先日、夫がある詐欺の被害者となった。
と書くと、ちょっと大袈裟かもしれないが、要は
或るマルチ商法のディストリビューターとして、
本人が知らぬ間に、勝手に登録させられて
しまったのだった。
しかも、それをやった人が医師なのだから、
本当に始末に負えない。
先日まで、夫は家から徒歩５分という近所に
あるクリニックで、高濃度ビタミンC点滴治療に
通っていた。
最初の頃は週に一回だったのだが、血中濃度
を３５００に上げるために、当分は集中して週に
２回ずつ通うことになった。
費用は、一回あたり１６０００円なので、これを
週に２回ずつ、ずっと続けるとなると、他にも
高額な薬代や医療費がかかっている事を思うと
負担は決して小さくはない。
そんな時、知人が渋谷にある皮膚科クリニック
の先生を紹介してくれた。美容皮膚科のクリニック
なのだが、高濃度ビタミンC点滴もなさっている
と言う。
そしてそちらでも普通は50ccで１６０００円なの
だが、知人の紹介なので、週に２回通うならば
１２０００円にしてくださると仰ってくださった。
４０００円も安くしてくださるのは確かに有難い
話ではあるが、脚の具合が悪い夫にとって、
独りで電車に乗って渋谷まで行き、駅からも
かなりの坂道を歩いて行かなくてはならない
そのクリニックに、週に２度も通うのはかなり
の負担だ。
私は、クリニックを変える事には反対した。
「もっと脚の具合が良くなってきて、楽に行ける
ようになってから、そちらに変えたらいいでしょう。
それまでは家の近所のクリニックにすれば？」
しかし夫は、半年間も自分が仕事を休んでいる
事や経済面も含めて負担をかけている事に
対して、あまり口には出さないが、かなり気にして
いるようで
「一回４千円も違うって事は、月に１０回通うとして
４万円も変わってくるんだよ。渋谷まで通うよ」
と頑固に言い張り、そちらのクリニックに変えて
しまった。
すると、そのクリニックでの治療の合間に、先生
から、現在何か摂っているサプリメントはあるか
と聞かれ、夫はそれらの名前を答えた。
（病院で貰う薬に加え、かなりの種類のサプリ、
さらには夫の国からもどんどん送られてくる癌に
効くというサプリの数々で・・・・実はすごい事に
なっている）
それらを聞くと、その先生（女医）は
「すごく良いサプリがあるわよ。ぜひ飲んでもらい
たいわね。一万五千円ほどかかるけど大丈夫？」
もし、肺癌など患っていなかったら、あるいはもし
彼女が医者ではなかったら、夫だって・・よく分かり
もしないモノを易々と買わされてしまうほどのミス
はしなかっただろう。
しかし相手は医師・・。絶対にいいモノだから！と
強調され、しかも・・・前述のように治療費用を安く
してくれたという負い目もあったのだろう。
・・・これは、確信犯だと思う。
その数日後、自宅にかなり大きなダンボールが
届いた。
開けてみると、或る有名なマルチ会社の商品で
あり、さらに「貴方様は当社のディストリビュータと
して登録されました」 という通知書、ﾃﾞｨｽﾄﾘﾋﾞｭｰﾀ
として販売活動をするための心得などが書かれた
用紙などが入っている。
さらに彼女は１５０００円と言っていたらしいが、
勝手に注文数が水増しされていて、請求書金額
も高額になっていた。
自分がマルチの餌食にされたと知り、夫は
ショックで蒼白になった。
本当に、あまりにも酷い・・・・と私も怒り心頭に
なった。
商品がインチキかどうかは別にして、あのような
商法は、その商品の価値に見合わない高値と
なっている事は既にバレている。
（一部の世間知らずの人たちは、ｾﾐﾅｰなどに
勧誘され、洗脳されてしまうのだろうが><;）
それにしても、そんな胡散臭いマルチビジネスに
すら、特定商取引に関する法律という規制がある。
今回は、すぐにこの社に電話をして
「彼女は、どこの会社のどんな商品であるかも
全く説明せずに、ただ絶対に良いから飲んでみて！
と言い続け商品を送りつけてきた。」
「自分が御社のディストリビュータである事を隠し、
さらには無断で、自分の患者をディストリビュータ
登録していた」
「医者と患者という立場を悪用した」
事などを訴えた。
会社のアクションは早かった。 彼女はこの会社
のディストリビュータの資格を失う事になるらしい。
当然の結果だと思う。 そして勿論、商品は
クーリングオフしてもらった。
ただでさえ、脚の具合が悪く、気分が冴えない
時にこんな事で気分が落ち込み、免疫が
下がったら大変！
と、昨日と今日はちょっと出かけてきました。
久しぶりの家族旅行。 気分転換できて
良かったです。