結婚しても | 秘密の35年☆赤い糸の行方

秘密の35年☆赤い糸の行方

何度別れても、切れることのなかったふたりの糸。二股だったときも、彼が「あの人」と結婚してしまったときも、わたしが海外で暮らし始めたときも。音信不通6年、14年ぶりの再会から、再び動き始めた恋。国境を越えた超遠距離・婚外恋愛。

<「別れてよかった」の続きです。>

「ココナッツ島へは
ロードバイクの優勝祝いで
来たんだっけ?」

「そうそう」

彼はそう言ったあと、少し間を置いて、

「でもどうやって連絡とったんだろう」

と言い始めた。

「ほんとだね。どうしたんだろう。
日本から連絡もらったんだよね。
じゃなかったら会えなかったもんね」

「覚えてないんだよ。
メールもないのに、
どうやって連絡取ったのか」

「あたし、手紙書いたのかな」

「そうかな。
手紙もらったとしたら残ってるよ」

さらっと言い流す彼。

わたしの手紙を取っておいて
くれてるの?

それが一体、どういう意味なのか。

その場で考えようとしたけれど、
次の会話で消されてしまった。

「オタちゃん(共通の友人)に頼んで、
うちの親に電話番号聞いたとか」

「そうかもしれない。
オタちゃんに足向けて寝れないな」

「そうだよ。オタちゃんには
いつも間に入ってもらっているんだから」



そう。

オタちゃんがいなかったら、
今のわたしたちはなかった。

オタちゃんには今まで何回、
助けてもらったんだろう。

河原さんが結婚してしまったあと、
ふたりを会わせる為に、
骨をおってくれたオタちゃん。

今回のこの14年ぶりの再会にしても、
間接的ではあったけど、
迷っているわたしの背中を
押してくれたのはオタちゃんだった。



この日、実家から懐かしい写真を
数枚持参していたわたし。

それらの写真を彼に見せる。

「大磯ロングビーチに
行ったときのだ」

一枚目からすぐに言い当てた彼。

「ふたりの写真ってあんまりないんだよ。
伊豆の白浜に行ったのに、
そのときの写真もないし」

「白浜の写真、持ってるよ」

「ほんと?」

「見た覚えがある。
引っ越しでどこにやったかな」




別れてから25年。

それなのに結婚してからも、
そして引っ越してからも、
わたしの写真をずっと持ってくれているの?

手紙さえ捨ててないという彼。

それってどういう意味なんだろう。

よくわからないけど、
なんだかとても素敵なことに思えた。

(続く)

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