葬祭ディレクターとウエディングプランナー | 『稼げる資格』編集長の<資格とキャリアについての覚書き>

『稼げる資格』編集長の<資格とキャリアについての覚書き>

資格やキャリアに関する本を作っています。日々、誤解があるなあ、とか、もったいないなあ、と残念に思うことがあります。
ただ自分の中にしまっているのももったいないので、覚書としてここに書いておくことにしました。

『弔ふ建築』という本を読みました。
建築としての火葬場が、今の課題に応えどんな工夫をしているかを、
世界の火葬場のレポートやこれまでの火葬場の歴史を踏まえて解説している本です。
これまで自分が近親者を見送ったとき、つまり火葬場を利用したときのことを
思い出そうとするのですが、でも、火葬場がどんな建築だったかなんてまるで覚えていません。
でも、さまざまな火葬場の平面プランや装飾方法などを見ていると、
いかに自分の経験が限られたものなのか、よくわかります。
葬儀というのは、地方によって、宗派によって、全然違うものなのですね。
めったにないことだけに、本当に経験があてになりません。
さらに。
昔なら、○○市はほとんどが○○宗で、お葬式はこんな風習で行われる、なんて言えたのでしょうが、
今はどんなお葬式をしてどのように見送るのか、その人その人で、違うことも増えました。
葬儀会社でご担当される方も、
多様なスタイルと、今の動きを広く踏まえておかないといけない。

業界が「葬祭ディレクター技能審査」という資格に力を入れているのも、
最大の商品であるそれぞれの「人」が提供するサービスの品質を向上させるには、
そうした広い専門知識が必要になってきたからなのでしょう。

専門性が必要になってきた、ということは、働く側にとっては、
一度その専門性を身につけてアップデートしていく習慣を身につけたら
精神的にも安定して働くことができる業界になってきたと言えると思います。

同じような状況は、結婚式にも言えます。
結婚の件数自体は減少傾向ではありますが、
こちらも、一件一件の結婚式の独自性が高まっていますから、
サービスの種類は決して少なくなってはいない。
直接のお客さまである「主催者の満足」には、来場された出席者からの評価の比重も大きく、
ということは「もてなす」側がどのようなイベントを提供できるのかが大切ということ。
イベントですから、最新の流行や他の結婚式の状況だって、重要な要素です。
そしてこちらも、多くの方は「はじめて」。
プランナーには、
さまざまな職種のスタッフをちゃんとコーディネートする運営スキルだけではなく、
お客さまの意向や状況に合わせて、最新の手法も含めた多くの要素を使い
ぴったりのプランニングができるかどうかが問われます。

今回の「稼げる資格」では、クラリスさんというウエディングプランナースクールが実施している
「クラリス・ウエディングプランナー」という資格を取り上げました。
ご登場いただいたのは、長年フリーのプランナーとしてご活躍の方。
常に新しい手法を吸収されることで、プロフェッショナルとしての活躍を続けておられます。
「提案段階での演出方法」など、学ぶ内容にはなるほど、とうならせられます。

いいなあ、と思ったのは、
「数十年先の予約が入っているんです」。
ご担当されたお客さまがその後お子さんをつれて遊びに来られて、
「この子の時にもぜひ担当してもらいたい」と。

おひとりおひとりそれぞれの理想にちゃんとお応えできるって、いいですねえ。

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