模型用カラーは、<油性/水性/エナメル>と
その性質において大体三種に大別され、模型メーカーより発売されています。
その中でもタカラから発売の【レベルカラー】とグンゼ産業が始めた「ミスターカラー」
は、性質の近い「揮発油系」のアクリルラッカーでした。
それよりも先に、米国のパクトラ社と提携を結んだタミヤより発売されていた
「パクトラタミヤカラー」が有りますが、コレは先述のラッカーとは違い、
油彩用の物を専用の溶剤で、模型用に仕上げた物です。現在は提携が終わり、独自のブランドで同じ性質の物が発売されています。
現在の日本では、普通にラッカー系の塗料が発売されていますが、
海外では、1965年に自動車メーカーの「GM」が、
その有害性から使用を中止してからは、家庭用/ホビーユース向けでも
「TOXIC指定」され、廃止や発売中止を行ったので、現在はエアゾール以外での販売は見当たりません。
アクリルラッカーの利点は、早く乾燥すること、密着性が高いことですが、
その反面、乾燥時の蒸気(揮発成分)が、人体に影響を及ぼすのです。
そう行った環境から、日本製のカラーは水溶性のアクリル塗料を開発しなければ、模型の製作(販売)に影響が出ると捉え、現在に至る訳です。
初期の頃に発売されていたタミヤアクリルカラーは、
価格の差別化と、他の性質の違うカラーとの混色を防ぐため、
その容量が大きく設定され、そのままでも希釈せずにエアブラシでつかえる濃度にしていたため、筆塗りではその使用感に少しの物足りない思いをされた方が多く、
やはり使い慣れた「ラッカーがええな」となり、今日に至ります。
各国の規制により、ラッカーが使えない地域の模型ファンは、
アクリルガッシュに代表される品質を用い、より改良を加え、
模型の多彩な表現使えるに塗りやすい物を開発するようになりました。
また、元々からあるエナメル系もそれに対応するようになってきています。
よく、ラッカー>アクリル>エナメルの順に重ねた方が良いと言われますが、さほど気にしないでやれる方法が少しですが存在します。
それぞれが乾燥した後で効果があるんですが、
その方法は、色を重ねる前に、速乾性に優れたクリアプライマーで
仕上げながら塗装を進めることです。
こうすれば、それぞれの性質をあまり気にせず使えます
当然プライマーは「つやは少ない方」がいいんですが、
これは表面が梨地である方が、次の色を重ねる時に定着しやすいからでなんですね。
ではつやのある物はどうしたらいいのかというと、
一番最後にクリアカラーを重ね塗ることで、層の厚い深みの有る色に
表現ができるはずです。
そうなると今度は、重ねて行きたい色を「ウマくつかうこと」
を気にしなければなりません。
エナメルの瓶入りカラーは、溶剤と顔料が「塗りやすいとされる濃度に調整されて」はいっていますが、これをしばらく放置しておけば、顔料が沈殿し
上澄みである溶剤と顔料である色に分かれます。
そこで、上澄みに分離した溶剤を捨ててしまうんです。
あとは、顔料が残るのみになりますので、撹拌棒などで必要量を取り出し
好みの濃度で使用すれば、早く乾燥も可能になります。
また、エナメルカラーの上澄みを捨てずにエアブラシにちょうど良い濃度に
調節して着色すれば、(はじめから空気と混ぜて着色する方法なので)
比較的早く乾かすことも可能です。
それでも、この方法の一辺倒では、表現に限界がありますので、
そこは色々な方法を組み合わせることで、良い作品に近づけてくださいね。