昔の名前で出ています? | 大山格のブログ

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おもに歴史について綴っていきます。
実証を重んじます。妄想で歴史を論じようとする人はサヨウナラ。

 西南戦争の史料で近藤勇という人名を見掛けたという人がいます。ちゃんとした研究者なので、私は実際に当該史料を見ていませんが信じています。ただし、この発見をもって「新選組の近藤勇が実は維新後も生きていた」などとは思いもしません。同姓同名は、けっこう多いんです。

 霊山で斎藤一の名が記載された警視庁関連文書が紹介されたということがヤフーニュースなどにも掲載されておりますが、私は新選組の斎藤さんじゃなくて同姓同名さんだと思っています。というのは、すでに斗南移住のとき改名した藤田五郎の名で戸籍に載っているからです。

 基本的に警察官が公文書で変名を用いることはなく、戸籍上の名を用います。それがあるのでスパイという特殊な役割を演じたというストーリーが創作されているのでしょうが、そのスパイ説に確たる根拠がないかぎりは妄想に等しいと思います。

 仮に百歩譲って、その斎藤一なる人物がスパイだったとしましょう。変名するなら知られていない名前を用いるはずですね。西南戦争がらみで内偵(スパイ活動)するなら、薩摩と関わりの深い高台寺党にいた斎藤一なんて名前では不都合じゃないですか。

 福島安正のように正体を隠さず、名刺を配りながらスパイ活動した人もいるにはいますが、そのパターンだとすると変名する理由がありません。

 どう考えてもオカシイので、霊山がジョークのつもりで発表したことを、マスコミが真に受けたのかなぁと想像してます。


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