『日本仏教十三宗ここが違う』 
天台宗…塩入法道著

今回は南都六宗を離れ、
天台宗です。
(これまで紹介した南都六宗の
法相宗華厳宗、律宗以外は、
独立した宗派とはなりませんでした。
*三論宗、倶舎宗、成実宗)

天台宗の起源は、
中国で天台大師智顗(538~597)
の興した天台教学です。
天台教学は法華教を中心に展開され、
法華三大部(法華玄義、法華文句、
摩訶止観)にまとめられます。

法華三大部は律宗を興した
鑑真和尚によって、
日本に伝えられました。
当時、
奈良で勉強中だった
最澄上人の目に止まり、
上人は比叡山に持ち帰り
探究を深めます。
その後、
さらに教学を学ぶため天台山へ。
遣唐使と共に中国に渡りました。
(この時、別の船には弘法大師空海が乗船)
天台山でさらに研鑚を深めます。
帰国後、
延暦二十五年(806)、
日本の天台宗が開かれました。

ご本尊
久遠実成無作の本仏をもって本体
(釈尊をご本尊としますが、
他の諸仏は釈尊が縁により
衆生救済のため姿を変えたものなので、
個々の本尊は応現の限りにおいて
何尊でも良いとされます)
規定されていません。

根本経典
法華経
他の経典は方便としました。

教義
あるがままの全てを肯定しています。
(この世界が仏の世界)
人もそのままで仏になれる存在。
(自己の中に仏が宿っています)


私達は仏と同じ力を持っているので、
心の中の現実は外の世界に反映されます。
本来の仏そのままの心でいれば、
幸せな世界が現れてくるはずです。
無明の心をそのままの心をしていれば、
無明の世界が現れてきます。
ここは神仏の造られた完全な世界、
私達次第で世界が変化していきます。

主な寺院
滋賀県 比叡山延暦寺
岩手県 関山中尊寺
秋田県 湯殿山多聞院


執筆において
天台宗ホームページも参照しました。


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