観戦記 デオンテイ・ワイルダーvsクリス・アレオラ | ボクシング独我論~最高の技術と,戦術眼と,知識を,君に~

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試合結果:ワイルダー8回終了TKO勝利





序盤数ラウンズの展開は見所満載だった。
立役者は下馬評を覆し健闘を見せた、というか殆ど攻略しかけたアレオラ。

ブヨブヨの身体、ノソノソとした動き。確かに映像的に映えるものではないし戦績を見てもビタリ、アダメク、ステイバーン×2と王者クラスの相手には尽く敗れている。
過小評価も仕方ないのかもしれないが、ここまで良いボクシングを見せたのに完敗扱いは可哀想になる。

リニアな攻撃ラインを封じつつ廻しを取りにいく攻撃的なポジション取りは戦術眼に裏打ちされたテクニック、本質的なボクシング理解が必要不可欠。


*何が起こっているのか?自分の目で確かめるべし


*手筋を潰す立ち回りとレガシーなテクニック

アレオラが体現したのはまさにボクシングの醍醐味。
ボクシングは単に動作スキルや身体能力を競うだけの競技ではない。例え戦力で劣ったとしても戦術戦略、ポジション・トークやパワー・ゲームで十分戦う事ができる。
これらは前者と異なり惰性や習慣では決して伸ばせない部分で日頃の意識と競技への探究心が必要となる。(日本人選手がある年齢から全く伸びなくなるのはこの部分の問題)


『最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である』
byインテリジェント杉崎