金沢大学教授を辞職した吉本谷博被告(老健ホームいしかわへ)の不正金の法廷尋問(医学部大学等46) | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

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金沢大学教授を辞職した吉本谷博被告(老健ホームいしかわ施設長へ)の不正金の法廷尋問、小川による不正解消での解決の求めから隠蔽へ転じ事件拡大へ(医学部大学等46)

 金沢大学では、私以外の何人もの構成員も、それぞれ独立した事案で、金沢大学や他の構成員等との民事訴訟や刑事手続など多くの事件に至っていますが、今回は、私の最初の裁判所調停や民事訴訟の原因になった、吉本谷博・教授(平成27年7月に辞職)による不正経理とその隠蔽での争い、職場環境の決定的破壊の始まり、出勤停止2ヶ月の懲戒処分などです。

1、吉本被告の不正経理での懲戒処分

「金沢大 研究費を不正使用」
 (読売新聞H19.3.17より引用)


 金沢大は16日、不適切な会計処理で研究費約525万円を不正に使用したとして、同大大学院医学系研究科所属の50歳代の男性教授を同日付で出勤停止2ヶ月の懲戒処分にしたと発表した。

<中略>

、、、薬品業者から正規の手続きで物品を購入したように見せかけ、業者に物品を持ち帰らせ、業者に代金を保管させる「預け金」という行為を繰り返し、約525万円を不正に使用した。

<中略>

 同大の説明によると、昨年1月、、、<中略>、、、この結果、不適切な会計が一部見つかったため、男性教授を厳重注意処分とした。
 しかし、同年8月、この職員が同大の学長(引用者説明:「学長」個人ではなく、正しくは「国立大学法人金沢大学」であるが、金沢大学は、まるで大学ではなく学長個人が相手であるかのように発表したことを、引用者はずっと後になって知った)に男性教授の教室運営の改善などを求める調停を申し立てたため、外部の専門家や研究者を交えた調査委員会を設置し、再調査したところ、預け金が発覚。男性教授も同12月中旬に認めたという。

<中略>

、、、記者会見で、橋本哲哉・副学長と中沼安二・医学系研究科長が「非常に重大だと受け止めている。再発防止に努めたい」と謝罪したうえで、不適切に処理した研究費については「男性教授本人が自発的に返還することが望ましい」とした。<後略>
<引用ここまで>

2、金沢大学が最下位6校の評価で、国からの交付金減額

 しかし、この懲戒処分発表から約3ヶ月後の同年6月頃に、税金原資の科学研究費補助金の支給元である日本学術振興会に私が電話で確認したところ、未だに不正処理金が返還されないため、返還を督促する書類を金沢大学に送った、ということでした。

 その約4年後の平成23年(2011年)に、金沢大学は、不正経理を理由に最下位6校(国立大学86校中で)の評価を受けて、翌年度から、運営費交付金(国から国立大学へ交付される、国立大学の運営の基盤となる経費)が約5年にわたって減額されました(次の日経記事。減額幅は、学内財務部の説明では5億円以上)。


国立大6校、中期目標の達成不十分、研究費や毒劇物管理
 (日本経済新聞H23.5.25より引用)


 文部科学省の国立大学法人評価委員会は24日、国立大86校が教育研究や運営面で定めた中期目標の達成状況の評価結果を公表した。ほとんどの大学は達成状況が「良好」とされたが、6校が業務運営面などで「不十分」と指摘された。同省は評価結果を2012年度以降の運営費交付金の配分に反映させる。

<中略>

 不十分とされた大学のうち、、、<中略>、、、金沢大と山口大は研究費の不正使用があった点、琉球大は毒劇物の管理がずさんな点などが指摘された。
<引用ここまで>

 評価対象の6年度で、不正経理が発覚した国立大学は他にもかなりあったので、約1年にわたって不正を隠蔽した上、懲戒処分後も税金原資の不正処理金を返還しなかったことが大きかったようです。

 ここまでのリスクと損失を負ってまで、金沢大学は吉本被告を「優遇」したようです。


3、吉本被告の法廷尋問の、不正経理関係の部分より抜粋

 以下は、吉本氏および金沢大学を被告とする訴訟(原告は私・小川で、事件番号は、金沢地裁平成19年(ワ)第305号、同平成23年(ワ)第281号の併合事件)において、昨年10月に行われた吉本被告本人尋問の調書(裁判所が作成した、尋問の録音反訳で、裁判の証拠の1つ)の、この不正経理などについての部分から一部を引用します。

(1)不正の証拠(甲5の独自の発注書)と事務補佐員の立場
 <質問者は吉本被告代理人の清水弁護士、第21ページ>


まず、メモを見つけたと言ったのは、この甲5号証ですかね。
   はい。
この書面は、本来あってはいけないものなんですか。
   そうですね。
そういった本来やってはいけないような不正の処理をしていたということはお認めになられるわけですね、今は。
   はい。
井上さんも、実はその事実は知っていたということでしょうか?
   知っていたと思います。
<引用ここまで>

引用者説明:「井上さん」とは、当時の井上あゆみ・(研究室の)事務補佐員のことであり、この他、甲5号証の「あってはならない発注書」(様式に、お金の預け先の業者名が印刷してあり、そこから選ぶ形になっている)には、技術職員1名と大学院生1名(当時)が自分の名前を書いている。

(2)裁判所の指示で調査委員会、不正なしが有りに
<質問者は川崎裁判官、第105ページ>


その後、どういう経緯で再調査になって、実際には、あるという判断がされたんですかね。
   最終的には、裁判所から大学の調査委員会を立ち上げろということで、調査委員会が立ち上がりました。本部の。
何が決め手になったのか、あなたは知っていますか。最初、調査でなかったことになっているのが、後であったことになってるんですけれども、それは何が決め手になったか、あなたは分かりますか。
   それは私の自白です。
あなたがやったというふうに供述を変えたということですか。
   事実は、橋本という副学長、理事ですけれども、その人から半分脅しのような形で言われて、私が自白をしました。それが決め手です。
あなたの話した自白が正しい真実だということですか。
   そういうことですね。
<引用ここまで>

引用者説明:裁判所から指示されてやっと、不正隠蔽が止まったわけです。私だけでなく、多くの金沢大学構成員が、金沢大学やその構成員など関係者に対して、幾つもの民事訴訟や刑事手続きを行い、それらの一部は報道されてきました。

4、不正経理の会話の録音証拠(甲64号証)

 甲第64号証は、録音とその録音反訳のセット(枝番号1と2)の証拠で、吉本被告は本物だと既に認めています。

 その録音反訳の中から、不正経理に関する会話が主に入っている、第1〜第4ページと、第9ページを、下にお示しします(提出した証拠には、黒塗り(業者名部分)と赤下線は付していない)。

 赤下線の部分を眺めれば、
(ア)私による不正解消で解決の提案、不正は「やめるしかない」種類の不正(吉本被告の説明)、
(イ)大学側が、証拠の扱いの詳細(学長までいってる、など)を、被疑者である吉本被告へ漏らしていたこと、
(ウ)不正を一度は解消しようという話になったが、否認に転じたこと(この間に、「財務監査」名目での関係者への聴取があった)、
(エ)私のほうがウソをついているとの非難を始め、当時の事務補佐員だった井上あゆみさんも不正隠蔽に巻き込まれている様子(吉本被告が、上で、井上さんも不正経理を知っていた旨を証言した)、
(オ)私・小川専用の研究費(私の研究のために獲得して、外部から支給されているもの)にまで執行妨害を始めたところ(もちろん学会費用は当時より前から支出可能)、
などの経過の概略が追えます。


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 この会話の平成18年4月は、私の金沢大学着任の約半年後であり、同年夏に、バリケードで封鎖するような形で、共通実験機器のない狭い場所への閉じ込めが始まって、そうした閉じ込め状態が9年以上続くことになります。
(つづく)