新潟県遊廓ご案内帳 笹川正榮著 | お散歩日記

お散歩日記

路地裏、バラック、長屋、昭和の香りがする飲食街、遊郭赤線跡地、廃墟、古い町並み、山奥・・・・そんな場所を訪れては下手糞な写真を撮っております。

新潟県内の遊廓・赤線愛好家、または新潟県外にお住まいの方でも、何かの切っ掛けで新潟の遊里に関心を持たれた方にとっては必読の書ではないでしょうか。本のタイトルは「新潟県遊廓ご案内帳 笹川正榮著」、平成八年に出た一冊です。



現在であればネット文化の普及により、遊廓や赤線跡地の情報を手早く入手することが可能になっていますが、平成八年はネットが普及する以前。この本の凄い点は、作者の笹川正榮氏によって自費出版された一冊であること。新潟県内の遊里を調べる為に、資料集め、聞き込み調査等々に新潟中を東奔西走されたことが伺い知れます。文字通り、足で稼いだ生きた遊里情報の一冊・・・・ではないでしょうか。



私がこの本を知ったのは、先日お会いした遊郭部氏との会話の中、そして奇しくも遊郭部氏との邂逅を果たした翌朝に、拙記事新潟遊廓について⑧へコメントを寄せて頂いた新潟市在住の遊廓赤線愛好家XZ-1氏、両兄の情報に因ってであります。




この本に運命的なモノを感じた私は、早速手当たり次第、新潟中の古本屋に問い合わせの電話を入れました。しかし結果は、在庫をしてる古本屋は一件もありませんでした。挙げ句の果てには、とある古本屋のオヤジから「笹川さんなら新潟市内の○○(新潟市内の実在する某商店)の関係者だよ。アノ人、結構有名だから」と告げられ、浮き足立った私は直ぐ様「新潟市内の○○」へアプローチ。これがガセネタも良いところで、全くの無関係だと判明。・・・・・暇を弄ばした古本屋のオヤジの与太話に付き合わされたのでした。






どうやら版元も・・・・諸般の事情で連絡を取ることが不可能のようです。





然らば本を借りようと新潟市内の大きな図書館へ連絡を入れると在庫ありと吉報。その日の内に図書館へ駆け込み、その日の内に三三五ページ分全てをコピー致しました。図書館司書女史曰く「人気のある本と言う訳ではないので、何時でも貸出可能ですよ」、と。これは新潟市内の赤線マニア諸氏にとっても吉報ではないでせうか(笑)
$お散歩日記



新潟遊廓の成り立ちや、娼妓のエピソードが時にシリアスに、時に笹川正榮氏独特の語り口調でコミカルに描かれているのです。
※在りし日の十四番町遊廓水田楼の写真
$お散歩日記



なんと!鏡橋マーケットに関する記述もあり。
$お散歩日記



中々記録の見付からない新潟市内の赤線時代、昔の新潟日報を参考にしているようですね。日報は強し・・・・。
$お散歩日記






特筆すべきは・・・・・「第三章各地の遊廓ご案内」であります。新潟県内の遊里跡地各所を巡った取材記事が収められています。ネットに未だ情報が上がっていない新潟県内のアソコやココに関しても触れています。
$お散歩日記






第三章に収められている新潟県内の遊廓の一つ「津川遊廓」、これを参照にすると場所は津川町田町で・・・・・
$お散歩日記



妓楼は本陣屋・・・・・
$お散歩日記



緑地亭・・・・・などと記されています。
$お散歩日記




この本を信用するならば、どうやら私が昨年の十一月に津川を訪れた箇所は、強ち間違いでは無かったようですね。津川遊廓を訪問した記事
$お散歩日記




新潟県遊廓ご案内帳をコンパス代わりに津川遊廓を近い内に再訪問したいものです。そしてウェブに情報の上がっていないアソコにも・・・・・。妙な使命感すら沸々と漲って来るのです。
$お散歩日記





遊廓・赤線を切っ掛けとして益々新潟への郷土愛が深まる今日この頃なのですよ。