地域連携と診療情報共有
当院がiPhoneを導入したのはほぼ1年前。
そもそもは医師同士の情報共有をいかにして実現するかということが狙いでした。ただサマリーをGoogleDocにおいて共有するだけでは閲覧しかできず、現場が使えるものではなかった。
iPhoneを導入したときに一番最初に試用したアプリは、「Bento」です。これはfilemakerをiPhoneアプリ化したもので、アドレス帳や患者毎のサマリーを作成するのに使いやすいと考えました。
しかし法人間すべての医師と共有するには同期作業がやや煩雑でした。
そもそもサマリーを作成し、医師間で共有化する目的は大きく2つあります。
①グループ診療時の患者情報の共有をすること
いつかかってくるかわからない緊急コールにどの医師でも対応できる体制を整える。
②サマリーから過不足なく診療情報提供を素早く、簡潔に実施できること
診療情報提供書というのは医師と医師、医師と病院をつなぐたいへん重要な書類であり、その内容によって医師のレベルやクリニック・病院の質が見え隠れするものであると考えています。
「患者紹介」はおもに医師と医師との信頼のもとに成り立つものであると考えられてきました。医師は医師会に入り、他医療機関の医師との交流を深め信頼関係を構築し「患者紹介」をお願いしたりされたりするものでした。言い換えれば医師同士の交流があれば診療内容がどうであれ、「患者紹介」をしてもらうこともあったかもしれません。
しかし在宅医療の現場は少々異なります。
在宅医療における連携の担い手にはMSWや退院調整看護師、ケアマネージャーや訪問看護師、薬剤師など多岐にわたり、さまざまな情報の授受やコミュニケーションはこうした職種が担っています。
そしてそのなかに医師がおり、チームをつくり信頼関係が成立して初めて「患者紹介」が生まれるように思います。
診療情報提供書というものは、先にも書きましたが医師と医師とをつなぐ大切な書類です。患者の病歴が網羅された内容になっています。
通常病院では診療情報提供書はカルテに保管され、病棟看護師はいつでも内容を閲覧することが可能です。
しかし在宅医療の現場では医師以外のスタッフはこの情報を閲覧することはできません。医師と医師間でやりとりされる書類だからです。
そのため患者の病歴を患者もしくは家族からの聴取によって収集しています。その内容は知識、理解不足からあいまいであったり、間違っていることもあり、医師以外の在宅医療に携わるパラメディカルスタッフは患者の病態を把握するのに難渋することがあります。
こうした現状であることを在宅医療に携わる医師は十分に理解して欲しいと思います。
当院では積極的に診療情報をパラメディカルスタッフと共有するようにしています。その方法には未だ暗中模索の段階ですが、双方の負担のないようにICTを使って効率化していきたいと考えております。
こうした医師以外の情報授受という行為は、制度化、公式化されておらず、診療報酬にも反映されていないのが残念でなりません。
在宅医療は皆で協力して成り立つものです。
医師一人、看護師一人で成り立つものではありません。
すべての在宅医療に携わるスタッフ全員との連携があってこそ、患者が在宅で安心して療養できるのです。
そして連携には情報共有が不可欠です。
繰り返しくりかえし、地域医療連携や情報共有の重要性を訴えているのは、そのためです。
わたしたちは今もなお、試行錯誤しています。
以前、そんな取り組みは趣味の世界だと、ほかの業務に専念した方が利益率が高いと指摘されたこともあります。
しかし今は地域医療に貢献できればクリニックの利益にたとえならなくても構わないのではないかと思っています。
チームの強靭な連携があってこその在宅支援診療所なのですから。
そもそもは医師同士の情報共有をいかにして実現するかということが狙いでした。ただサマリーをGoogleDocにおいて共有するだけでは閲覧しかできず、現場が使えるものではなかった。
iPhoneを導入したときに一番最初に試用したアプリは、「Bento」です。これはfilemakerをiPhoneアプリ化したもので、アドレス帳や患者毎のサマリーを作成するのに使いやすいと考えました。
しかし法人間すべての医師と共有するには同期作業がやや煩雑でした。
そもそもサマリーを作成し、医師間で共有化する目的は大きく2つあります。
①グループ診療時の患者情報の共有をすること
いつかかってくるかわからない緊急コールにどの医師でも対応できる体制を整える。
②サマリーから過不足なく診療情報提供を素早く、簡潔に実施できること
診療情報提供書というのは医師と医師、医師と病院をつなぐたいへん重要な書類であり、その内容によって医師のレベルやクリニック・病院の質が見え隠れするものであると考えています。
「患者紹介」はおもに医師と医師との信頼のもとに成り立つものであると考えられてきました。医師は医師会に入り、他医療機関の医師との交流を深め信頼関係を構築し「患者紹介」をお願いしたりされたりするものでした。言い換えれば医師同士の交流があれば診療内容がどうであれ、「患者紹介」をしてもらうこともあったかもしれません。
しかし在宅医療の現場は少々異なります。
在宅医療における連携の担い手にはMSWや退院調整看護師、ケアマネージャーや訪問看護師、薬剤師など多岐にわたり、さまざまな情報の授受やコミュニケーションはこうした職種が担っています。
そしてそのなかに医師がおり、チームをつくり信頼関係が成立して初めて「患者紹介」が生まれるように思います。
診療情報提供書というものは、先にも書きましたが医師と医師とをつなぐ大切な書類です。患者の病歴が網羅された内容になっています。
通常病院では診療情報提供書はカルテに保管され、病棟看護師はいつでも内容を閲覧することが可能です。
しかし在宅医療の現場では医師以外のスタッフはこの情報を閲覧することはできません。医師と医師間でやりとりされる書類だからです。
そのため患者の病歴を患者もしくは家族からの聴取によって収集しています。その内容は知識、理解不足からあいまいであったり、間違っていることもあり、医師以外の在宅医療に携わるパラメディカルスタッフは患者の病態を把握するのに難渋することがあります。
こうした現状であることを在宅医療に携わる医師は十分に理解して欲しいと思います。
当院では積極的に診療情報をパラメディカルスタッフと共有するようにしています。その方法には未だ暗中模索の段階ですが、双方の負担のないようにICTを使って効率化していきたいと考えております。
こうした医師以外の情報授受という行為は、制度化、公式化されておらず、診療報酬にも反映されていないのが残念でなりません。
在宅医療は皆で協力して成り立つものです。
医師一人、看護師一人で成り立つものではありません。
すべての在宅医療に携わるスタッフ全員との連携があってこそ、患者が在宅で安心して療養できるのです。
そして連携には情報共有が不可欠です。
繰り返しくりかえし、地域医療連携や情報共有の重要性を訴えているのは、そのためです。
わたしたちは今もなお、試行錯誤しています。
以前、そんな取り組みは趣味の世界だと、ほかの業務に専念した方が利益率が高いと指摘されたこともあります。
しかし今は地域医療に貢献できればクリニックの利益にたとえならなくても構わないのではないかと思っています。
チームの強靭な連携があってこその在宅支援診療所なのですから。