お散歩日記

路地裏、バラック、長屋、昭和の香りがする飲食街、遊郭赤線跡地、廃墟、古い町並み、山奥・・・・そんな場所を訪れては下手糞な写真を撮っております。


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皐月黄金週間の頃、散歩がてら近所の藤枝市郷土博物館へ。



中でも関心を寄せたのは、「静岡豆本 16冊揃」と題された展示物。豆本というジャンルに触れたのは初めてのことであり、掌に乗るサイズの豆本に愛くるしさを覚える。どうやら藤枝には「静岡豆本」という独自のジャンルを切り拓いたパイオニアが居たらしい・・・・・。


そして何よりも惹き付けられたのは、「静岡豆本」のタイトルだ。「チャタレー夫人の恵み」「筐底秘稿」など何れも中々艶っぽい題名が目立つのだ。残念乍、展示物の静岡豆本は装丁を眺めることは出来ても、手に取ることは叶わない。「静岡豆本」を我が掌底へ収めんと各所へアプローチし、「静岡豆本」を十三冊揃えることが出来た。



「静岡豆本」は藤枝市が輩出した大作家小川国夫と親交があった開業医の小笠原淳氏が産み出した。医院を運営する傍ら、ご自身が主催する随筆同人社にて精力的に静岡豆本を作製。更には世界各国、日本各地の豆本を蒐集するという筋金入りの豆本コレクターだった。豆本制作とコレクションに留まらず、昭和四十二年には喫茶店を兼ねた「現代豆本館」を建てている。現在は閉館しているが、コレクションした各地の豆本が展示されていたという。




「静岡豆本」の産みの親たる小笠原淳氏(1912~1989年)。藤枝市郷土博物館にある紹介文には医師・豆本蒐集家、とあった。





昭和四十五年度藤枝市住宅明細地図ヨリ。「現代豆本館」を確認出来る。




現在は更地になっている。





「藤枝文学舎を育てる会」作成の「東海道藤枝宿文学マップ」上には三角屋根の洒落た佇まいの現代豆本館の姿が。2001年に作成された資料とのこと、比較的最近まで「現代豆本館」は残っていたのだろう。もし仮に現存していたのであらば、豆本愛好家のみならず純喫茶愛好家にも愛されたに違いない。惜しいものである。






・・・・・・・・・





遊廓愛好家的視点から「静岡豆本」の中で特筆すべきは下記の二冊である。写真上は木製函入りの「色さまざま(静岡豆本第一集 昭和三十四年三月刊行)写真下は「好色酔族館(静岡豆本第七集 昭和三十五年十月刊行)」。








「色さまざま」には「静岡遊びどころ」と題した静岡二丁町遊廓に関する小笠原淳氏の随筆が載っている。また「好色酔族館」は各地の遊廓、花街の紋が艶色都々逸、小唄と瑞唄と共に掲載。遊廓の紋は小笠原氏ご自身が各遊里を歩いて蒐集されたのであろうか?







後日、藤枝市郷土博物館学芸員氏のご厚情もあり、小笠原淳氏と「静岡豆本」に関して諸々の四方山話を伺う。縁(えにし)あって小生、藤枝市に拠点を構えることになったものであるが、拙宅から数ブロック程の距離に本格的な蒐集家が存在していたことを知り並々ならぬ感動と興奮を覚える。これも亦、郷土愛の発芽である。
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