【戦後70年談話で示された、安倍政権の欺瞞性について】

1. 8月14日、安倍晋三が発表した戦後70年談話は、まさに現政権の欺瞞性、卑劣さ、ごまかし体質を象徴するものでした。過去の談話のキーワードだけを入れ、文脈を無視する卑劣さ、卑怯さは、まさに安倍政権の醜さの象徴だと思います。

日本国民のみなさんが、この政権を維持し続けることは、この政権の欺瞞性、卑劣さ、ごまかし体質を承認し、彼らと同罪となることを意味します。即刻、安倍内閣を倒閣すべきです。

2. 日本人は、先の大戦が終了したのち、その政治的・法律的未成熟さのため、自らの手で、戦争犯罪者を裁くことが出来ませんでした。戦争犯罪者は、極東国際軍事裁判において、連合国によって裁かれました。

しかも、東西冷戦の激化を受け、極東国際軍事裁判は、未完結の状態で終わりました。安倍晋三の祖父、岸信介を始めとする戦争犯罪者たちが、釈放され、政界に復帰しました。

その結果、戦前および戦争中の悪辣な支配層が放逐されることなく、その末裔たちが、いまだに影響力を持ち続けています。

戦後70年を期に、極東国際軍事裁判の未完結部分を、今度は、連合国ではなく、日本国民自身の手で裁き、完結させる必要があると思います。

ドイツでは、ニュルンベルク国際軍事裁判のあと、ドイツ人自身の手で、ドイツの刑事法を適用し、戦争犯罪者が裁かれました。法の支配を原則とする民主主義国家として、当然のことです。[1] [2]

戦争犯罪に時効はありません。中国におけるアヘン取引を始めとする、日本が行った全ての戦争犯罪を裁き、すでに死亡した被告人たちに対しても、有罪判決を下すべきです。

3. さらに、現政権が行おうとしている解釈改憲による憲法破壊行為も、その違法性および責任がきわめて重いものと言わなければなりません。

立憲主義の下、国の最高法規である憲法に違反する法律も、行政行為も全て無効です。国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、憲法を尊重し擁護する義務を負います。そして、法の支配の下、首相であれ大臣であれ、法により訴追され、裁かれます。

二度と今回のような憲法破壊行為が行われないよう、現政権の政治的責任だけでなく、その刑事責任を徹底的に追及すべきです。現政権による憲法破壊行為に対し、現行刑法の偽計業務妨害罪等の刑を適用し、刑事訴追の上、有罪を宣告すべきです。憲法を破壊する者が、どのような罰を受けるのか、はっきりとした先例・判例を確立すべきです。

4. 法の支配と立憲主義を揺るぎないものにするため、立法により特別法廷および特別検察官を設置し、上記ふたつの裁判を実施すべきです。さもなければ、今後も、戦争犯罪者の末裔たちが、様々な形で、日本の民主主義と憲法秩序の破壊を試みるでしょう。その結果、日本国民のみなさんの権利と自由は抑圧され、日本は再び戦争の惨禍にみまわれるでしょう。


参照資料:
(1) War, Guilt and World Politics After World War II, Thomas Berger, 2012, Cambridge University Press

(2)「ドイツが許されて日本が許されない本当の理由」石田勇治、ビデオニュース・ドットコム 7月25日


註記: 上記の見解は、私個人のものであり、いかなる団体あるいは政党の見解をも反映するものではありません。