排せつ物流出:館山の養豚場から川に悪臭に苦しみ、住民改善要求県と市が検査へ/千葉 | 館山市議会議員「石井としひろ」のブログ

排せつ物流出:館山の養豚場から川に悪臭に苦しみ、住民改善要求県と市が検査へ/千葉

排せつ物流出:館山の養豚場から川に悪臭に苦しみ、住民改善要求県と市が検査へ/千葉
(毎日新聞2012.09.03 地方版/千葉)

 「住みやすい場所」を意味する古語「まほろば」をブランド名に使った館山市内の精肉業者の養豚場から飼育豚の排せつ物があふれて近くの川に流出し、悪臭に苦しむ周辺住民が施設の改善を求めている。事態を重く見た県安房農業事務所と館山市は養豚場を立ち入り検査し、業者を指導する方針だ。
 <中略>
 約20年前に建てられた豚舎は、鉄骨の柱に屋根をかけた開放型の施設。排せつ物は床一面に泥田のように積み上がり、悪臭が付近一帯に広がったままの状態になっている。
 近くの住民の話によると「積み上がった排せつ物が床壁を乗り越えて泥流のように外に流出し、雨が降ると近くの小川に流れ込んでいる」という。また「無数のカラスやトンビが豚舎付近に群がり、そのフン害も深刻。行政が放置しているのは信じがたい」と憤慨している人もいる。
 ~後略。引用終わり~


上記の記事が昨年9月3日の毎日新聞に掲載されました。

この問題は長く続いていたようで、記事になる5ヶ月前、昨年の4月頃、私も耳にしていました。住民が市や県に訴えても何も改善されないとのことでした。それがとうとう記事になったわけです。

この記事を受け、館山市議会でも昨年9月13日に取り上げられました。その時の市の答弁では、

「確かに事業の再開(*再開は平成22年10月)後、6回の調査と指導に当たっているということは、かなり回数としては多いのではないかというふうに考えております。その都度先ほど市長答弁などにも若干触れておりますけれども、一定の改善が見られて、事業主の方にその指導内容を実行してもらっているというところで、一旦は状況が改善をされて、また次の同じような状況が繰り返されるということが6回の調査、指導につながっていると、そういう結果になっているということでございます。」

とのこと。

2年間で6回の行政指導というのは、まずありえません。どうやらこの業者は本気で改善するつもりが無いようです。

であるならば、館山市が関わるイベントへの参加を取りやめてもらうとか、地産地消推進店の登録抹消も検討しなければならないでしょう。


さて、ここまでは話は知っていたものの、私自身は特に動いていません。しかし、今年の2月初めに、「相変わらず状況が改善されないので、取り組んで欲しい」という話が私に直接来ました。それで早速、夕方になりましたが、現場に連れて行ってもらいました。

$館山市議会議員「石井としひろ」のブログ-H250203

その前日が雨で午前中はひどいことになっていて、住民の方が掃除をしたようですが、まだ汚い状況です。靴の裏と横に糞尿の混ざった泥がこびりついてなかなかとれません。また、服にも空気中の臭いがついてしばらくとれません。

さらにその後、2月9日にも見に行きました。相変わらずの汚さで、新聞記事にあったように、ものすごいカラスの群れが見られました。

$館山市議会議員「石井としひろ」のブログ-H250209

家に戻って自分なりに調べたところ、

家畜排せつ物法によれば、

まず、県が「行政指導」→改善されなければ「勧告」→それでも駄目なら「命令」
という手順になります。

指導だと業者は従わなくても平気です。しかし、命令になれば従わざるを得なくなります。

命令に従わなければ、罰金刑という刑事罰、つまり犯罪になります。

そこで、森田健作知事あてに2月12日付けで手紙を書きました。

内容は「6回行政指導をやっても駄目だから、勧告や命令を出して欲しい」ということです。

その回答が今日、郵送で届きました。

$館山市議会議員「石井としひろ」のブログ-回答表紙

これは、「知事が手紙に目を通しました」ということで、3月25日付けとなっています。

以下が具体的な回答です。

$館山市議会議員「石井としひろ」のブログ-回答内容

【以下、知事からの回答全文】

お手紙の内容について、畜産課長からお答えします。

 県では、畜産環境問題について、各地域に畜産環境保全対策地域推進会議を設置し、地域の実情に合わせた対応をしております。

 お手紙にありました件に関しましては、現在、県の機関である安房農業事務所(事務局)、南部家畜保健衛生所及び館山市で構成する「畜産環境保全対策安房地域推進会議」(以下、推進会議という。)で対応しております。

 推進会議は、平成24年9月4日付けで養豚場の経営者に改善指導書を手渡し、同経営者に改善計画書を提出するよう指示し、同年9月19日付けで同経営者から改善計画書が提出されました。
 推進会議は、この計画書に沿って改善されているか、定期的に養豚場の現地確認を行っており、養豚場の経営者も豚舎の修繕、防鳥ネットの整備や豚舎の清掃を実施するなど、現在、改善に努めているところです。

今後も、県と市が連携し、問題解決を図りたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。

ーーー回答終わりーーー

まだ、行政指導で自主的な改善に期待したいとのことです。

少し改善しても、また元の状況に戻して、糞尿垂れ流しというパターンはもはや見過ごすことは出来ません。

また苦情が出るようであれば、館山市議会で質問をしたり、千葉県知事への再質問状を書かなくてはならないでしょう。