再再掲・第二百四十四夜・ベルナデッタ・スビルー様 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

2012年11月21日の記事

2021年3月16日再掲

 

かつては、このような光景だったようです。

 

 

 

 

当ブログを始めた年の記事なのですが、未だにアクセス頂きます。

そ・・・それだけ、他に記事がないってことか。

鹿鳴館も、ドキュメンタリーのひとつくらい、YouTubeにあるかと思ったら、

なかったですからねえ・・・

 

ルルドの聖女


 

 

まず初めに、私、信仰を持っているとしたら、

根っから八百万(やおよろず)の神様です。全てのものに有難う、系。

命というものについては仏教的かも。神仏ごちゃまぜ。

一神教のキリスト教とは無縁。でも、八百万だからこそ、

人に「信仰」があるならば、それぞれに尊重されるべきと思うんです。

なので、文章に間違いや、偏りがないよう、今回は特に気をつけたい。
 

 

Bernadette Soubirous(ベルナデッタ・スビルー)様。

1844年1月7日~1879年4月16日。

フランス、ピレネー地方、ルルドに誕生。

お父様は粉挽き職人で、極貧の環境で、学校にも通えず、

教育を受けられずに育たれておられます。

 

 

14歳の時に、郊外のマッサビエルの洞窟のそばで、

妹と薪拾いをしている時に、洞窟に不思議な輝きをした人影に気が付く。

それが聖母マリアの御出現の始まりと言われます。


 

 

思慮深い少女でらしたのではないでしょうか。

妹に口止めをされたようですが、えてして、そんなもので、

妹さんが喋ってしまい、噂はあっと言う間に、村どころか、

フランス全土に広がる事になります。


 

ベルナデッタ様御自身は、その人影を「あれ」と呼び、

聖母マリアであると言われたわけではなく、その人影の命ずるままに、

会いに通い、初めは周囲に笑われながら、

「泉に行って水を飲んで顔を洗いなさい」との言葉に、泥水だった所で、

泉を掘り起こしたり、草を食べたりしたと言われています。

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「あれ」がここに聖堂を建てるよう望んでいると伝えられた神父に、

名前を聞いて来るように命じられ、ベルナデッタ様が何度も尋ねると、

「Que soy era Immaculada Councepciou」
(ケ・ソイ・エラ・インマクラダ・クンセプシウ)

(私は無原罪のやどりである)

と、「あれ」は答え、読み書きも出来ない少女が知る由もない、

4年前にカトリックの教義となった 「無原罪の御宿り」という言葉を聞き、

神父や周囲の人々が、聖母マリアの出現を信じたのだそうです。


 

聖母は、少女の前に18回現れ、少女は、

「あれは少女の形をしている」と、表現しています。

1864年には、ルルドに聖母像が建てられ、

洞窟は治癒の奇跡を起こすとされ、巡礼者が溢れることになります。



 

一躍有名人となってしまったベルナデッタ様は、1866年7月7日、

世間から逃れ、生地を離れ、ブルゴーニュ地方の女子修道院に入り、

シスター・マリー・ベルナールとして、

祈りと、病人への奉仕の生活に入られることに。

上司の修道女がベルナデッタ様を嫌ったと言われているのは、

嫉妬でしょうか?あるいは煩わしさ?

いずれにせよ、残されている記述や写真からは、

エキセントリックで幻影を観たり、注目されて興奮し、

嘘をついたり、作り話をするお方には見えません。


 

奇跡に関しても無関心で、次のような言葉が記録されています。

「この類の話に、本当のことは何一つありません」

「そういう話は聞かされたけど、私は知りません。」

「私はじかに見ていないので、知らないと言ったんです。」




 

 

ルルドの奇跡について、否定する発言は残されていません。

しかし、御本人が、気管支喘息を患っていらしたものの、

もっと遠方の湯治場へ通われ、一度もルルドの泉に行く事はなかった。

騒がれるのがお嫌だったのでしょうか。

実直な方だなあ・・・と思います。

そして、たった35歳の若さでの死去。


 

 

没後、列福調査が行われ、1909年、1919年、1925年と3回、

お墓が発掘調査され、目視では遺体に腐敗が見られないと確認され、

1925年に列福、1933年12月8日、列聖されておられます。


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ルルドの泉については、治癒効果・奇跡の地としての認識があり、

知人で、訪れたという人の話しも聞いたことがありました。

(世界中から難病の人々が集まられているので、すごい人だと。)


 

しかし、実際にベルナデッタ様の御遺体の映像を拝見した時の驚きは、

正直、恐怖に近いものがありました。


 

1925年の調査では、過去の調査の際の洗浄の影響で、

皮膚の黒ずみと黴・異物の沈着、ミイラ化による、

鼻梁と眼窩の窪みなどが発見され、顔と両手は精巧な蝋製マスクで、

被われたそうです。遺物に関してフランスでは珍しくない処置とのこと。

 





 

こちらのお写真が、そうなのでしょう。

静かな方だったということから、お墓でゆっくり眠って頂きたい気も。

 

死蝋として、珍しくはないと言われても、じゃあその地方は皆そう?

と、言ってしまいたくなる、ご遺体。

信仰、宗教と、肉体の永遠性の関係はよくわからない。

しかし、このお姿が、不治と言われた病を持つ人々に、

望みを与えるのは解る気がします。

 



 

源泉。


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泉には、一億もの人々が訪れています。その中で、カトリック教会が、

奇跡と認定したのは現在で67件だそうです。

列を成す、御病気の方々が治癒への望みをかけてらっしゃるのは、

もちろんのことですが、実際の「奇跡」自体より、

魂(心)の救済になっているのではないでしょうか。

 

 



 

 

1943年、ヘンリー・キング監督作品『聖処女』として映画化も。

ベルナデッタ様を演じた、ジェニファー・ジョーンズ様が、

アカデミー主演女優賞を受賞されておられます。


時は止まる君は美しい

 

数々のオマージュから、お守り、お土産ものまで色々。


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ヨーロッパのお土産で「指抜き」は欠かせないけれど、

ここでお目にかかるとは。ある意味、生活の中に、

信仰が身近にある感じなのかも。


時は止まる君は美しい

 

やはり、厳粛な話で、気持ちがずっしりするのですが、

お写真を拝見していて、ちょっと明るい?気持ちになる発見が。

「あれ?何か違う?」と思って調べたら・・・。




 

何と、五島列島に、ルルドの泉がありました。




時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

 

聖地ではないものの、茶化しているのではなく、

ちゃんと真面目な場所のようです。

知人がフランスまで行ったと聞きましたが、

なかなか重病の人が遠隔地にまで行けるものではなく、

国内ならば、少しは行きやすいかもしれない。


 

親しみを感じる蛇口。

正真正銘、キリスト教のお話しなんだけど、

ちょっと日本らしさを感じる、国内のルルドの泉です。


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御自身が、聖母マリアの出現を語ることは好まれなかったそうです。