フルート：金子由香利さん
ピアノ：石井佑輔さん
ゲスト（マリンバ、パーカッション）：本間美恵子さん
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公演は前後半に分かれていましたが、いずれも大きな驚きがありましたね。
まずは前半。
曲目はバッハやシューマンなど金子さんが心動かされた曲を選曲されたということです。
いずれも、オリジナルはフルートの曲ではない曲ではありますが、それをフルート用に編曲しての演奏です。
当然ながら素晴らしいフルートの音色と、あとは元の楽器だったらどんな風な音色だったかな～、
なんてことを想像しながら聴いていました。落ち着いた素敵な演奏でした。
ただ、前半での一番の驚きは、ピアノの石井さんが登場したときですね。
日に焼けた顔に、普段着のようなシャツ（それもどちらかというとおしゃれな感じのものではない）、靴は履いておらず靴下のみ。。。
まるで寝起きにちょっとピアノを弾きに来たというような感じでクラシックのピアニストには全く見えませんね（笑）。
マイナーキャラで申し訳ないのですが、クッキングパパに出てくる放浪の花田くんを思い出してしまいました（汗）。
ただもちろん演奏は素晴らしく、見た目から受ける印象とのギャップがすごかったですね。
後半は近代～現代曲を集めたということですが、
こちらは純粋（汗）に曲というか音とパフォーマンスに驚きの連続でした。
まずはフルートの音が舞台裏からしてきたあと、衣装を変更し、はだしの金子さんが登場。
普通は中央に止まるわけですが、いろいろフロアを動き回ったり、停まったりを繰り返します。
身体ごと左右に向けながら演奏しているところなどは、明らかに一人二役で会話をしているお二人を演じているのはわかるのですが、
さすがに会話の内容まではわかりませんね。まるで一人劇を演じているようですね。
バックから聴こえてくる本間さんのグラスチャイムの音と合わせて、演劇というか能舞台というか、
新鮮な内容でした。
続いては石井さんのソロで「鳥のカタログ」より「チャバラムシクイ」。
ひょっとしたら衣装を変更してくるかな？ と思いましたけど、石井さんは前半と同様の衣装でご登場です。
この曲は最近原稿が発見されたということですけど、そういう曲をプログラムに持ってくるのもなかなかの趣向ですね。
引き続いてが金子さんと本間さんのマリンバとの共演。
なんだか不思議な音楽です。特に印象に残ったのが金子さんおよび本間さんがいきなり掛け声をかけてきたところでしょうか。
子供の歓声をイメージしているのでしょうけど、フルートを吹いたり、声を出したり、大変ですね。
また本間さんも玉の部分がないマレット（見た目はちょっと先が割れているただの棒）にもちかえたりして、
あれでちゃんと音がなるの？ とか思いましたけど、マリンバ本来の音とバチ同士がはじけるような音が融合したりして、
「へぇ～、なかなか面白いな～」なんてことも思いました。
この曲は本来は中央アフリカのピグミー民族の伝統的な音楽、踊りをベースにしているということらしいですが、
そういう曲を現代曲として再現されているのが不思議です。
最後がメインのお二人に戻って、曲もフルートとピアノのためのソナタ。
あとから考えると、フルートとピアノのための曲もこの曲が唯一なのですね。
この曲は現代曲ではありますが、意外とわかりやすい感じがしますし、最終楽章のとてもスピーディな迫力有る演奏がお見事でした。
こんな感想を書くと演奏者に失礼かもしれませんが、まるでRPGのラスボスとのバトル中のような高揚感がありましたね。
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全体的に金子さんメインの演奏会を見るのが私は始めてだったのですが、非常に個性あふれる演奏会でした。
金子さんは2013年にやっぱり石井さんとファーストリサイタルを開催されており、私は聴きにいくことはできなかったのですが、
そのときはどんな雰囲気だったのか非常に興味がありますね。
今回が特別なのか、それとも前回も非常に個性的なものだったのか、どうだったのでしょう。
まあ、その辺は今後の演奏会がどんな雰囲気になるのかまた楽しみにしたいと思います。
実は去年の暮れくらいにちょこっとだけ金子さんとお話する機会があったのですが、
そこでのお話のなかで
「自分にしかできないことをしたい。そのためには準備もしっかりしたいし、大体２年くらいはかかる」
とおっしゃられていたのが思い出されますね。
（りゅ～とぴあ スタジオＡ 前売り２０００円）