夜なき夜99・グレタ・ガルボ様 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
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二者択一


そりゃまあお綺麗なお方です。スウェーデン生まれの超大物、 

Greta Garbo(グレタ・ガルボ)様。1905年9月18日~1990年4月15日、享年84歳。





同じスウェーデンの御出身というと、Ingrid Bergman(イングリッド・バーグマン)様がおられる。

近くでドイツ御出身だと、何かと比較されるMarlene Dietrich(マレーネ・ディートリッヒ)様。

皆様、デビューはヨーロッパで、渡米するなり、ハリウッドのスターシステムが、

彼女らの中にある、美を、究極まで引き出され、あっという間に絶世の美女に創り上げた。




ディートリッヒ様との比較は、よく「あなた、犬派?猫派?」というように、

昔は「ガルボとディートリッヒ、どっちがタイプ?」という会話、多かったあ。

お金持ちのお嬢さまに生まれ、自分の主義の下に、人生を生き切ったディートリッヒ様と、

原節子様が「日本のガルボ」と言われるように、美に陰りが見えた時、 

ふっつり、スクリーンから姿を消され、隠遁生活に入られたガルボ様。生き方も対照的。

ガルボ様はディートリッヒ様と違い、貧しい御出身で、デパートの帽子売り場で働かれていて、

広告に使われた事が芸能界入りのきっかけで、特別女優志望だったというのではない。



御引退後、完璧に、姿を消された原節子様。ガルボ様の骨太な美しさとこの黒いシルエット。

↓ 「白痴」でのスチール写真の原節子様を想い出します。 

1931



Garbo talks!(ガルボが話す)」「Garbo laughs(!ガルボが笑う)」、いやはや映画自体も、

過渡期でもあったし、キャッチフレーズが、大振り?です。

しかし、ガルボ様が笑うと、私は何かしら、切ない。

1941年のご引退作品も「Two-Faced Woman(奥様は顔が二つ)」というコメディ。

その前、「ガルボが笑う!」の、「Ninotchka(ニノチカ)」(1939年)、両方、楽しい作品。

なのに、ガルボ様が笑顔になられると、「いいんですよ、仏頂面で」と言いたくなる。



間違いでなければ、ガルボ様も、原節子様も、はいこれが引退映画ですっ!と消えられた、

というのではなく、自分が出たい映画がなくなって、なんとなく自然後退的になり、

その結果、早くからご楽隠居生活に入られたという感じ。

ガルボ様は、ご自身「双頭の鷲」に興味をお持ちだったとか。 

なんと、1969年には、ルキノ・ヴィスコンティ監督が、プルーストの「失われた時を求めて」からの

作品に、ガルボ様をオファーしたものの、興味すら示されなかったと言われています。

60代、あのプライドの高さから、確かに、あり得ないと私も思う。



「隠遁生活」と言われるものの、ご本人的には、とても良好な状態だったのかも。

元々、「一度も“一人になりたい ('I want to be alone)” と言ったことはありません。

“一人にして欲しい (I want to be let alone)” と言っただけです。

この二つの言葉はまったく意味が違います」とか言われた程、

基本的に、人好きという訳ではらっしゃらなかったし、女優をされてても、辞められても、

「神聖ガルボ帝国」は固い城壁に守られて、屹立している?

元々、 ↑ のような、くつろいだボーイッシュなスタイルをお好みだった、といって、

キャサリン・ヘップバーン様のような持って生まれたセンス感・・・とも違う?ガルボ様。

必要なだけ働いたから、もういいわ、っていう感じで、違和感なく、

必要以上に「ただのおばさん」に戻っちゃった。その点、山口百恵様と共通点有?


1980


そんなこんなで、引退後のガルボ様のお写真って、 ↑ のようなものしか以前は、

拝見してなかったのですが、いえいえ、「普通の裕福なおばさま」として、財産も運用され、

大きなサングラスで顔を隠してNYを歩かれるお姿は、一種、名物でらしたようです。

舞台に立てるぎりぎりまで唄い続けたディートリッヒ様が、晩年、持ち物を手放しつつ、

暮らしておられた、というのと、これまた、全く逆。

しかし、そのヴィトンの使い方・・・身に着けるものを構わないんなら、そういういかにもな、

ブランド物はやめましょうよ、ガルボ様・・・より、おばん臭いわ。まだ、無地がまし?



こちらはスパでしょうか?比較的よく拝見するお写真。「I want to be let alone」通り、

伸び伸び、お過ごしでらっしゃったんですね。・・・と、ここまでだったら、今日、記事にしない。

撮影年は不明なものの、お若さが遠ざかりつつあるガルボ様を撮影された、

数枚のお写真と出会ったので、この写真はいいなあ・・・と思い、ご出演頂いた次第。


Cecil Beaton


Cecil Beaton(セシル・ビートン)様とのツーショットらしい。

(ご引退後、一瞬、お付き合いの噂あり。) 




静かに自分の世界にこもって、余計なことに煩わされずに日々好きに生きる。

私みたいな引きこもり好きには、ある種、桃源郷のような長い「余生」。

だからからか、どうなのか、個人的には、ディートリッヒ様の信念ある、エネルギッシュな、

生き方の方に、心惹かれます。 

はい、貴女がどちらかの生き方を経験出来ますよ、と言われたら、ガルボ様だろうから。







世界中から「見られる」立場で、自尊心高く「スタア」として輝き、ふっとその世界を捨てて、

逆に、世界を傍観する側に回られた、ガルボ様。

その人生に、興味はないけれども、人の「おはようございます」という挨拶に、

「ごくろうさん」と答えるような、ぶっきらぼうさであるならば、人気が下降する恐怖もない、

世捨て人生活は、お幸せな後世でらっしゃっただろうなあ?などと思います。 



↑ こういう眉間にしわを寄せたようなお顔、とても自然に感じますもん。 

「恋に悩める」とかじゃなくて、「あ~鬱陶しいわ」的なお顔に見える御仁であります。


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本日のおまけ:ヒッチコック監督に続き、MGMより愛をこめて?(1926年撮影)


1926

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