コレクションに・・・「ジャスト・ア・ジゴロ」 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。


時代の狭間で不器用に生きたジゴロ

このまま行ったら、もう、再見する機会ないかな???と、
豪華な役者さん揃いの地味~な映画、
1978年、David Hemmings(デイヴィッド・ヘミングス)監督作品、
「Just a Gigolo(ジャスト・ア・ジゴロ)」を入手してしまいました。

 



 


 

 

 

 


第一次世界大戦で、軍人として名誉ある戦いに挑む筈だった、
David Bowie(デイヴィッド・ボウイ)様扮するポールは、
終戦で、あっけにとられたまま帰還。

 

 



 

 


帰還する列車の中から持ち出した、豚さんだけが戦地土産?
そこから、街を往来するおばさま二人の噂話に合わせ、年代を追う形で、
ポールのその後が描かれてゆくんですね。
「どうも使えんらしいねえ~」とか。いい放題。

 



退廃も、貧しさも、飽和状態に爛熟した時代と言われる、
第二次世界大戦前夜のベルリン。
Maria Schell(マリア・シェル)様扮する母親、
Hilde Weissner(ヒルデ・ウェイスナー)様扮する伯母、
Sydne Rome(シドニー・ローム)様扮する、幼馴染のシリー。

 

 


女たちは、様々な形で身をやつしながらも、逞しく生きている。
 


 

 

 

 


戦地においても、どこか浮世離れした空気を持つ、真面目ちゃんポール。
ちょこまかと仕事を世話してもらうけど、どうも役に立たない。

 

 


 


監督自ら演じる、軍隊時代の連隊長は、初期ナチスにポールを誘うが、
その世界にもなじめないポール。
そうこうするうち、流れつくように、バー“エデン”へ。

 


 

 


 

 


 


 

 


Marlene Dietrich(マルレーネ・ディートリッヒ)様演じるセマリング少佐経営の、
ジゴロたちが、奥様方を酔わせる場所。

 


 

 


 

 

Kim Novak(キム・ノヴァク)様扮するヘルガのジゴロとなるポール。
 

 


「遂にジゴロになったよ」と街を歩くマダムの噂話。
 

 



ルックスはなんてったってデヴィッド・ボウイ様だし、
シリーや女性たちの恋心を掴みはするものの、
真面目というか、何処に行っても不器用に時代の中を漂うポール。

 


 


 


 

 


女たちは、彼への恋心を胸に秘めつつも、
華やかな地位を手にして行く。

 

 


未亡人ヘルガは、老いた富豪と再婚。後継ぎが欲しい夫の了承のもと、
彼の前で、ポールに子作り協力を求める。耐えられず逃げ出すポール。

 


 


 

 


バーの奥から出て来て、ピアノの伴奏で
「ジャスト・ア・ジゴロ」を口ずさむセマリング少佐。

 

 

 

 


シリーは、場末のクラブ歌手から、ハリウッドに渡りスターへ。
映画のバックダンサーに、ディートリッヒ様へのオマージュ?
真っ白のタキシード。

 

 


こちらもCurd Jurgens(クルト・ユルゲンス)様扮する、年上の貴族と結婚。
 

 


節目節目に、ポールを求め続けたシリー。
「あなたを買うことが出来るわ」
「僕は高いよ」

 

 


「じゃあこれで」と、ウェディングドレス姿の首からネックレスを外して渡す。
想いを遂げた後、シリーにネックレスを返すポール。
「これで、今度は僕を予約できるよ」自嘲しながら、やはり生気ない。
夜の街へ彷徨い出た所を、ファシストの内乱に巻き込まれ、
一発の銃弾にあっけなく倒れるポール。
倒れ、死体となったポールを認め「皮肉なもんだな」と言う元連隊長。

 

 


ナチスの勇者として、祭り立てられ、埋葬されることに・・・
本当に、ウスバカゲロウのようなポールだったから、
遠く、マレーネ・ディートリッヒ様が歌う「ジャスト・ア・ジゴロ」が聴こえる中、
大戦の狭間で命を落とすのは、運命の様なものかも。
時代の傍観者が
ひとり、消えて行ったお話。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


豪華な配役に酔うことで、虚無感を埋める作品です。
 


 

 

 


その豪華配役人に負けない存在感だった、戦地土産の豚さん。
一応「食品」としての配役?ですが、愛くるしいったらない。
やはり、子役と動物には勝てないか?

 

 



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