ひったくりを繰り返し、盗んだクレジットカードで買い物をしたとして、強盗致傷と窃盗、詐欺の罪に問われた東京都立川市の無職の男性被告(20)=事件当時少年=の裁判員裁判で、東京地裁立川支部(福崎伸一郎裁判長)は9日、詐欺について無罪とし、強盗致傷については窃盗罪しか認めない判決を言い渡した。そのうえで懲役3年、保護観察付き執行猶予4年(求刑・懲役7年)とした。裁判員裁判で一部無罪判決が出るのは初めて。

 被告は別の少年=家裁送致=と共謀して09年2~3月、東京都日野市などでひったくり3件をし、盗んだクレジットカードを使い瑞穂町の量販店でブレスレット(約9万6000円相当)を買ったとして起訴された。検察側は被告がひったくりの実行役と主張。被告は捜査段階で自白したが、公判では(1)被害者が重傷を負い強盗致傷罪に問われた1件は実行役でない(2)詐欺は少年が単独で行い共謀していない--と争った。

 公判では少年や量販店店員が被告は詐欺行為に協力したと証言した。判決は少年の証言を「誠実さに疑問がある」、店員の証言を「捜査当初は被告の行為を話しておらず、必ずしも信用できない」と判断。「被告の犯行とするには合理的な疑いが残る」と指摘した。

 判決は強盗致傷についても、他の2件と態様が異なり被告が実行役とする少年の証言には疑問が残ると認定。被告の自白についても「少年をかばうためだったとの供述は不合理でない」とし「『疑わしきは被告の利益に』の原則から、実行役は少年。被告は窃盗の犯意しかなかった」と結論付けた。

 判決後に会見した裁判員からは「証拠が無く判断できなかった」「警察、検察の捜査が甘かった」などの指摘が相次いだ。東京地検立川支部の西本仁久副部長は「上級庁と協議して適正に対処したい」、長谷川敬祐弁護士は「求めた結論をそのまま採用いただいた。裁判員の皆様に、偏見を持たずにしっかりと判断していただけた」とコメントした。【池田知広】

【関連ニュース】
裁判員裁判:強盗致傷の被告供述翻す 難しい判断に 東京
裁判員裁判:「全国初」有罪確定受刑者に賠償命令
裁判員裁判:殺人罪認めず傷害致死罪 検察側が控訴断念へ
殺人再現実験:捜査員が振り落とされ役 スタントマン断念
裁判員裁判:公判で突然否認の被告に懲役10年 東京地裁

孤独死防止に僧侶、東京・戸山団地が電話相談を強化(医療介護CBニュース)
スマートフォン向け接続サービスに障害 一時、通信できず(産経新聞)
41分で報酬121万円…仙台の非常勤行政委員(読売新聞)
<口蹄疫>宮崎県えびの市で豚の出荷始める 制限解除され(毎日新聞)
<最高裁>拳銃譲渡で無罪を破棄 アリバイの成立を否定(毎日新聞)
 沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題を巡り、東京・千代田区の都道府県会館で27日に開かれた全国知事会議。

 沖縄県の負担軽減の必要性を理解することなどで一致したものの、鳩山首相に対しては「なぜ今この時に知事を招集したのか」「すでに負担をしており、これ以上の受け入れは無理」と厳しい発言が目立った。

 午後3時前に同会館に到着した鳩山首相は、険しい表情を崩さずに3階の会議室に向かった。会場では、閣僚が立ち上がって出迎えたが、29人の知事らほとんどの出席者は着席したまま。冒頭、鳩山首相が約15分にわたって発言し、沖縄の負担軽減と訓練分散への協力を求めた。

 これに対し、森田健作・千葉県知事が「なぜ今この時に知事を招集したのか。普天間(問題)は大変な爆発をした。火の粉を全国に拡散させることになる」と会議の開催に対し疑問を投げかけた。谷本正憲・石川県知事も「すでに負担を受け入れており、地元に説明できない」などと述べた。

 一方、沖縄の負担軽減については「大阪は基地負担していないので、真っ先に汗をかかなければならない。できる限りのことをしたい」(橋下徹・大阪府知事)などの声があがった。

 会場外でも、出席者から批判的な声が相次いだ。途中退席した石原慎太郎・東京都知事は「総花的でナンセンス。ばかな会合だった」と声を荒らげ、松沢成文・神奈川県知事も「政府の交渉は最悪で無能としか言いようがない」と指弾した。

<小沢幹事長>郵政法案「全力で今国会中に成立期す」(毎日新聞)
郵政法案で対立激化、亀井・原口氏の不信任検討(読売新聞)
対北制裁措置を決定=送金報告基準を引き下げ―政府(時事通信)
アユやモクズガニ 目黒川で「発見隊」(産経新聞)
「辺野古」明記見送り要望 民主沖縄県連(産経新聞)
 名古屋市議会5月定例会の開会を目前に控えた2010年5月16日の日曜日。河村たかし市長は大阪にいた。橋下徹・大阪府知事が率いる地域政党「大阪維新の会」が大阪市議補選に擁立した候補の応援演説に駆けつけ、橋下知事との連携をアピールしたのだ。

 橋下知事は報道陣の取材に応じ、河村市長が市議会解散の動きを本格化させていることについて「議論しても決着できないなら、選挙で訴えるのは当然だ」と支持。名古屋市議選が実施された場合は河村市長の支援に前向きな姿勢を示し、河村市長からの「ラブコール」に応えた。

■市長側は議会リコール運動を起こす方針

 就任1年を超えた河村市長と市議会の対立は、対話の糸口がつかめないまま膠着状態が続いている。

 河村市長は、市民税一律10%減税を最大の公約に当選。2009年12月の臨時市議会で条例を成立させた。しかし、10年度予算案で市債が前年度から85億円増加して1110億円に膨らむなど、市の財政は苦しい。このため、市議会は2月定例議会で、減税を「10年度1年限り」とする条例を可決。

 これに河村市長が強く反発し、4月の臨時議会に市民税10%減税の恒久化案を提案。併せて市議会定数と議員報酬の半減案なども提案して議会に「宣戦布告」。さらに市長側は議会のリコール運動を起こすことを打ち上げ、市長と議会の全面対決の様相を帯びている。

 河村市長は10%減税恒久化案を6月の臨時会に再び提案する構えだが、議会側の反発は強く、成立するめどはまったくない。市長が5月定例会ではなく、6月臨時会に再提案する意図は、7月の参院選に向けて有権者の政治への関心が高まる機会に自らの公約の正当性を再度訴え、それに立ちはだかる「議会=抵抗勢力」との印象を市民に与えて、参院選後の実施も念頭に置く市議会リコールと、その後の市議選を有利に進めようとの思惑からだ。

■対決第2幕は参院選後に開く

 河村市長は4月下旬に地域政党「減税日本」を立ち上げた。これに同調する現職市議は今のところいない。市長は「自らの支援団体ですでに候補者を募り、50人前後が出馬の準備を進めている」と説明している。

 議会側は、「変わり者」市長の矢継ぎ早の攻撃に結束を強めているが、議員報酬削減などをめぐって各会派、必ずしも一枚岩ではない。これまでオール与党の馴れ合いとされてきた名古屋市議会に、「議会として審議する必要を実感し始めたことは、ある意味で『河村効果』」と自嘲気味に話す市議もいる。

 議場外での戦いも激しさを増している。河村市長は、支援団体に議会解散のための署名活動の下準備をさせ、署名集めのための「受任者」は6200人を超えたと豪語する。大阪の市議補選にまで応援にかけつけ、知名度抜群の橋下知事との連携をPRするのも、市議会解散をちらつかせながら市政運営の主導権をにぎろうとするお得意の演出ともいえる。

 「東京に力で勝ち、京都に文化で勝つ。名古屋の魅力を発信せないかん」。この1年、人々の関心を失わないようネタを出し続けてきた河村市長。次に打ち上げる花火が大輪と咲くかどうか。第2幕は参院選後に開く。


■関連記事
河村たかし市長困惑 議員定数・報酬半減案が否決 : 2010/03/26
河村・名古屋市長、議会の減税修正案に「再議」 : 2009/12/10
議員の定数や報酬半減 河村市長案に民主猛反発 : 2010/03/10
「キャプテン翼スタジアム」横浜にオープン! : 2010/05/14
上限は月7万円 「借上社宅制度」を設けるライブドア : 2010/05/18

国道側溝に男性の切断遺体=死体遺棄事件で捜査―新潟県警(時事通信)
「明美ちゃん基金」日本医療団、ベトナムで手術指導へ(産経新聞)
「逃げろ!」の声で群衆走り出す 一緒にいた友人は帰らぬ人に(産経新聞)
首相、北海道訪問を中止…口蹄疫や沈没事件で(読売新聞)
<蜃気楼>富山湾で、肉眼でも鮮明 離れた風景水平線上に(毎日新聞)