チューリップ | ダンナの嘘

チューリップ

ふっくらと丸みを帯び
淡くて甘いピンク色
どうしてこんなとこに咲いたのだろう

風にあらがわずにたなびけば
小さな泡が黄緑の螺旋を描いて
立ちのぼるよ

流した涙 こらえた涙が
シャンパンのように昇華して
過ぎた痛みを洗い流す

なにもかもが透明で
かなしみをとおったことすらも
輝きをまとって足元を照らすなら

心もとなかったそのバランスも
やさしい風にくるまれて
小さく小さく うたいだす