従姉のこと | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

最後に会った日

 

 

 

 

両親のアルバムの写真整理、自分のアルバムからの写真整理。

親戚の写真などが色々と発掘出来ました。

 

 

 

そして、先般、スマホから取り出してもらった、

写真ファイルの中に、もう13年は前の、従姉の写真がありました。

 

 

その時勤めていた会社の、研修での出張で行った、

前泊の銀座のホテルの前で撮った一枚。

「携帯」で撮ったもの。

何故もっと写真撮ってなかったのか?

 

 

デジカメに代わるほどの写真機能ではなかったからか。

実際に従姉に会えた最後の日

みどりが出張で東京に行くのを、いつも喜んで会ってくれてた。

 

 

 

 

ピンクのストールが映えていて、とても似合ってた。

「やっぱり顔の近くに明るい色はいいね!似合うわあ」と、

一枚だけ撮った写真。

 

 

ぽっちゃりというよりがっちりしてた従姉。

驚くほど痩せていて、当時抱えていた問題から、

精神的なものが原因での、食欲不振からだとばかり思ってた。

 

 

彼女が心身ともに参っていた問題。

それに立ち向かう前に、教えてもらい、秘密と念を押された。

 

 

でも、秘密にする必要がなくなってしばらくして、

あとで聞かされたら、伯母であるが傷つくかと、

これは秘密と言った上で母に教えた。これが間違い

 

 

翌日、母が本人に電話してしまった。「大変ね!」と。

秘密と約束したことを勝手に言ってしまったことで、

事前了承とらなかったみどり、「しまった!!!」な状態に。

 

 

その後、しばしば連絡を取り合っていた従妹との電話が、ぷっつり

ああ、やはり怒ってる、怒らしてしまったあああああ。

そう思っていたので、こちらからもなかなか連絡しづらく。

 

 

 

 

ある晩、それでも電話したら、

就職して家を出ている、愛娘が出て「お母さま、今、出かけてるのよ」と。

彼女が家に帰ってる時に外出なんてありえない

 

 

絶対に帰宅してる娘の傍から離れない筈。

居留守だああ、やはり、まだ怒ってる!

と思ってしまい、ちょっとの間、時間を置こうとそのままにしてた。

確かにその日、従姉は家にいた

 

(一緒に銀ブラして購入したもの)

 

病院嫌いが遂に折れて、診察に行ったら、既に癌が末期

余命三か月と診断され、その晩は一時帰宅で帰っていた。

でも、しんどくて休んでいた・・・

 

 

料理好き、綺麗好き、活動的な従姉。

でも、身体が辛くて、精神的にも辛く、病気で美しくも出来ない。

そんな状態を私に見せ、会わせるのはどうかと、

親族が話し合って、知らせないことに決定していた。

それは辛いものだけれど、従姉に負担をかけない為にもよかった。

 

 

そして、ある夜従姉の娘からの電話がかかって来た。

彼女から私に電話なんて、通常ないこと。

「***ちゃんに話があるのよ」

「どうしたの~?」

「お母さまが死んだの。今日、初七日だったの」

 

 

あの電話を受けた時の一部始終忘れられない

でも、納骨前にと、会わせて頂いた骨壺は、

全く現実感がなくて、飾られた遺影彼女が居ない家

 

 

今でも夢の中のよう。キツネにつままれただけのようで。

 

 

 

 

 

 

 

だから彼女の最後の姿は、急に私に入った仕事に、

ホテルのフロントがある、高層階のエレベーターで、

ここでいいよと手を振りあって、扉が閉まった時

 

 

最後にをしたのは、もう内容もよく覚えていない、

母に話したことを謝った電話。

 

 

 

 

身内と言える身内がほぼ居ないみどり。

いつか、東京に引っ越そうかなあと言ったら喜んでくれた、

姉のような従姉はもういなくて、最後のやり直しも出来ない

 

 

それでも、空の写真を取り出すのに、

携帯からスマホへと、ずっと移し続けられていた写真。

 

 

 

 

その中に、これがはっきり写っていたら、遺影に使いたいと、

従姉が言ってくれたという写真が入っていて、

それが、空も居なくなった中、ほんのりと有難い

 

 

空の不在でバランスがおかしいままのメンズも、

空ちゃんみたいに、お話してね、と頼んだら、

最近、話しかけたり、返事をしてくれるようになりました。

 

↓ 「私が夫を教育しましたから」by空?

 

 

 

 

人生にやり直しはなし。失われたものは記憶でしか戻らない。

日々の中で、有難いことを、目いっぱい感謝して過ごさなくては。

 

 

これは従姉と寄った、原宿浮世絵美術館で買った団扇。

 

 

今はもうない風景、会えないにゃんこさんたち。

 

 

 

今はその面影もほぼ無いという、

従妹の家への道などを並べました。

この写真の中で、生きているのは私と青くん、

嫁いでいった檸檬だけ・・・

 

 

 

 

 

いずれ私もそちら側へ、そうやって時は巡る

あの頃、今住んでいるマンションの基礎工事が進んでいたように、

新たな時が刻まれる。

 

 

 

 

 

あなたたちに二度と会えなくても、きている限り、忘れない