こち亀の象/像
あなたの周りに寒いギャグを言う人はいるだろうか?
その被害の威力なんて本人つゆ知らず、あいさつの如く寒いシャレなどを放たれるお人。
一般に「親父ギャグ」と言われるだけあって、おじさんに多く見受けられる、その寒さ。
人は人を傷つけることの出来る攻撃力の持った冷たい言葉、なんなら殺傷能力まである言葉を直接吐き出すことも可能だ。しかし親父ギャグを飛ばす人はそんな悪意は一切ない。ウインクでもかますかのように一発吐き出す。
まるでそれは小さな寒波。
略して小寒波(こかんぱ)。
決して股間波(こかんぱ)ではないのでお間違いのないよう。
本人に自覚がないだけに余計にそれは罪深く、我々の心をフリーズ化現象を起こさせる。
パソコン同様に音も無くと唐突に忍び寄るフリーズ!
引きつる口端。
苦々しい笑い。
泳ぐ目。
早く次の会話に繋げないと!
今のは聞えてないことに!
暖房のスイッチを気持ち一度だけ上げようか?
いや、しかし彼らはコミュニケーションの潤滑油として、たまにサラダ油やゴマ油、はたまたガマ油を間に使ってみただけのことなのだ。そりゃあ独りよがりのとこも否めないけど、気持ち的には「会話している相手と笑い合いたい」、また「場の雰囲気を和ませたい」と、善意の気持ち故の行いなのだ。
己なりのセンスと技と力の結晶を吐き出したのだ。皆に笑顔が生まれると信じて。
かわいいじゃないか。鉄壁の如く冷たく突っぱねることなどしないで、温かく迎えてあげるゆとりも必要なんじゃないだろうか?
なのにギャグの段違い平行棒が起きた際に、我々てっばフリーズしてしまいがちだ。一応愛想笑いの顔を作ってはいるが、目の奥では瞳孔がこれでもかとキュッキュッと絞め上げられている。なんなら貴方は毛布すら探している。
世知辛い生活、人の行いに対して寛大な気持ちでいるということはどんどん難しくなってきているかもしれない。誰もが小さなイライラやストレスを溜めては、どこかピリピリとしている。とてもじゃないけど人のことまで知ったことじゃないかもしれない。ムカつかせてくれる人も多くなったのも事実だし。
でも心の中に少しでも湖を作る事が出来るたならば・・・。
様々なプチイラを胸の中の湖に音を立てることもなく沈めて行くことが出来たならば・・・。
そして生きてく上で少しでもその胸の湖を大きくしていけたなら尚のこといいかも。
ここで断っておきますが、別に洗脳しようとか、職人が一つ一つ手縫いで施した金糸細工の高級羽毛ふとん(実はウレタン入り)を売りつけようとか思ってるわけではないのであしからず。
絵画に出てくるようなイメージの静かな湖畔、脇には小さなヨットとかが泊まっており、波もおだやかなもの。そしてそれを包み込むように生い茂る森林が生えていたりなんかして、どこかで小鳥がピロリロリ♪
出来たら漁船とか浮かべない方がいいかな。ヨットも良く見れば船体に「戸塚ヨッ●スクール」なんてペンキで書かれていたりしてるところを想像しちゃ駄目だ。そして湖の奥では犬神家の一族よろしく逆さV字開脚の足が突き出していたりなんかしちゃあ駄目だ。全然駄目だ。
穏やかなイメージを想像して下さい。
生きていく上で次々と胸の湖にはゴミも落とされるでしょう。それでも綺麗な水質でいられる回復力をみんな持っているんだし、出来れば寒いギャグも突っぱねることもなく、その湖で受け止めてあげたいところ・・・。
寒いギャグなんてかわいいもんですよ。
静かな湖畔は想像出来たでしょうか?
では前置きが非常に長くなったけど、今日の貼り紙の登場です。
「きれいに使うゾウ。」
そうなんだゾウ。
なんなんだゾウ。
こまったゾウ。
まいったんだな、ゾウ。
インパクト一発勝負の貼り紙です。
言葉ありきに選ばれた写真なのか、写真を見つめて生まれた言葉なのか、ともかく当の象本人はサバンナの真ん中でこんなこと言ってないのは明らかなんだゾウ。
少し年季が入っているのか、色もかなり褪せているし、トイレの空気中の様々な水分(アンモニアも多少含まれていることでしょう)を吸ってしわしわなんだゾウ。
しかもなんだゾウ。
天下のJ●さんが製作してるんだゾウ。
まあ掃除のおばちゃん・おじちゃんが作れるレベルのポスターじゃないのは見てわかるけど。
でも・・・、でも・・・、でもってばよう。
ここで先ほどの胸の湖畔が必要となるわけなんだゾウ。
波なんか立ってませんね?
レッツ、スマイルです・・・。
さて笑顔と言えば、このポスターはもちろん駅のトイレにあったんだけど、この駅を出るともっと笑顔の人が鎮座しておりました。
あまり貼り紙の場所は特定したくないんだけど、この方の銅像を見れば一発だね。
「こちら葛飾亀有公園前派出所」の主人公の両さんの銅像です。
建った日に行きました。
なんの因果か、字違いであちらが「象」ならばこちらも「像」。
「こちら葛飾亀有公園前派出所両津勘吉像完成記念!!」のこち亀スタンプラリーもやっていた。
なんなら周りの店は記念の割引セールまでしていた。
さらになんなら街中は垂れ幕までつらつらっと並べて垂れ下がっていた。
既にもう亀有の顔として認められたようだ。
上の銅像の写真の奥に一緒に写っている立て看板にも記載されているけど、夜に行ったのでスタンプラリーは当に終わっていたさ。
いろいろ辛いこともあるけれど、出来れば両さんのような笑顔でいたいところ。
イラっとする度に、
男なら一本毛が抜ける。
女なら皺が一本増える。
なんて想定してみるのも手かもしれません。
両さんは両さんで短気だけどね。
まあ、あくびを一つ♪
都内、とある駅にて
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らんきゅ~ __________________________________________________ranQ -------------------------------------------------------
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