人は旅先で人と出会い、その地の動植物や風景、様々な体験・経験、新たな知識や美しさとも出会います。人生もまた然り。しかし、料理を楽しむように、甘いものだけではなく、辛い・苦い・すっぱい味わい (つらい、苦しい、寂しいような状況)も楽しむことはできているでしょうか?

私は、楽しむことができていません。後になれば笑い話になるような事件でも、苦しい時は本当に苦しい思いをしているし、辛いときは「なんとかこの状況から抜け出したい」と考えます。人生における辛酸の味が、とても楽しくてしょうがないという人が居たら、頭がおかしいか悟っているかのどちらかではないでしょうか。

では、なぜ人は辛いカレーや苦いゴーヤや酸っぱい酢の物の味を楽しむように、人生の辛さ・苦しさは楽しめないのでしょうか?


映画を観ているときは、主人公の危機にハラハラし、葛藤や悩み・苦しさに共感し、ときに涙します。感情移入して楽しめるのが映画や小説の面白さでもありますが、もし、自分が主人公だったら、殺されそうになるシーンでハラハラなんてしていられません。同じように、人生における主人公である自分の身に降りかかる不幸も苦しさも面白がって楽しむ余裕はありません。

この違いは何なのでしょうか?


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