今回のブログ記事は一部の鑑定人への警告である。
また、これから鑑定を志す方にも周知して頂きたい事項だ。
今日のブログは怒りを持って書いているため、予めご承知おき願う。
それから、これから鑑定を依頼しようと考えておられる方にも次の一文を申し上げたい。
「鑑定を依頼する行為は、依頼者の足下を見せる行為である」
イキナリ、攻撃的な一文で恐縮であるがこれが現実だ。
鑑定書を作成する上で、我々に貸与される個人情報は莫大なものである。
住所氏名生年月日といった個人を特定できる情報。
損害賠償算出根拠となる所得の情報。
故人様の場合、訴状に添付された葬儀の画像から宗教ですら推定することもできる。
そもそも、交通事故の解明では、個人を特定する情報は必要ない。
せいぜい、性別・事故時の年齢・身長体重程度の情報だ。
場合によっては職業である。
私の場合は鑑定書に個人を特定できる情報は、努めて記載しないようにしている。
当事者についても、男性●●歳 といった記載しかしない。
事故時の年齢と性別以外の情報はそもそも、鑑定に必要ないのだ。
また、事故発生日時や事故発生場所も
「交通事故証明参照」もしくは「訴状参照」
としか記載しない。
発生日時や場所から、当事者等の個人を特定させないためだ。
勿論、事件番号や交通事故証明に記載された事故照会番号は鑑定書に記載する。
これら番号を知り得るのは当事者のみだ。
原理的に、当事者や守秘義務のある実務者以外で当事者に繋がることはできない。
こういった措置を取ることは、当事者を保護するためだ。
鑑定書は裁判に提出されるが、専従者等の間で回し読みされる。
つまり、一人歩きする危険性が高い書面であるからだ。
一人歩きした書面に個人情報が記載されていた場合、不利益を被るのは依頼者である。
鑑定書の中に、これでもかと当事者等の個人情報を記載した書面をよく見かける。
とある鑑定書もどきには、依頼者の生年月日まで記載してあった。
また、別の自称鑑定人が作成した文書には次の一文が記されている。
「個人情報が記載されているため、裁判外での使用閲覧を禁ず」
一見すると、個人情報を保護しているように見える。
しかし、腹を空かしたライオンの前で「食べないで」と懇願するようなものだ。
黒い意思を持った人間の目に触れれば、この一文は何の効力もない。
最初から、当事者に繋がる情報を記載しなければ良いだけである。
鑑定を依頼するという行為は、鑑定人を信頼するという行為である。
それと同時に依頼者自身が自らの足下を見せるという行為ともいえよう。
鑑定人は、決してその信頼を裏切ってはいけない。
ましてや、依頼者の足下を見ることは以ての外である。
とある自称鑑定人は、業務を受けた後、依頼者を嘘吐き呼ばわりして罵倒し、仕事を投げ出した。
勿論、その依頼者は一つも嘘をついてなどいない。
仮に、嘘であったとしても、受任時に嘘が見抜けなかった自称鑑定人が暗愚なだけである。
プロを自称するのであれば、この様な詐欺まがいの行為は厳に控えられたい。