朴倧玄『韓流「女と男・愛のルール」』(その1) | hitomodokiの寝言

朴倧玄『韓流「女と男・愛のルール」』(その1)


講談社+α新書 382-3 C
2009年1月 195頁 838円(税別)

著者の朴倧玄(パク・チョンヒョン)は法政大学経済学部教授。専門は人文地理学らしいのですが、最近それに韓日大衆文化比較論(?)が加わりました。本書は、『韓国人を愛せますか?』『韓国人は好きですか?』に続く第三弾。姦流大好き『女性セブン』のブックレビュー(2008年10月2日号)で、第一作の『韓国人を愛せますか?』から「そのときの感情を思い切り出さずにいられないのが韓国人」、「韓国人は、自分がすっきりするのが最優先」という内容が紹介され、ネットから流石だと評価する声が聞かれました(笑)。

結論から言いますと、本書は値段に見合う内容ではありません。一部の韓国ウォッチャーやお花畑全開の方には兎も角として、現代韓国の大衆文化全般を知りたい一般の読者には、韓国では日本の大衆文化は低俗で下劣とされ、まだ全面解禁されていないとか、そう批判しながらも日本文化をずっとパクり続けているとか、日本文化だけではなく世界の文化の起源も韓国だと主張しているとか、もっと基本的な情報を伝える本のほうがよいと思います。まあ、それでも気になる箇所があったので、取り上げることにしました。

 私は九州が大好きだ。2016年のオリンピック候補地を福岡にと強く願っていたが、最終的に東京に奪われてがっかりしたほど、私には福岡に特別な思い出がある(もちろん、福岡が韓国と競合したら、私は韓国を応援するだろうが)。
 初めて日本に来た時も、釜山から福岡空港へ向かったし、鹿児島ですばらしい日本人の先生にも出会ったし、私にとって九州は、いろいろと忘れられない思い出が多い地域だ。だからなのか、今でも、九州に関連するプロジェクトや研究会には積極的に顔を出して、研究にも取り組んでいる。

(本書179頁より)

日本国内では今一つ盛り上がりに欠けるオリンピック招致活動ですが、こういうのを読むと、つくづく福岡が代表候補地にならなくてよかったと思います。国内候補地選考で東京と福岡が争ったのは2006年のこと。その中で福岡を応援する韓国人、韓国メディアが多かったことは忘れてはいけません。

2006年1月4日には東亜日報に「韓日ワールドカップ、韓日オリンピック」という朝日新聞論説主幹・若宮啓文宛てのコラムが掲載されました。その中で、釜山(プサン)と福岡は姉妹都市。快速船で2時間30分、航空便で1時間の近距離にあり、釜山は独自開催よりも福岡と共催するほうがはるかに有利だとして、地方の都市が国境を越えて手を取り合うのが「21世紀型「グローバリズム」」と主張しました。

最終選考のプレゼンテーションにはなぜか姜尚中(東京大学教授)が登場し、東京では世界の人を説得できない、金持ちの金持ちによる金持ちのためのオリンピックなどと攻撃。さらに、ソウルのハニョン外国語高等学校二年生の崔多慧(チェ・ダヘ)とかいう女子生徒が、世界の平和に近づけるように福岡に機会を与えて欲しいと訴えました(「福岡を忘れないでください」朝鮮日報 2006年9月5日)。

正常な日本人の感覚であれば気持ち悪いとしか感じられないこの人選について、福岡の関係者は「アジア的価値を強調するため」と説明したようですが、要するにサッカー・ワールドカップ共催の夢よもう一度ということでしょう。「1964年の東京オリンピックをもう一度!」という主張は世界に通じないなどと批判する資格はありません。自分たちに有利になると思うと、大嫌いなチョッパリにも擦り寄って集ろうとしているのに、東京開催では「金持ちの、金持ちによる、金持ちのためのオリンピックになる」と攻撃するのですから、呆れるほかありません。福岡で開催されれば、地方分権、21世紀型グローバリズムがいっそう進むなどというのは、後から取って付けた理由でしょう。

北京オリンピックからわずか8年で再びアジアでオリンピックが開催される可能性はそれほど高いとは言えません。それでも東京と福岡が立候補したのは、東京では臨海副都心計画、福岡では博多湾開発計画が頓挫してしまったので、少しでも元を取りたいという事情があるのでしょう。いずれにせよ、東京が福岡を潰してくれたのは幸いでした。

韓国では夏のオリンピックには釜山が、冬のオリンピックには平昌(ピョンチャン)が開催候補地として名乗りを上げています。韓国は次回開催が有力視されているシカゴに恩を売って、アジア地域開催の可能性が高まる次々回を目ざす作戦に切り替えたようです(「釜山、シカゴオリンピック誘致共助国益に助け」ノーカットニュース 2009年1月29日)。次回が東京になると、次々回のアジア地域開催はなくなってしまうので、当然のことながら韓国は東京の足を全力で引っ張ろうとするでしょう。東京都は今回落選しても、また立候補することを表明していますが、福岡はどうするか明らかにしていません。注意する必要があります。

すぐ忘れてしまうところが日本人の良いところでも悪いところでもあるのですが、特亜はこういうことを絶対に忘れません。今後も特亜の動きを注視しつつ、東京のオリンピック招致を応援しましょう。

東京オリンピック・パラリンピック招致委員会公式サイト