していることが多い。
……ちょっと『世にも微妙なグルメガイド』に
紹介するお店としては、ちょっと期待はずれか?


 とりあえず、店内に入ってみると、
カウンター席は9割ほど埋まり、
サラリーマンでごったがえしていた。
って、今もう夜の8時ですよ!?
ランチタイムでもないのになんでこんなにサラリーマンが!!


そんな疑問を持ちつつ席に座ると、
スプーンとお冷、そしてなんか小さな小さなカップに茶褐色の
水が入ったものをテーブルに出された。


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ニオイをかいでみると……
……コ、コーヒーか!?
確かにそれはコーヒーだった。
まるでエスプレッソコーヒーのように小さなカップに
まったくもってアメリカンっぽいコーヒーが入っている
サ、サービスなのかな……。


 そんなことに気をとられていると、
店主が注文を聞いてきた。
しかし、店内のメニューには、やはり全部乗せカレーはない。
だが、あるはずなのだ!! ということで注文してみた。


筆者 全部乗せってありますか?
店主 あるよ。全部ね。
筆者 あ、はい全部でお願いします。
店主 あいよ。
筆者 あのー。全部乗せのさらにご飯大盛りってありますか?
店主 いいけど……
筆者 おいくらくらい金額の上乗せになりますか?
店主 大盛りにしても値段同じだけどいいかな?
筆者 えっ!? あ、はい……い、いいです。


 ど、どういうことだ!?
大盛りにしても値段が変わらないなら
「さらに大盛りでも値段はそのままだよ」と言えばいいはずなのに
「値段同じだけどいいですか?」と私に聞いてくるのはなぜ!?
き、聞き違いだといいのだが……。


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↑なぜか応援団風の男性の写真がメニューの横に……



 注文したとたん、周囲のサラリーマンたちが
「ククククク……」と、うつむいて笑ったりしてる!!
なんで!? 
なんか頼んじゃいけないよーなモンを注文しちまったか!?
……しかしここは挑まなくてはならない!!


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 調理をずっと観察したところ、『まんてん』の
「調理」といえる調理方法はたったひとつしかないようだ。
トッピングはいろいろあれど、
シュウマイカレーのシュウマイを蒸すこともなく
ウインナーカレーのウインナーを焼くこともなく



全部、油鍋にブチ込んで調理完了!!




あとは保温してある鍋に入ったカレールーをかけるだけ。
コロッケやトンカツを揚げるのは当たり前だが
ここ『まんてん』ではウインナーもシュウマイも揚げるのである。
しかも、シュウマイには衣をつけて揚げるが
ウインナーはそのまま素揚げである……。


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 で、ひとつすごい調理法を目撃してしまった。
カツカレー用のトンカツを揚げ終わり、
まな板の上で食べやすいように切断するのだが、
まだ生の部分があったようで、赤身がまだ残っていた。
そこで店主、どうするのかと思って観察していると、
その切断したトンカツをもう一度油鍋にブチ込んだ
……ワ、ワイルドすぎる。


しかし不思議な事に、とても美味しそうなのだッ!!
こんなにもワイルドな調理法にもかかわらず、
すっごく食欲をそそられる!!
匂いといい、見た目といい、すっごく美味しそう!!


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……いや、やっぱり見た目は……人によっては……だね。



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大男がカンシャクを起こして
暴れながら「どうにでもなれこの野郎!!」ってな感じで
ご飯にカレールーとトッピングをブチ込んだ感じだ


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その全部乗せカレーの内容は以下のとおり。


ご飯:ジャンボサイズ(大盛りのさらにワンランク上)のさらに大盛り
カレールー:ご飯と具にダブルがけ
コロッケ:じゃがいもコロッケ2枚
カツ:中サイズのそこそこぶ厚いトンカツ1枚
シュウマイ:衣のついた大きめの肉シュウマイ3個
ウインナー:小学生のお弁当に入っているような赤いウインナー3本


 っていうか、これ全部食べるの無理じゃない?


 しかし、そのお味は……美味しいッ!!
その味はお世辞にも高級感あるものとはいえない。
しかし、庶民的なその味は、むしろ有名店のカレーよりも
感動を与えてくれた。
なんだかなつかしいものを感じる。


……給食のカレーというか。


 なんとか頑張って完全に食べきったときには、
すでに入店から40分が経過していた……。
すみません、ホント、閉店時間過ぎてるのに。
しかもこれだけ食べて950円って安い
い、いい経験しました。


筆者 ごちそうさまですー。
店主 
も、申し訳ない!!
筆者 えっ!?
店主 950円になります。申し訳ない……
筆者 あ、はい。じゃあ1000円札で。
店主 というと50円ね。申し訳ない……申し訳ないです
筆者 ……!? またきますねー。
店主 申し訳ない!! ありがとうございました。申し訳ない
筆者 !?!?


 なぜ謝るのかと思っていたら、
それが店主の感謝の気持ちのようだ。
「いつもありがとう」「いつもご贔屓にありがとう」
という意味なのだろう。
……多分


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↑オマケで応援団の写真……まさか店主!?



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