ロックの歴史13 | 犬神サアカス團 犬神明オフィシャルブログ「呪ってポン!」Powered by Ameba

ロックの歴史13

パンクがパンクとして、その魅力を広く世間にアピールしたのは1976年にデビューしたセックスピストルズだ。

もちろんセックスピストルズ以前からパンクロックはあった。アメリカでは60年代から粗野でアバンギャルドなガレージロックがあり、その流れを汲んだニューヨークパンク(テレビジョン、ラモーンズ、パティ・スミスなど)が盛り上がってたし、イギリスでは単純で軽快なパブロック(イアン・デューリー、ニック・ロウ、ドクターフィルグッドなど)が小規模だが盛り上がっていた。

ロック音楽がだんだん大人向けになって、技術的にもサウンド的にも高品質になってきて、暴力的な衝動を失いかけたころだった。仕掛け人のマルコム・マクラレン(元ニューヨークドールズのマネージャー)は反抗的な態度の素人を集めてセックスピストルズとしてデビューさせたんだ。だからセックスピストルズは自発的なバンドじゃないんだけど、

これがバカウケ!

いま改めてセックスピストルズを聴くと、驚くほど演奏は安定しててノリがいいし、音質も爽快でハードなロックンロールとして申し分ない。しかし当時はあの毒々しいルックスや唄い方や態度が相まって、とても正気の音楽には聴こえなかったよ。

ボーカルのジョニー・ロットンは、ピンクフロイドやレッドツェッペリンやロッド・スチュアートやポール・マッカートニーやストーンズなど大金持ちになったロッカーを徹底的に批判した。これがまた鬱屈した若者達の心をつかんだんだな。実に上手い戦略だ。

それからというものパンクは社会現象となった。そのセンスはロック界だけなく芸術界やファッション界にも影響を与えるほどだった。

とにかくパンクは新しくて痛快でカッコ良かったんだな。現代でもこのカッコ良さが色褪せてないことが素晴らしい!
  
俺は好きだねパンクロック!