1970年代の小説・作家で忘れられない一人が五木寛之であり、
作品は大河小説の「青春の門」。1969年から執筆が開始され、
現在もシリーズは完結していないのかな。私が70年代に読んで
いるのは、「筑豊篇」「自立篇」「放浪篇」「堕落篇」「望郷篇」の第
5部まで。その後の「再起篇」「挑戦篇」「風雲篇」は未読である。![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/240.gif)
![青春の門](https://stat.ameba.jp/user_images/20120818/05/iwashima555/10/67/j/t02200373_0264044812141084596.jpg?caw=800)
物語は九州の炭鉱町出身の伊吹信介のビルディングス・ロマン
であり、五木寛之版「人生劇場」といったところ。70年代のブーム
の中で映画化もテレビドラマ化もされている。主要キャストは、
東宝・映画(75・77) テレビドラマ(76・77) 東映・映画(81・82)
↓ ↓ ↓
伊吹信介(成長後)・・・ 田中健 江藤潤 佐藤浩市
牧織江(成長後)・・・ 大竹しのぶ 秋吉久美子 杉田かおる
伊吹重蔵・・・ 仲代達矢 北大路欣也 菅原文太
伊吹タエ・・・ 吉永小百合 小川真由美 松坂慶子
塙竜五郎・・・ 小林旭 中村敦夫 若山富三郎
東宝版(1975・77)
小説の第1部「筑豊篇」は東宝版でも東映版でも、タイトル『青春の門』
で公開されている。福岡の田川に生まれた伊吹信介。男気のある父・
重蔵の死後、義理の母であるタエの女でひとつ育てられる。幼馴染み
の織江との恋も交えながら、やがて故郷を捨て上京するまでを描く。
そして第2部「自立篇」の舞台は、戦後の色濃い昭和30年前後の東京。
早稲田大学に入学した信介は、貧乏暮らしの中アルバイトに励み、石井
講師(高橋悦史)から指導を受けるボクシングにものめり込んでいく。![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/104.gif)
演劇に入れ込んでいる友人から新宿二丁目の遊び方を教わり、そこで
出会うのが学生たちに人気のある娼婦カオル(いしだあゆみ)。やがて
九州から上京してきた織江との間で、気持ちが行き違い、織江は信介
の前から姿を消す。その後、ヤクザのもとで街娼として働く織江を見つ
け、何とか連れ出すが、カオルとの関係を見て、再び姿を消す織江。
やがて尊敬する石井講師とカオルが心中未遂の事件を起こして、自分
の前から去って行く。信介は織江が北海道に向かったらしいという噂も
あり、演劇部の友人に誘われる北海道へのドサ廻りの旅に出る。![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/106.gif)
東映版(1981・82)
こうしてストーリーをまとめてみると、いかにも時代がかった内容だなと
改めて思う。1970年代に人気があったとはいえ、「筑豊篇」「自立篇」で
描かれるのは戦後から1950年代まで、20年ほどの「時代差」がある。
70年代当時にあっても、すでにノスタルジックな物語であったわけだ。
そして、この五木寛之の大河小説は東宝版の「自立篇」が、映画の評価
も興行もそこそこ良かったのに、続編は作られることがなかった。その後
のテレビドラマも東映版も、右にならえで「自立篇」で打ち止めである。![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/178.gif)
そもそも「青春の門」のタイトルでの映画化は、大学時代の伊吹信介に
はフィットするが、その後の物語にはそぐわない感じだ。かくして映画・
テレビ版「青春の門」の伊吹信介は、永遠にモラトリアム人間のままだ。
作品は大河小説の「青春の門」。1969年から執筆が開始され、
現在もシリーズは完結していないのかな。私が70年代に読んで
いるのは、「筑豊篇」「自立篇」「放浪篇」「堕落篇」「望郷篇」の第
5部まで。その後の「再起篇」「挑戦篇」「風雲篇」は未読である。
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/240.gif)
![青春の門](https://stat.ameba.jp/user_images/20120818/05/iwashima555/10/67/j/t02200373_0264044812141084596.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20120818/05/iwashima555/1e/56/j/t02200307_0230032112141084595.jpg?caw=800)
物語は九州の炭鉱町出身の伊吹信介のビルディングス・ロマン
であり、五木寛之版「人生劇場」といったところ。70年代のブーム
の中で映画化もテレビドラマ化もされている。主要キャストは、
東宝・映画(75・77) テレビドラマ(76・77) 東映・映画(81・82)
↓ ↓ ↓
伊吹信介(成長後)・・・ 田中健 江藤潤 佐藤浩市
牧織江(成長後)・・・ 大竹しのぶ 秋吉久美子 杉田かおる
伊吹重蔵・・・ 仲代達矢 北大路欣也 菅原文太
伊吹タエ・・・ 吉永小百合 小川真由美 松坂慶子
塙竜五郎・・・ 小林旭 中村敦夫 若山富三郎
![青春の門](https://stat.ameba.jp/user_images/20120814/16/iwashima555/ff/cd/j/t01910274_0191027412134196192.jpg?caw=800)
![青春の門](https://stat.ameba.jp/user_images/20120814/16/iwashima555/5c/ee/j/t02140300_0214030012134196190.jpg?caw=800)
小説の第1部「筑豊篇」は東宝版でも東映版でも、タイトル『青春の門』
で公開されている。福岡の田川に生まれた伊吹信介。男気のある父・
重蔵の死後、義理の母であるタエの女でひとつ育てられる。幼馴染み
の織江との恋も交えながら、やがて故郷を捨て上京するまでを描く。
そして第2部「自立篇」の舞台は、戦後の色濃い昭和30年前後の東京。
早稲田大学に入学した信介は、貧乏暮らしの中アルバイトに励み、石井
講師(高橋悦史)から指導を受けるボクシングにものめり込んでいく。
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/104.gif)
演劇に入れ込んでいる友人から新宿二丁目の遊び方を教わり、そこで
出会うのが学生たちに人気のある娼婦カオル(いしだあゆみ)。やがて
九州から上京してきた織江との間で、気持ちが行き違い、織江は信介
の前から姿を消す。その後、ヤクザのもとで街娼として働く織江を見つ
け、何とか連れ出すが、カオルとの関係を見て、再び姿を消す織江。
やがて尊敬する石井講師とカオルが心中未遂の事件を起こして、自分
の前から去って行く。信介は織江が北海道に向かったらしいという噂も
あり、演劇部の友人に誘われる北海道へのドサ廻りの旅に出る。
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/106.gif)
![青春の門](https://stat.ameba.jp/user_images/20120814/16/iwashima555/bf/5f/j/t02200306_0736102412134194669.jpg?caw=800)
![青春の門](https://stat.ameba.jp/user_images/20120814/16/iwashima555/d9/4d/j/t02200310_0240033812134194668.jpg?caw=800)
こうしてストーリーをまとめてみると、いかにも時代がかった内容だなと
改めて思う。1970年代に人気があったとはいえ、「筑豊篇」「自立篇」で
描かれるのは戦後から1950年代まで、20年ほどの「時代差」がある。
70年代当時にあっても、すでにノスタルジックな物語であったわけだ。
そして、この五木寛之の大河小説は東宝版の「自立篇」が、映画の評価
も興行もそこそこ良かったのに、続編は作られることがなかった。その後
のテレビドラマも東映版も、右にならえで「自立篇」で打ち止めである。
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/178.gif)
そもそも「青春の門」のタイトルでの映画化は、大学時代の伊吹信介に
はフィットするが、その後の物語にはそぐわない感じだ。かくして映画・
テレビ版「青春の門」の伊吹信介は、永遠にモラトリアム人間のままだ。
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