雑記 | フランス語発音上達ブログ!

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TOEIC980。早稲田英文→早稲田仏文修士→上智外国語学部修士→上智博士課程在学中の井上がフランス語の発音を上達させるための方法について話します。









バクマン。 6 (ジャンプコミックス)著者:大場 つぐみ
販売元:集英社
発売日:2010/01/04
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バクマン6買いました。いや、面白いですね。ていうか、熱い。マンガの好き嫌いはともかく、訳のわからない情熱が渦巻いていることは否定できないでしょう。まあ、しかし、実際の所はよくわかりませんが、こういうある少数のグループが新しい流れを作っていくというのは、ケルアック、ギンズバーグ、バロウズを中心としたビートジェネレーションが新しい文学の流れを作り出したのを彷彿とさせて楽しいです。恋に落ちたシェークスピアもそうですけど、何かを作り出していくという物語には生のエネルギーが満ちているような気がします。







恋に落ちたシェークスピア/Shakespeare In Love - Soundtrack
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個人的に思うんですけど、やっぱり新しいものを作り出して行くには、なによりも熱気が必要だと思うんですよね。もちろん、目的地を決めてそこに行くという方式の物作りが悪いわけではないけど、本当に新しいものを作り出そうとする際は、しばしば自分が何を探しているかわかんないという状況に陥ることが絶対あると思うんですよね。で、そういうITを探しているとしか言いようがない状況を打破していくためには、ギンズバーグが唱えたように”ニュービジョン”が必要になってくるのではないでしょうか。まあ、プロレスみたいにNWO(New World Order)と言ってもいいでしょうけど。



で、個人的には、これからの日本にはこのニュービジョンとそれを作り出していく熱気が必要になっていくと思います。バブル崩壊によるリストラの流れを受けて、ゼロ年代には効率化の流れが進み、その結果マーケティングが脚光を浴びるようになったわけですが、その結果ニッチを埋めるような商品というのは出てきても、新しい市場を作り出すことはなおざりにされてきたような気がします。もちろん、こうしたマーケティング主流の流れというのは、経済成長が終わり、作るだけでは物は売れないという時代にはふさわしいものだったのでしょうが、それが進んだ結果ニッチは埋め尽くされ、もはや価格を下げることしか手段が残っていないというのが現状なのかなという気がします。



そう言う意味では、ゼロ年代も終わった2010年からは、今まであったものを改良しつつニッチ市場を埋めていくというマーケティング主流の流れではなく、消費者自身も自身が欲していることがわからないためマーケティングでは出てこない新しい市場を切り開いていくような商品をビジョンを持った作り手が創造していくという時代になるのではないでしょうか。そんなことを考えると、バクマンのような作品がジャンプに連載されているのは興味深い限りです。



もちろん、この二人もただマンガを書くと言うわけではなく、ジャンプにあったマンガが何かというマーケティングの視点は持ち合わせているわけですが、それを踏まえた上で例えばバトル物を主流とするジャンプでは受け入れられにくいであろう探偵物に挑戦するなど、ジャンプのシステムをはみ出していくようなマンガを書いてジャンプそのものの売り上げを増やしてやるぜという野望があるわけです。



僕は本田宗一郎が好きで、たまに授業で「夢を力に」を配ったりしてるんですけど、でもさすがに旧来のシステムが力を失っていた戦後ならともかく、今の世の中で宗一郎的生き方をするのは、いくら物を作り出すことを目的としている人とはいえ、さすがに無理があるわけですよ。そう言う意味では、マーケティングをきちんと押さえた上で、それをぶっ壊すことを考えるバクマンは面白い本だなと思います。



でも、考えてみたらバクマンの登場人物は結構宗一郎的ではあります。新妻エイジはトップに立ったら嫌いなマンガを終わらせてくれる権利をよこせとか言いますし。でも、なんといっても真骨頂は福田神でしょう。「アンケートを無くせ」とか言う男気溢れた言動を繰り出しまくってますし。だてにアシにパンクスを雇ってません。



まあ、しかし、マンガというのは面白い世界ですね。僕も今教えてる子に漫画家めざしてる子がいるんで、そのうち一緒に仕事が出来たらいいなと。











本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)著者:本田 宗一郎
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