最近、仕事柄もあって経営者や人事担当役員・管理本部長の方とお話することが多い。

それぞれの組織にそれぞれの課題があり、業界によって抱える問題も様々だ。

しかし、話を伺っていると共通する問題の根本原因に気付かされる。

認めて欲しい、という認定欲求だ。

人間は0~6歳で基本的な人格が形成されるというが、
誰しも赤ちゃんのころは
「暑い」と感じても「おぎゃ~」と泣くことしかできず、来るのはお母さんのおっぱい。
「眠い」と感じても「おぎゃ~」と泣くことしかできず、来るのはお母さんのおっぱい。
「ヤダ」と感じても「おぎゃ~」と泣くことしかできず、来るのはお母さんのおっぱい。
なので、自然と諦め挫折感を蓄積しやすい。

また、周りの大人は自由に動き回って、いろんなことが出来るが、
赤ちゃんの自分はまだよちよち歩くので精いっぱい。

周囲の人間と相対比較すれば、自然と自己否定感を蓄積しやすい。

すると、諦め、自己否定、挫折感をベースとした認定欲求:
もっと自分のことを理解して欲しい
もっと自分の思う方法で愛されたい
自分自身の存在を認めて欲しい
という感情を無意識に抱くようになる。

今の時代に生きていれば、誰しも
愛されたい、認められたい、という根源的な欲求を
無意識深く蓄積し続けることになる。

6~20歳の間に、いろんな行動をするなかで、
否定されたり、認められたりして、
自分流の○×(これをやったら褒められる、否定される)を蓄積し、
その人の個性・性格(コミュニケーションパターン)が決定される。

自分の○×(モノサシ)と相手の判断基準は違うのだけど、
コミュニケーションの仕方に交通ルールのような共通認識がない
今の社会では、誰もが当然のように自己流で会話し、自分のスタイルで仕事をする。

結果、疎通交流ができなくて摩擦、衝突、葛藤が生まれ、
ストレスや我慢の蓄積の末に、もう会社辞めてやる!とか
だいたいは「離れる」行動に移るパターンが多い気がしている。

人間関係の問題解決のパターンも、
・その人(職場)とさよならする
・相手(上司・会社)に合わせて自分が変わる
・自分の思うように相手を変えようとする
が多いのではないだろうか。

今日のYahoo!トピックスに、ノド自慢で落ちたからといって

会場を爆破予告する人の件がニュースになっていたが、
これも自分の存在価値を認めて欲しいからやっている行動に映る。

これはちょっと極端な例かも知れないが、
あなたの職場の同僚が
なぜそんなことを言ったりやったりするのか?
その言動はどこから来ているのか?
そこに目を向けたとき、
認めて欲しい、愛して欲しい、評価して欲しいといった
根源的な欲求が見えてくれば、意外と人間関係は
シンプルなものに変化すると感じている。