モリの愛、沖田監督の愛
沖田修一監督作品、日本、99分
山崎努様、樹木希林様、吉村界人様、青木崇高様、池谷のぶえ様、
吹越満様、三上博史様、林与一様、きたろう様、嶋田久作様他
昨年、来年は皆さんがお勧めの映画を色々拝見しよう・・・と決意、
リブログ用目録?が下書き記事にすらっと並んでいるのですが、
全然映画が拝見できていない今日この頃。
お正月に拝見した『モリのいる場所』、やっと記事にさせて頂きました。
詳しい解説は、リブログの常で、ももじろう2号様に丸投げさせて頂きます☆彡
昔々、超大型書店に行かなくても、本屋さんが、
散策して楽しく、自分の好きな一冊に巡り合う喜びにあふれていた時代。
熊谷守一様の画集の表紙の白猫さんが目に留まったのは、
2004年刊行の画集があるので、それですね。
単純に、その表紙の独自の画風で描かれた白猫の絵に魅了されました。
画家その人に関しては、何の知識もなく。
76歳で脳卒中で倒れられてからは、写生旅行は困難な状態に。
そんな中今度は、1977年、97歳で亡くなるまで、
30坪に満たない自宅敷地内の庭で、見上げる空から、蟻たちまで、
その一つの宇宙自体を愛でて生活された。
ニンゲンは、大切な家族、
通ってくる中の、心通う人たちだけで充分。
文化勲章、勲三等叙勲も辞退された、確かにそういうものがまるで無意味な、
直接に、生きとし生けるものと結びついた生活。
↓ もはやコロボックル状態?
映画はそんなモリ(熊谷守一)の日々を、彼が愛しんだように、
監督のキャメラで、大切に、静かに描かれていました。
『南極料理人』(2009)、『キツツキと雨』(2012)、『横道世之介』(2013)を撮られた、
沖田修一監督、また一作、心に静かに残る、作品。
叙勲の知らせの電話をかけ、妻の樹木希林様に、
「いらないと申しております~」とか言われてしまうお役人役で、
嶋田久作様がご出演されてらっしゃって、絶句される間が素敵。
なんてったって、内田裕也夫人ですからねえ、
奇人・変人・仙人の妻役、樹木希林様も絶妙にお似合いです。
冒頭に、林与一様扮する昭和天皇ご登場場面がありますが、
「叙勲」とかそういったものの人選に、いかに殿上人は関係ないか。
笑いの中にぴりっと隠し味、胡椒???