文系受験だったにも関わらず受験期に国語の大スランプに陥り、受験国語は結局テクニックで乗り切った私は、未だに国語に対して”捉えどころのない科目”という印象を持っています。

我が家は中学受験のための通塾開始予定の小学校高学年までは家庭学習でいこうと思っているのですが、娘との家庭学習を開始するまでに私自身の国語に対する所在無い思いを少しでも払拭したく、最近は国語の学習方法に関する書籍を何冊か読んでいました。

その中の一冊がこちらです下矢印
第1章 子どもに必要な力は、読解力
第2章 説明文を読む力 ~三つの大部屋読解法
第3章 三つの大部屋読解法で、長い説明文を読む
第4章 物語を読む力 ~クライマックス場面読解法
第5章 クライマックス場面読解法で、長い物語を読む
第6章 クライマックス場面読解法で、物語の深さを知る
第7章 読解力が子どもを成長させる

著者の二瓶先生は、国語に限らず私が常々参考にさせて頂いている筑波大学附属小学校の先生でいらっしゃいます。

この書籍を読んで先ず感じたことは、国語という科目を通じて子どもたちに”生きる力”を身に付けるのだという二瓶先生の信念であり、暖かさでした。
多感で成長著しい時期にこういう先生に教えを乞う子どもたちは幸せだな、と。

ところで、これまで国語学習には以下2種類があると思っていました。
 味わう国語
 (テクニカルに)解く国語

私が国語のスランプに陥ったのは大学受験期まで から脱却することが出来なかったからなのですが、それに気付いて以降も に対しては”所詮、小手先のテクニック”というネガティブなイメージしか無く、
ではいずれドン詰まりになることが分かっているけれど、 に対しては嫌悪感がある。
さて、娘の国語学習はどうしたものか?
というのが私の解決したかった問いでした。

そして最近、13の間に
 (論理的に)読み解く国語
という解法が存在するということを知りました。

筑波大附属小の国語科の先生方の書籍を読んで2の存在を知り、漸く自分の中で「国語の学習、かくあるべし」というのが見えてきたのですが、この春同小を退官された白石先生が
 「読み方」は自由ではない
 「型」を教え、繰り返し使わせることが大切
と仰っているように、国語には数学などと同様に”正しい解き方”があるのですね。

”正しい解き方”というのはつまり、明確な方法論を用いて論理的に解くということなのですが、冒頭にリンクを貼った書籍の中では、説明文と物語文のそれぞれについて、自宅学習の中でどのように文章を読み解く力を付けていくかということが分かり易く、惜しみなく紹介されています(営利目的での出版というお立場でないためか、本当に懇切丁寧に方法論をご紹介されています)。

読んでしまえば当たり前のように感じる部分があったり、そういう読み方は当然にしていると思う部分もあったりしますが、そのような読後感も突き詰めると私の場合はやはりに過ぎない(なんとなくそうだろう、と思っているだけ)訳で、本書の良さは、国語学習にありがちな「感覚的にそうだと思う」という曖昧さを排して、かと言って3のテクニックに走る訳でも無く、論理的に”正しく”読み解く国語の学習方法を可視化している点にあるように思います。

 を身に付けることで受験国語に対応出来るのだろうか?」という疑問を当初は感じたのですが、そもそも筑波大附属小の先生方の国語に対する問題意識は、PISAの結果明らかになった日本の子ども達の「読解力」の低さが出発点になっています。
”PISAショック”を受けて2011年度に施行された学習指導要領においても大きな目標の一つは「読解力を育てる」ことであり、入試で問われる内容もこれから益々その流れに沿ったものになるであろうことを考えると、受験国語対策という点からも をしっかり習得&実践出来るようになることが肝要なのではないかと感じています。

私の関心事が受験国語にあるため上記の書き方になりましたが、 の読み方を習得すること、イコール本当の意味で文章を「味わう」ことであり、それが即ち読書を通じて人間性を育むことであることであると考えると、中学受験予定の有無に関わらず、この書籍に紹介されている”正しい読み方”を習得するよう導くことは、親から子どもへの”贈り物”であると言える気もします。

なお、本書の中では、幼児の読み聞かせ絵本でもお馴染みの『おおきなかぶ』を”正しく読む”方法も紹介されています。


娘の保育園ではこの絵本を基にオペレッタを行っていたりするため、娘もこの絵本はほぼ暗唱しています。
今はまだ3歳ですし、横から私がうるさい事は言わずに絵本の世界を好きなように存分に味わえば良いと思っていますが、いずれ国語学習を始めた暁には、『おおきなかぶ』も二瓶先生のメソドロジを活用して娘と読み解くつもりですウインク