東京マラソン2007の厠
今回は予定を変更して非常にタイムリーな厠の貼り紙をお届けします。
ある件で朝まで池袋にいた私は、池袋を離れ新宿に向かった(ここら辺の話は後日にラジオで話します)。
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そして向かうは新宿も新宿、新宿の真ん中こと新宿都庁。だって、今日は東京マラソンの日だから。
東京マラソンのスタート地点の新宿都庁前まで向かったのさ。
と言うのも、事前にこれでもかと宣伝された東京マラソン、聞けば、どうよ、仮設トイレが600個設置されると言うではないか?そこにあるはずなかったトイレが600個だよ。それでもマラソン参加者3万人に対してトイレ600個というのは明らかに比率的にバランスが合っていないのだが、なかなか600個のトイレが集まるということはない。言ってしまえば、その他スタッフの方々などの数を考えるとどう見積もっても600個という数字は少ない気がするのだが、それでも十分だ。
そこでだ、それならばと、ここでしか出ないトイレの貼り紙があるのではないのか?と。
この東京マラソンのために設置された(集まった)600個のトイレ、拝めるのはマラソン開催日の今日オンリー。
というわけで数時間前まで新宿にいました。今回の記事は非常にタイムラグのない記事となっております。
時間は朝の6時。池袋で用が済んで表に出れば、どう耳を塞いでも目を塞いでも認めざる得ない大雨っぶり。「東京呪われたな・・・」と呟いてしまうほどの降りっぷりに一瞬「中止!?」という単語も浮かんだが、これだけ都を挙げての一大イベントなら雨くらいでは挫けはしないだろうと新宿へと向かう。駅をおりて都庁前まで向かう通路・・・、同じ方向に向かう人々の中にナイロンジャージ着用率が異様に高い。なんなら既にウォーミングアップなのか、走っておられる方もいる。明らかに皆さんマラソン仕様の体と着衣。
そして何よりも警官が多い!非常に多い。めちゃくちゃ多い。「世界が99人の警官と1人の一般市民だったら?」というタイトルが浮かぶくらい警官が多い。警官村に来てしまったかのように5・6人で束になった警官のパーティがごろごろいます。道を聞き放題とはこのこと。
あとスタッフの方々とマスコミも多数多数の大多数。
早朝の都庁です。
都庁付近まで来て探すこと数分、雨の当たらぬ場所に仮設トイレの群れを見付ける。
マラソンに参加される方々の姿はほとんど見掛けないが、警官の数だけはアリの巣から這い出たアリの如く余っておられる。そんな中でトイレ。一般の方も使っていいはずだが、これだけ警官がいるともの凄い緊張感を伴う。普段街中で警官が二人組ペアでおられてもなぜか緊張してしまうのに、ここと来たら警察署の中のように警官の姿だらけ。
この写真撮るだけでどんだけ緊張したか!?
このトイレ群の前を何度も多数の警官が行き来しており、もう警官がいない一瞬をまばたきの如しシャッターをおろしたよ。
朝六時だものね、参加者より準備したり警備したりする人たちの方がてんやわんやしてる時間だよね。まあ邪魔をしないように撮影しますよ、こっちだってね、今日撮らないともう撮れないものがあるかもしれないと思って徹夜明けにそのまま来てるんです。
では中を伺ってみよう。
ここで一言言っておきたいのだが、先ほども書いたように今日の天気は大雨。しかも早朝ということもあり非常にトイレ内が暗い。というわけで出来れば使いたくなかったのだが、カメラのフラッシュを使っている。
フラッシュの光で出来るだけ貼り紙の文字が飛ばないように、狭いながらも工夫したけども多少見辛いかもしれない。
「ゆっくりとペダルを数回踏んで下さい」
これまた説明が必要なんだが、この仮設トイレにて使用後に水を流す場合には、普通のトイレにあるレバーではなく足元に水を流す用のペダルがあり、それを踏みことで事なきを得る仕様となっている。
ちなみにこちらです。
パフパフ。
なかなか普通の公衆トイレでは見掛けない貼り紙だな。自転車の取り扱い説明書とかにも適用出来るかも知れない。
「御使用上の注意
●御使用前に、1度ペダルを踏み水を流し御使用下さい。
●御使用後、再度ペダルを踏み洗浄して下さい。
●ペダルは、ゆっくり真下に踏んで下さい。
必要以上の力・斜め方向に踏むなどの極端な踏み方は
御遠慮下さい。
●タバコの投げ捨て厳禁。 」
ここでそのペダルの扱い方に関してさらに詳細が記載されていた。にしても「御使用」という文字がやけに多いな。
つまりは使用前にも使用後にも最低一度のペダル踏みが絶対の掟。
垂直に踏んでなんぼのペダルであり、斜めやましてや横蹴りなどは厳禁ということだ。引き戸をどんだけ押しても、戸が外れでもしない限り絶対開かないのと同じか。もしくは自転車のペダルを後ろに漕いでみても後ろにも進まないわ、前にも進まないのと同じか?どうしても「ペダル」と聞くと自転車と結びつけたがるのは私が現時点で一睡もしてないからだ。
タバコの置き捨てもダメだかんね。
仮設トイレってプラスチックで出来ているようなところが多めなために火気は厳禁なのだ。あのプラスチックを燃やしてしまったときの嫌な匂いを嗅ぎたくなければ燃やすのは体脂肪だけにしてもらいたい。
いかん、眠くてどうしても自転車の説明書のように見えてくる。「水」と「洗浄」などの文字をどうにかすれば自転車の説明書に見えなくもない。つまりは自転車に乗りながらタバコの投げ捨ては厳禁ということだ。
自転車の速度からによる思わぬ飛距離を稼ぐこともあるからだ。何より危ないからね。
・・・そもそも自転車って説明書など付いていたっけ?
「注意
水が凍っている場合等で、ペダルが動かない場合
無理にペダルを踏まないで下さい。
無理に踏みますと、ポンプ・ペダルが破損します。
水が凍結する時期には不凍液を御入れ下さい。」
*下の方の何度の状態で不凍液がいくら必要か記載された表は省かせてもらいました。
読んで字の如しの液体なのだろうが、普通に利用する私達が「あれ?なんかペダルの踏み応えが堅いなあ、そうだ!不凍液使おう!」と、当然の如くハンドバックからペットボトルに入ったものが出てくるような液体ではないので、管理者側へのメーカーからのメッセージなのだろう。これこそ説明書にあたるという話だ。
ただでさえ外に設置されることが前提だわ、トイレ自体の素材も薄いわでは水も凍ることがあるだろう。
それにしても何かしらを排出後に、ポンプがこちらの思わぬほどの頑固ぶりを発揮して流しようにも流れない場合にはどうしたらいいのだろう。
やはり使用前の一踏みは大切なようだ。
トンでもない目に合うのは踏まなかった本人だが、置き逃げした場合に被害に合うのは何も知らずに入った次の人となる。いやあ、トイレって本当に恐ろしいところだなあ。
これで仮設トイレの中の貼り紙は終わりだ。
これだけを撮りに徹夜明けに新宿にわざわざ来たのか?
大勢の警官とスタッフと大雨の中をもうちょっと歩いてみた。
絶対普段いないだろう!という場所に無数の仮設トイレが並んでいた。
しかも道路にドアを向けてズラッと並べられている。
写真は別にトイレたちが横に高速移動しているわけではなく、薄暗かったためにブレているだけなのであしからず。
言っておくが道路にも無数に警官の姿があり、フラッシュが焚けるような状況ではない。ランナーたちで溢れかえっており、そのマラソンの様子を撮るのならともかく、この早朝6時過ぎの時点でランナーの姿は皆無であり、私のデジカメの被写体はトイレしかない。私が言うのもなんだが、トイレにフラッシュを焚いている人間は変だ。はっきり言える、変だ。
というわけで個室内でフラッシュは焚けても屋外では到底無理だ。
ランナーたちは当然ながら道路を走る。そんなランナーたちのために道路側に向けて設置されている凄い数の仮設トイレ。東京の街のど真ん中で大掛かりなマラソン大会があるという時点で十分に面白いのだが、これだけトイレが道路沿いに並んでいる光景も圧巻以上の何事でもない。これはどこの国の話なんだろう?という気分になってくる。
きっとよっぽど国民の尿意が気にかかってしょうがない国に来てしまったかのようだ。
途中、こういうものを見掛ける。
「女性専用
WOMEN 」
仮設トイレに男性も女性もないと思っていたが、何かが違うのだろう。
仮設トイレが無数に並んでいる光景もいいが、貼り紙としては仮設トイレのものしか撮ってない。これだと建設現場にでも置かれている仮設トイレ内を撮っても同じことが言える。
なにか東京マラソンならではのものはないかと探せば、この日だけの大きな地図が貼られていた。
真ん中の梅干のような赤い丸が現在地であり、地図上のオレンジ色の○は分かりやすいように私が重ねたものだ。
そしてお分かりだと思うがその○は全てトイレだ。あの「トイレ」記載と重なっている水色エリア全てトイレ。
この日だけ新宿都庁前がかなりのトイレ密集地となった証を表す地図。
多分明日にはない。何もなかったかのようにマラソンの「マ」の字も消えて、いつもの西新宿へと戻るだろう。
これが撮れただけでも良しとしよう。
眠いから・・・。
大雨で寒いし・・・。
家に帰宅してからブラウン管越しにマラソンが始まるところを観たんだが、たいしてこのマラソンの知識がなかったため(トイレの数以外)何か平和な市民マラソンだけを予想していたんだが、北京オリンピックへと続くシード権のかかったプロのマラソン選手もごろごろ混じっているという解説を聞いてちょっとばかし驚いた。
しかしスタートを切って次々とブラウン管に写るランナーの姿の中で、
こういう恰好の方を見付けると、「やっぱりお祭りなんだな」と何か安堵感を覚えた。
この大雨の中、明らかにこれから服が重くなる人だよね。
みんな東京都のマークの入ったカッパを支給してもらってるのに、これじゃあ着れないはずだ。
でもこの人なりに東京マラソンを盛り上げようとしているのだ。決して個人的なウケ狙いではない。
参加者もスタッフも警官もこのお祭りを無事成功させようとしているんだなと思うと、大掛かりなお祭りも結局は一人一人の心意気で成り立ってんだなあと、しみじみ。
3万人にトイレ600個というのは明らかに少ないので来年はせめて1.5倍の数を希望。
あと貼り紙にももっと東京らしさを!
トイレから東京をアピール!
「石原都知事公認トイレ、略して石原トイレこちら→」
とか。
って来年は石原都知事とは限らないんでした。
次回は「かわや貼り紙探訪」
の続きとなります。
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「厠イヤミ百景の一景」
東京都庁前にて