人生の師 その37 (別れ) | 吹けば飛ぶよな家具屋のおやじ

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さて、おふくろをおやじのいる家に連れてきた。

おやじの顔を見てどうするかと思ったら、

コタツでお説教を私に始めた。


あんたもしっかりしないと、カミさんに浮気されちゃうよ。

というような話を怒りながら、目を吊り上げて話すのであった。


ずっと聞いていて、2時間くらい聞いていたら

落ち着いてきた。


もう遅いから、泊って行きなさい。

というのでコタツに横になったら

布団をかけてくれて、

昔のやさしいおふくろに戻った。


おふくろが寝たのを確認して自宅に戻った。

ケアマネージャーさんと相談して、施設でも

自宅でも手に負えないときは、私どもで見ますと言ってくれた

サンピエール病院の先生に相談することになった。


このまま置いて、もしも逆上して包丁でも

持ちだされたらと思うと、大変なのである。


翌日、おふくろと、いつもの病院へ行くよ。

と連れ出した。

また行ってくるだけだとおもって、おふくろはすまないねえ。

と楽しそうであった。


途中で、浅間山が富士山のようにきれいに見えた。

きれいだねえ。

そうだねえ。


今度は観音様だよ。

よく見えるねえ。

そうだねえ。

なにもしらないおふくろは楽しそうであった。


そして、先生の診断でそのまま入院ということになった。

しばらく静養していってください。と先生がいう。

おふくろは、どこも悪いところはないよ。と拒否。


先生に言われて逃げるように帰ってきた。

おふくろ、ゴメン。

正気に近いときのおふくろとの別れは辛かった。


浅間山を見ながら、観音様を見ながら

おふくろゴメン、おふくろゴメン。

繰り返し、繰り返しつぶやきながらおやじに報告するため

帰るのであった。