農薬に関するQ&Aと随想【食品安全委員会e-マガジン】 | まぁ、こんなもんでえぇんとちゃう?

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☆☆☆「食品安全委員会e-マガジン【読み物版】[農薬その2] 平成25年2月28日配信」より転載☆☆☆

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1. 農薬Q&A
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(Q1)
 すべての農薬の残留が規制されているのですか。

(A1)
 平成18年5月から、ポジティブリスト制度が導入され、原則的にすべての農薬に残留の基準が設定されました。
 リストにある農薬は食品毎に残留基準値が決められています。また、リストにないものについても0.01ppm以下という一律の基準値が設定されており、これを超えて農薬が残留する食品は流通が禁止されています。
 これらの規制は国産品にも輸入品にも同様に適用されています。
 なお、現在暫定的に設定されている農薬の残留基準値については、食品安全委員会が行うリスク評価を踏まえ、順次見直しが行われています。

[ポジティブリスト制度とは]
 原則禁止の中で、禁止していないものを一覧表に示す仕組みです。反対にネガティブリスト制度とは、原則規制がない中で、禁止しているものだけを一覧表に示す仕組みのことです。

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(Q2)
 輸入野菜の残留農薬について不安がありますが、大丈夫でしょうか。

(A2)
 輸入野菜についても、国産野菜と同様の農薬の残留基準値が決められており、基準値を超える野菜は流通が禁止されます。
 農薬については、食品安全委員会がリスク評価を行い、人が一生にわたって毎日摂取し続けても健康に影響がでない量(一日摂取許容量(ADI))を設定し、人々がこれを超えて農薬を摂取することのないように残留基準値が定められています。この仕組みにより輸入農産物についても安全性が確保されています。
 なお、野菜に限らず食品については、輸入される段階で、厚生労働省検疫所において適切に抜き取り検査が行われます。また、市場に流通している食品についても、都道府県等の保健所において抜き取り検査が行われています。
 これらの検査により基準値を超えれば、その食品について、検査強化等の対応が図られています。

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(Q3)
 残留農薬はおなかの赤ちゃんに影響はないのでしょうか。

(A3)
 食品安全委員会が行う農薬のリスク評価では、親が摂取した農薬が子供に及ぼす影響を、動物を使って親子にわたって調べる繁殖試験や、妊娠した動物に農薬を投与して胎児への影響を調べる催奇形性試験など、さまざまな動物実験の結果を踏まえ、赤ちゃんへの影響が出ないように一日摂取許容量(ADI)が設定されています。
 さらに、農薬の残留基準値を決める際も、国民の平均的な食品摂取量のほか、妊婦の方々やお子さんについても配慮した上で基準が設定されています。

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(Q4)
 一日摂取許容量(ADI)とは、どういうものですか。

(A4)
 人が一生にわたって毎日摂取し続けても健康に影響がでないと考えられる量です。
 通常、無毒性量(動物実験等で毒性が認められなかった量で最も小さい値)の100分の1とされており、体重1kg当たりの量として「/kg体重/日」として表します。


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2.「農薬の評価について」(農薬専門調査会座長 納屋聖人)
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農薬専門調査会においては、農薬の成分について、主に食品中に残留した際の影響に着目して食品健康影響評価を行っています。
 現在、科学的な正確性を確保しつつ、いかに迅速かつ効率的に評価を進めるかが重要な課題となっています。ポジティブリスト制度の導入により、農薬専門調査会が評価しなければならない農薬の数は飛躍的に増加しました。一方で、その中には農薬登録を取得する際に実施された試験も多く、私の専門である生殖発生毒性分野でも、現在の科学的水準から考えるとその結果をどう読み取るべきか悩む場合も少なくありません。このような場合には、「エキスパート・ジャッジ」(専門家による判断)を求められることも多く、専門委員・専門参考人の評価に対する負担も増大しているように思います。
専門家の数をどのように増やしていくかが課題の1つになっています。
 このような中、世界的には各国が共同して評価を進めていこうという取り組みが進められています。
世界中の専門家が共同で評価を行うことは、評価の考え方を相互に理解する上でも重要なことですし、専門家の負担軽減にも役立つかもしれません。日本でもこのような取り組みを進める必要があると思います。
 一方で、諸外国の考え方を押しつけられるだけでは「共同」にはなりません。例えば、諸外国では必要がないとされた毒性試験から重要な知見が得られる場合、我が国ではその試験成績もしっかり評価して、健康影響が出ないよう検討しています。我が国の考え方をしっかりと発信できることが、共同で評価を進める上では更に重要になるのではないかと思っています。

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☆☆☆転載終了☆☆☆