珠玉のテクニックの数々を、ありがとう。ハンバーグラー師匠。
マクドナルド24時間営業開始す。
もう半年になるが、平成に生まれたギャル、ギャル男達の強い味方、我らがマクドナルドがついに勝負に打って出た。100円マックと言う画期的集団の登場以来通い続けた結果、私も写真の少年のような序二段程度の肥満体となってしまったが、後悔はない。あとは新弟子検査に行くだけで、向こう7、8年程度、ちゃんこ食べ放題という人生の選択肢を手に入れたのだから。
それはさておき、これにより我々の深夜の生活は革命的変化を遂げる。
コンビニで立ち読みを黙々と続け、空が白み始めたのを合図に抱き始める罪悪感と倦怠感。通りを見れば新聞配達の原チャリの軽快なエンジン音。社会との断絶を突きつけられ、目頭にこみ上げる熱いもの。
だがそんなネガティブな感情は、我らがマクドナルドが一掃してくれる。
さぁ、いつものように3ch教育テレビがその日の放送を終了したのを見届けて。出かけよう、100円玉を握り締め。
同じような感じで、駄菓子屋さんに走っていた時代を回顧し、懐かしんでいる余裕はない。我々はもう、成人しているのだから。
そしてすでに、マック内での座席争奪戦は後半戦にさしかかっている。優しい思い出に身を預けるのは、事を成し遂げたあとでも、遅くはなかろう。氷室狂介(当時は”狂”であった)氏も、ON MY BEAT のなかで、こう言っているではないか。
自分を守るのは、何かを残したあとだぜ
このフレーズにより蘇生したら、レジで自信を持ってブレンドコーヒーSをオーダー。ジャージ姿で客単価100円という我々に対し、無料であるはずのスマイルは当然提供されないが、ここは我慢。マックにメールでクレーム送りつけてやろうか、とチラリと思っても、あと三年、正社員になるまでは、じっと待とう。我々はまだ、時給制で働いているのだから。
さて、コーヒー片手に意気揚々と座席確保へ。なみいる強豪(ラップトップ持参組)、古豪(ダンボールパレス居住組)を抑え、ようやく窓際の席をゲットだ。携えた文庫本を手に取り、開く。さっきできなかった、駄菓子屋にかけっこしていた時代のことに思いを馳せる。・・・コーヒーが旨い。
ただしコーヒーには、ミルクも砂糖も入れないように。
我々が甘い汁を吸うのは、まだ先なのだから。
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