いつものようにネットでミニカーを物色アイコン:検索していて

未だレース仕様がモデル化されていない(プレーンボディとデカールのみはスパークから発売されているが)1台のマシンを思い出した・・・


メルセデスベンツ CLR


コーポレートカラーのシルバーに塗られたCLR
1999年ル・マン24時間用に開発されたマシン

その独特かつ洗練されたスタイルで
ライバルのトヨタGT-One TS020と共に優勝候補の一角と期待されていたが・・・





今まで、いろんなカテゴリーのレースを観てきたが
Live中継を観ていて寒気がしたのはこの事故が初めて・・・

あの時、まさにフワっと木の葉葉。のように舞いあがり森の中へ消えたシーンを目の当たりにしつつも、テレビ朝日の解説陣(由良拓也氏)は(モニターを観ていなかったのか)他の話題のコメントを続けていたので、一瞬自分の目の錯覚かと思ったほど、信じられないアクシデントだった叫び


CLRはプラクティスでもミュルサンヌインディアナポリスの中間セクションでマーク・ウェーバーが2度にわたって宙に浮きクラッシュドンッ


決勝には急遽浮揚対策パーツをつけて臨んだが
その効果はなく歴史に残る大クラッシュとなってしまった



少々マニアックな話になるが・・・

CLRはその空力設計上、極端ににフロントオーバーハング量が多く、フロントダウンフォースが大きかったため前輪のサスは固めのセッティングとなっていた

一方で、トラクションを稼ぎたいとの目的からリアサスペンションを柔らかくしたことで、前後のバランスから車両全体のピッチング量が増大

結果、時速300km/hの高速域でポーポイズ現象を起こし、さらにトヨタTS020のスリップストリームに入ったことでフロントダウンフォースが急減してリアウイングとのエアロバランスが崩れ、床下に大量の気流を吸い込んだため、このような事故へと発展したのだろう



幸い周囲の看板や鉄塔に接触することなく
さらに着地点が森の中の軟質な土壌であったこと
奇跡的に着地時の回転が逆さまにならなかったことで
ドライバーのピーター・ダンブレックは軽傷で済んだのだが

この事故でメルセデスは残る1台を即ピットへ呼び戻しレースを棄権


その後、現在にいたるまでル・マンには戻ってきていない・・・