落ちても良いシステム構築依頼 | A Day In The Boy's Life

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とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

情報システム部に来るシステム構築・運用の依頼の中には、「落ちてもかまわないから」という接頭辞がつくものがあったりもします。

かなり小規模で使うアプリだからと言うわけではなく、数千人規模で利用されるシステムであっても。


理由は単純で、それにかける予算がないから最小構成で構築し、最小コストで運用してくれというもの。

もちろんというか、その言葉は鵜呑みにはできません。

そのアプリを担当する業務主管部門がOKをだしても、それを実際に使う利用者がOKを出すはずもないから。


仮にシステムが止まったとしても、業務主管部門は「まぁ、最小構成だから仕方ないよね」と言ってくれるかもしれませんが、それを利用している人たちへの説明は、業務運用ではなくシステム運用の責任領域である情報システム部に求められます。

こうなってくると、「いや・・・業務主管部門が最小構成でって言うから・・・」というのは単なる言い訳にしかなりません。

そして、システムを数時間も止めた情報システム部という悪名だけを情報システム部門が背負うことになります。


また、「落ちてもかまわない」とは言ったけど「データが消えるとまでは聞いてなかった」と言い出される事もあります。

システムが止まると言う漠然な表現では、単純にシステムが復旧したらその直前からまた再開すればよいと思っている人たちも多いからです。

障害によりけりですが、システムが止まると復旧作業というものが必要になります。

その復旧作業も、システムの構成次第でどこまで戻せるかと言う事が決まってきます。


DBを使用している場合、Oracleなどの商用のソフトウェアを使わないと本当に障害直前までデータを復旧する事が難しくなります。

安価だからといってオープンソースで固めると、最悪前日のバックアップデータまでしか戻せませんと言う自体に陥ります。

そういった予算がない事でとるリスクの説明責任は情報システム部にあります。

いや、厳密に言えば説明の責任は無いのかもしれませんが、あとあと困るのは保守・運用する情報システム部の人間になりますので、説明必至にはなるでしょう。

例えば・・・


・ この構成にはどんなリスクがあるのか

・ この構成で起こりえる障害の種類はどういったものがあるのか

・ それらの障害によってシステムはどれくらい停止する事になるのか

・ それらの障害が発生した時、利用者はどんな状態に陥るのか

・ それらの障害によって失う可能性があるのは何か

・ 情報システム部門の担当領域はどこまでか

・ 業務主管部門にお願いする事は何か


といったところです。


タダほど高いものはないと言うのと同じで、一見気楽に見えるようで後々高くつくリスクを多いに含むこの言葉を使ってきた場合は、かなり要注意になるわけです。