首都防衛「人工要塞島」
東京湾の海堡、風化進む
タンカーや貨物船が頻繁に往来する東京湾の入り口、千葉県富津市沖に二つの小島が浮かぶ。
海からの首都侵攻を食い止めるため、終戦まで国防の重要拠点とされた「第1海堡」と「第2海堡」だ。
これらの人工要塞島は旧日本軍の機密下にあった。
軍事大国を目指した末に悲惨な戦争に突き進んだ近代日本の陰影が残る島は風化が進むが、今なお立ち入り禁止だ。
海堡は、幕末の黒船来航が記憶に新しい明治期に建設が始まり、大正期までに東京湾に3カ所造成された。
だが、神奈川県横須賀市沖の「第3海堡」は1923年の関東大震災で崩壊。海上交通の支障になるとして、2007年までに撤去された。
東京湾に軍艦の侵入を防ぐため造られたが、太平洋戦争では航空機による空中戦が主力に代わり、要塞の役割をほとんど果たさなかったという。
終戦後、進駐軍に施設を破壊された。
<記事:引用>