奥田さんらしい、日常の歪みを描いた佳作(「沈黙の町で」 奥田英朗) | 「天に月、地に山」 愛知・豊橋で日本酒なら

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皆さんこんばんは。

 

今夜も過ごしやすい夜ですね。

 

明日は久々の朝一魚市場なので早く寝ます。

 

その前に恒例の夜中の本紹介。

 

「沈黙の町で」 奥田英朗

 

どうしても読みたかった奥田作品。

 

ネットでお値打ちにGET出来たので早速読みました。

 

物語の舞台は地方都市の小さな中学校。

 

ある日中学二年生の少年がテニス部の部室の側にある木から落ちて死んでいる所を教師により発見されます。

 

警察は事件と事故、そして自殺を含めて調査を開始します。

 

死んだ少年の背中に数十に及ぶ痣があったことから虐めを想定し、調査をすると同級生でテニス部の四人男子の名前が浮かび上がります。

 

早速警察は四人を任意で呼び都市調べを始めます。

 

四人共苛めていた事は認めるものの、事件の関与には否定をします。

 

何かを隠していると感じるのですが、四人はそれ以上は何も語りません。

 

結果証拠不十分で釈放されるのですが、死んだ子の遺族が真相の究明を学校&警察%新聞社に訴え、夫々が捜査を続けていきます。

 

徐々に浮びあがっていく事件の真相。

 

果たしては少年の死は事故なのか?殺人なのか?自殺なのか?

 

先ず初めに、これをミステリーとして読むと肩透かし食らうと思います。

 

奥田作品で言うと(最悪)(邪魔)(無理)路線。

 

何処にでも居る様な人々が事件に巻き込まれていく様を丁寧にじっくり描いてあります。

 

これぞ奥田節!

 

ただ賛否両論あるのは感じます。

 

学校で生徒の死体が見つかるくだりは、宮部みゆきさんの(ソロモンの偽証)と同じ出だし。

 

宮部さんが生徒自身による法廷劇という劇場型展開をするに対して、奥田さんはあくまでも地味に記者や刑事の捜査を積み上げていく。

 

個人的には奥田さんの方がリアル感あって好きだけど、世間的には地味なんだろな~。

 

(最悪)(邪魔)の様な傑作とは言えないけど、良い作品だと思います。

 

新聞記者の新人が上司に言われた言葉が印象に残ったので書いておきます。

 

(悩め。世界にすれるな。青臭くなければ新聞記者ではない)

 

確かにね。

 

最近青臭い正義論をちゃんと書ける新聞記者居ないですもね。

 

でもこれって結構大事な気がします。

 

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