アメリカの資料ですが、おもしろい資料なので披露してみます。
何を示しているかというと、
・アメリカのオンラインショッピングでは、43%が送料無料になっている。
・34%の人が、送料無料でないとオンラインで購買しない。
・39%の人が、送料無料のサイトを積極的に探す
ということです。
そして、オンラインショッピングでの送料無料は、すぐに差別化要因ではなくなるかもしれないという結論が掲載されていました。
アメリカのオンライン市場がどうなっているか知りませんが、僕はそのような変化が日本にも数年後には起こるように思えます。しかし、現状として、短期にそのようなことが起こるかというと疑問です。
というのも、「じゃあどこが送料を負担するのか?」という疑問に対して答えてみればわかるかもしれません。
日本でよくオンラインショッピングで見られるのは、結局「商品価格に転嫁されている」ということになります。そして、最近では、Kakaku.comなどをみると、「価格+送料」表示ですね。
結局のところ、日本では送料無料はあまり大きな差別化要因には現状としてはなっていないということがいえると思います。
その背景には、勝手な予想ですが、日本でのオンラインショッピングといえば、「楽天」「Yahoo」であり、「kakaku.com」の掲載企業であっても、個人事業主によるものが多いからということになるかもしれません。
個人が送料を負担する限りにおいては、送料に対するインセンティブは働かないので、システム上なかなか差別化要因にならないからですね。
しかし、この常識を覆したのがAmazonです。
Amazonとクロネコヤマトがどういう提携をしているのかは良く知りませんが、大量出庫による値引きがなされているだろうことは予測がつきます。協働してサプライチェーンを組み、送料を下げる。そのようなスケールメリットを活かせるところだけが、消費者にとって重要になってくるだろう「送料による差別化」を手にすることになるだろうと思います。
実際に、「楽天はAmazonとサービスの提携」を始めているし、YahooにはYahooゆうパックなる低価格便が存在します。
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20358979,00.htm
更に、「コンビニ配送」という利便性を活かした、サービスの差別化は今後も進むでしょうし、そうなってくると、楽天・Yahoo以外のオンライン市場の参入障壁はどんどん高くなっていくように思えます。
このような動きは、消費者としても、オンラインショッピング側としても、宅配便側としてもWin-Win-WinのStrategyであり、素晴らしい動きだなと思います。
しかし、その中で寡占が進んでいって、競争がなくなるのだけは危惧します。
このような競争の中で、日本郵政は、M&Aによる多角化と、日通・ローソン・Mixiなどとの戦略的提携による外部からのリソースの調達をしながら頑張ってはいるのでしょうが、なんとも動きが遅い。
民営化しても、民営化に適した人材が不足しているようでは、なにも起こりませんね。
結局、「企業は人」なんだなと思います。