「身柄拘束」とか・・・邦題なかったの?
クロード・ミレール監督作品。(フランス)87分
リノ・ヴァンチュラ様、ミシェル・セロー様、ロミー・シュナイダー様他
内容と違うとも言えないけど、あ・・・あまりにあまりな邦題~。身と蓋が・・・
大晦日の夜、警察に出頭して来る公証人のマルティノ。
少女連続暴行殺人事件の一件の発見者であり、もう一件も現地に居たマルティノ。
リノ・ヴァンチュラ様演じるガリアン刑事と部下が、取り調べを始める。
発見者である筈の自分が、容疑者に???
密室状態の中、回想場面を交えながら、丁々発止で取り調べが続く。
やがて、公証人の妻が姿を現す、ロミー・シュナイダー様演じるシャンタル。
恵まれない環境に育ち、豊かな公証人との結婚で、現在の生活を得たものの、
夫婦関係は破綻していると話す妻。そこは夫の供述とも一致する。
しかし、彼女が語るその原因が違う。10年前、マルティノの妹の家でのクリスマス。
義妹と別室にいた彼女が、夫が姪と遊ぶ部屋を覗くと、
夫は「口に出すのは憚られる」ことを、姪にしていた・・・。
事件があった後、血痕が残るレインコートを、
クリーニングに出したという、引換券も提出する妻。
それを聞き、一転、供述を始めるマルティノ。
ガリアンは取り調べを終え、供述書を作成している部屋を後にし、署長にねぎらわれるが、
その時、盗難車が事故を起こし、運び込まれてくる。そのトランクから少女の殺人死体が。
それを見ているシャンタル。
ガリアンは、取調室にとって返し、供述書を破り、マルティノを釈放する。
恐らく結婚生活が破綻しながらも、妻を愛していたマルティノは、
彼女の供述を知って、冤罪を受け入れようとした?
外に出た彼が、妻の乗る車に乗り込むと、身動きもしない妻の手にはピストルが・・・
署を出てきたガリアンにマルティノの声が響く「ガリアン!、ガリアン!」元旦、朝7時。
ロミー様が亡くなられる前年の作品。ヴァンチュラ様も6年後、68歳で亡くなられました。
そんな、一筋縄ではいかない超円熟期の俳優さん達が、
暗い画面の中、繰り広げる、暗いドラマ。
DVDの画面も荒く、スクリーンもちっこいですが、おフランス映画の底力、魅せてくださいます。
さあ、ニュアンスに充ちた、おフランスのアンニュイ・ノアールへいらっしゃい?
破綻していてもアムールぢゃけえ。
+1枚は打ち上げ?大人の明るい笑顔・・・も哀しいロミー様・・・