前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
新たに立ち上げる
飲食店のプロジェクトを進める為
部下の前田と共に人事部の倉持部長より
特別講義を受けていました。
第67話:オノマトペで仕事の結果が変わる
ここまでの講義で本田と前田は
「説得力を上げる為に数値で表現する」
という事を学びました。
倉持
「更に効果的な手法も取り入れていきます」
そう言うと倉持は
先日放送されたダウンタウンの
100秒博士アカデミーというTV番組の
話を始めました。
その番組内で「オノマトペ」
について触れた場面がありました。
オノマトペとはフランス語で
物事を表現する擬音を駆使して話す事で
伝わりやすくする手法です。
プレゼンのエキスパートである
スティーブ・ジョブズがこの
「オノマトペ」を駆使していた事も
例に挙げられていました。
日本語は他の国が500~1000種類くらいの
オノマトペがあるのに対し、
なんと5000種類もあるそうです。
それだけ日本人に馴染む表現方法だと言えます。
例えば、
ウキウキ
ワクワク
イライラ
などの様に解り易い2語が連なったものは
ほとんどオノマトペだそうです。
それに、
普段使い慣れている
がっかり
あっさり
ぐっすり
さらっと
のんびり
ふと
ほっと
ばったり
じっと
ぎっしり
と言う様なものも
オノマトペだそうです。
それから
時代に合わせてドンドン
造語でオノマトペも生まれているようです。
「シーン」などは漫画表現で
沈黙を表したことから生まれたのでは無いか
と言う説がありますし、
擬音の表現で伝われば
何でもありのような気もしますね。
この技術は数値で表現する事と対照的で
インパクトはあるけど
どこか抽象的で相手の想像力を刺激する
表現方法だと言えます。
インパクトを与えて印象が強く残るので
伝える方法としては有効的ですし
数値と絡めると更に効果は
倍増することでしょう。
古くから日本人はオノマトペを
駆使してコミュニケーションを取ってきた
人種なので
変に横文字ばかりの難しい言葉が飛び交う
難解な話よりも組織が仕事を進める上で
多くの人に理解される表現としては
オノマトペや数値を巧みに使って
解り易くする方か格段に
効率的なのだそうです。
倉持
「この番組内で
オノマトペを駆使することによって
跳び箱が飛べなかった小学生10人が
全員飛べるようになった映像がありました」
これは
「技術や方法を理解して駆使することで結果が変化する」
という事を意味すると倉持は言います。
オノマトペの実際の所は
実際の運動能力が向上したのかは
不明で怪しいところもありますが
もともと持っていた力を最大限
引き出す方法としては
検証された事実なんだろうな
と言う事です。
人の能力は気持ちで
瞬間的に出る力が変化したりしますが
オノマトペでそれを引き出すように
コミュニケーション力や
表現力・伝える力などのこれまで
講義で学んできた内容は
理解して使うからこそ意味があるので
自然に出来ていたとしても
頭で解っていないといけないと
いう事なのです。
特にこれから、
お店を持つオーナーの方や
お店を持つオーナーの方や
飲食店の店長やスタッフを
教育していく立場になる本田承太郎や
前田のような立場の人には
最低限の理論を
最低限の理論を
マスターする必要があると
倉持は言うのでした。
倉持は言うのでした。
つまり、オノマトペなどの小手先の
技術で結果が変わるのではなく、
今まで学んできた自分の実力を
オノマトペなどの技術で、
いつでも引き出せるように
使っていくことで
結果を変えるという事なのです。
倉持はこのように説明し
本田承太郎と前田に伝えたのでした。
本田承太郎と前田に伝えたのでした。
つづく
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