ゆっくりと流れる過去と現在(いま)
トッド・スティーブンス監督作品、アメリカ
ウド・キア様、リンダ・エヴァンス様、ジェニファー クーリッジ様、
マイケル・ユーリー様、ステファニー・マクベイ様、ジョナ・ブレックマン様他
かつてヘアメイクドレッサーとして活躍した「ミスター・パット」こと
パトリック・ピッツェンバーガー。ゲイとして生きてきた彼は、
最愛のパートナーであるデビッドを早くにエイズで亡くし、
現在は老人ホームでひっそりと暮らしている。そんなパットのもとに、
思わぬ依頼が届く。それは元顧客で親友でもあったリタの遺言で、
彼女に死化粧を施してほしいというものだった。
リタのもとへ向かう旅の中で、すっかり忘れていた仕事への情熱や、
わだかまりを残したまま他界したリタへの複雑な感情、
そして自身の過去と現在についてなど、様々な思いを巡らせるパットだったが……。
(映画.comより引用)←丸投げだなあ・・・
全然、丸々、『バベットの晩餐会』とは違うのですが、
こちらも全編、心穏やかに幸福感に浸れる作品。
主人公は誇りを持っていた仕事を、弟子に裏切られる形で落ち目になり引退。
今は自分よりはるかに痴呆が進んだ入所者さんに囲まれた老人ホーム。
愛したパートナーの死後、二人の築いた家などは、
パートナーの弟に全部持って行かれてる。
そういう現実は、なかなかシビアなんですよね。
でも、リタへの死化粧の為に、ホームを抜け出し町に戻ってから、
再会する人や、既に逝った人との幻想の会話、
パートナーのお墓へ初めてもうでて抱きしめる想い。
そんな色々が、ウド・キア様演じるエキセントリックなゲイ、
パットの突拍子もない行動の中で、
優しく穏やかに包まれて行く、赦しや温かさ和解への昇華。
全ての場面が、切なく愛おしい、そんな作品の有難さ。
人生の道は彩られ報われる。
そして、ウド・キア様はいつも素敵。
撮影中の一枚。わんこさん可愛い!