本日は椿組の『始まりのアンティゴネ』を観劇してきました。
 

http://www.tubakigumi.com/recentstage/index.html

 

本お芝居は作・演出が瀬戸山美咲さんです。

岸田國士戯曲賞にノミネートされている注目の劇作家さんです^^

 

ギリシア悲劇の代表作である『アンティゴネ』

名前は聞いた事があったのですが、

お話の内容は知らないでお芝居を観ました。

 

今回はその『アンティゴネ』を

現代の小さな食品工場の家族の物語として描いています。

 

今回、中心人物を担う方が急遽、体調不良でお休み。

代役を立ててのお芝居でした。

代役とは思えないほどの素晴らしい演技でした!

 

印象に残った事を書きます。

 

(1)人と人との関係性について

 

 人と人との関係性(特に家族)について考えさせられました。

 お芝居を見ていて、みんな何かに縛られているんだと思いました。

 身内の死がキッカケで、各々が内に潜めていた想いを

 共有することになり、みんなの関係が狂ってくる様が

 人間らしさを表していました。

 その家族関係の中に、まだ家族でない恋人が一石を

 投じ、話の流れを転換させている演出がすごいなと思いました。

 お芝居を見ている間、何にみんな縛られているんだろうと考えていました。

 やはり良くも悪くも家族という関係に縛られているのかなと。

 近い関係、近すぎる関係だからこそ難しい。

 身内の死の公表の仕方について家族で意見の相違があり、

 対立関係が生まれてくるのですが、みんな何かから逃げている。

 みんな何か拠り所となるところが欲しいんだろうなと思いました。

 人間関係には正解はないですが、本お芝居を見て、

 より良い人間関係を育むにはやはり、対話が必要なんだと改めて思った次第です。

 

(2)対話について

 

 『話を訊く』ということについて考えていました。

 本当に自分は人の話を訊いているのだろうか。

 相手と向き合っているのだろうか。

 人と人との関係性って本当難しいなと。

 うまく結びつけばハッピーな気持ちになりけど、

 もしかしたらうまくいかないかもしれない。

 人と関わるには勇気がいる。

 人と関わるには自分自身と向き合うことにもつながると思う。

 本お芝居で亡くなった方は孤立を感じるようになってからおかしく

 なってきたのかもしれない。やはり生きるためには個では難しく、

 関係性を育むことが大切なことなんだなと。

 人と人との関係性は社会的な、心情的な豊かさにつながるなと。

 本お芝居は不寛容な社会に対し、人と人との関係性の大切さについて

 問いを投げかけているのかなとも思いました。

 人生何がキッカケでどうなるかはわからないですが、

 関係性を育むこと、大切にしていきたいと思いました。

 最後のシーンでの言葉、心に残りました。

 『私はまだわからないって言える』

 私としては、何事も決めつけは良くない、

 自分にとっての当たり前、世間にとっての当たり前に

 とらわれてはいけないのかなと。

 相手の話を訊く姿勢が大切なんじゃないかなと。

 なかなか難しいことだけど、自分に言い聞かせたいと思います。

 

(3)舞台・演出について

 

 死者を出演させるところ、一幕もので暗転なし、

 舞台の奥と手前をうまく使い分けているところが

 工夫されていて良いなと思いました。

 

最後に、椿組、はじめて観ましたが、大所帯で素敵な劇団ですね!

特に主宰の外波山さんが素敵でした!

 

これからも応援しています!

 

以上。