鑑賞した劇場は異なりますが、3月前半に見た日本映画の新作2本です。1本目の映画『ゴールド・ボーイ』は、平成「ガメラ」3部作の金子修介監督が岡田将生を主演に迎え、殺人犯と少年たちが繰り広げる心理戦を描いた作品。なかなか見ごたえのあるクライムサスペンスでした。ミッドランドスクエアシネマ(シニア当日1,300円)。

 

2本目の映画『火だるま槐多よ』は、22歳で夭逝した大正時代の画家・村山槐多の作品に魅せられた現代の若者たちが、槐多の作品を独自の解釈で再生させていく姿を描いた、奇妙なタッチの作品。劇場はシネマスコーレ(シニア会員1,100円)。グッド!

 

ゴールド・ボーイ

『ゴールド・ボーイ』公式サイト

 

以下は映画『ゴールド・ボーイ』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

それは完全犯罪のはずだった。まさか少年たちに目撃されていたとは…。義父母を崖から突き落とす男の姿を偶然にもカメラでとらえた少年たち。事業家の婿養子である男は、ある目的のために犯行に及んだのだ。ドンッ

 

一方、少年たちも複雑な家庭環境による貧困や、家族関係の問題を抱えていた。「僕達の問題さ、みんなお金さえあれば解決しない?」朝陽(13)は男を脅迫して大金を得ようと画策する。「何をしたとしても14歳までは捕まらないよ。少年法で決まってるから」殺人犯と少年たちの二転三転する駆け引きの末に待ち受ける結末とは……。

 

ゴールド・ボーイ


実業家の婿養子である東昇(岡田将生)は、ある目的のため、義理の両親を崖の上から突き落として殺害する。それは完全犯罪のはずだったが、3人の少年少女がその現場を偶然にもカメラで捉えてしまう。それぞれ複雑な家庭環境や家族の問題を抱える少年たちは、東を脅迫すれば大金を手に入れられると行動を始めますが…。あせる

この映画の原作は、「バッド・キッズ 隠秘之罪」のタイトルでドラマ化され中国で人気を集めたズー・ジンチェンの「悪童たち」という小説。物語の舞台を沖縄に移して、その土地に生きる少年少女を軸に容赦のない犯罪のドラマが繰り広げられます。

 

予備知識なしの鑑賞ですから、これほどまでに“14歳未満”の少年少女の犯罪がえげつなく描かれる作品とは思っていませんでした…。とはいえ、予測のつかない犯罪ドラマとしては、見ごたえのある新作日本映画です。今年になってから3月までに見た日本映画の新作では『夜明けのすべて』と本編、この2作が印象強く残っています。パー

 

(2023年、監督/金子修介、脚本/港岳彦、原作/ズー・ジンチェン、撮影/柳島克己、照明/宗賢次郎、録音/小松崎永行、音楽/谷口尚久)

ゴールド・ボーイ

 

 

 

                                  

 

火だるま槐多よ

『火だるま槐多よ』公式サイト

 

以下は映画『火だるま槐多よ』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。

 

大正時代の画家・村山槐多の「尿する裸僧」という絵画に魅入られた法月薊(のりづき・あざみ)が、街頭で道行く人々に「村山槐多を知っていますか?」とインタビューしていると、「私がカイタだ」と答える謎の男に出会う。目

 

その男、槌宮朔(つちみや・さく)は、特殊な音域を聴き取る力があり、ある日、過去から村山槐多が語り掛ける声を聴き、度重なる槐多の声に神経を侵食された彼は、自らが槐多だと思いこむようになっていたのだった。――

 

火だるま槐多よ

 

朔が加工する音は、朔と同様に特殊な能力を持つ者にしか聴きとれないものだが、それぞれ予知能力、透視能力、念写能力、念動力を有する若者4人のパフォーマンス集団がそれに感応する。彼らはその能力ゆえにある研究施設で実験台にされていたが、その施設を脱走して、街頭でパフォーマンスを繰り広げているという設定です。

 

この作品もまた予備知識なしの鑑賞です。1世紀以上前の夭逝の画家・村山槐多の生涯を辿ったドキュメンタリーか…などと先入観を抱いていましたが、その予測とは大きく異なるパフォーマンス劇のような奇妙奇天烈な映画でした。映画としては、正直楽しめる作品ではなかったのですが、数々の槐多の絵画が映し出される中で、やはりヒロイン法月薊が魅入られた「尿する裸僧」の絵に、大きな迫力を感じました。パー

 

(2023年、監督/佐藤寿保、脚本/夢野史郎、撮影/御木茂則、照明/高原博紀、録音/丹雄二、美術/齋藤卓、竹内悦子、編集/鵜飼邦彦)

火だるま槐多よ

 


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